ナッシングヤブサカ

中田かなめ

ナッシングヤブサカ

死ぬなんて死んでも嫌やわそんなもんそれはそれとして話は聞こか?


親友の定義は未だ分からずにいい歳になった 女が二人


とりあえず茶でもしばくかそう言って隣を歩く横顔を見る


届かないかかとはおろかつま先もやたらと高い椅子は非日常


絶望の淵に立ったその顔で握ったナイフで刺すパンケーキ


どうやって生きていこうか分からない分かるのはただ腹が減ったこと


辛いとか悩ましいとか痛いとか分かち合えない二人は二人


埋まる地雷大体踏まれて踏み抜いてタップダンスと要領は同じ


泣きながら目頭押さえてうめいても溶けないマスカラそれどこのやつ?


3日間飽きる美人と慣れるブス 満たしてみせろよ需要と供給


「食べ足りないてか甘いもん食べ飽きたこのまま飲まん?」と畳むハンカチ


梅田駅迷わず地下に潜り込むフレアスカートがローブに見えて


伸びた髪変えたメイクと服の趣味 似合うと言うには寂しすぎるかも


やきとりはタレ派か塩派かそれすらも余裕で違うどこまでも違う


愛し合う二人が一つになるなんて柄でもないから向かいで話す


チューハイで酔ったふりしたあの日から恋したんだねいや知らんけど


刺激的な恋ばかりする悪趣味め炭酸うまいしほなしゃーないな


沈黙はそのままでいいそう思いつまんだ枝豆が妙に美味しい


語り終え黙った後にまた話すラストオーダー告げられた直後に


刺激的そんなに興味はないけれど手始めに行っとく?白ワンピでカレー


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ナッシングヤブサカ 中田かなめ @nakakana94

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画