第52話 アウトサイダーアート おまけとしめくくり

 モートン・バートレットの続きになります。


 わたしは美術誌でヴェネツィア・ヴェンナーレのいつぞやの特集記事にバートレットの人形を見てそれで知ったんだったかな? 

 もしかしたらバートレットと違う作家だった可能性もあります。


 アウトサイダーアートとして展示されたように記憶してます。

 孤独な男性が制作したものとしてだったと思います。

 バートレットではない可能性もあるなと思ったのは、そういう男性って稀に居るんじゃないかなと思ったんですね。バートレットに似た人が他にいても不思議でもないかな、と。


 現在では細部まで精巧に作られた等身大の女の子の人形が市販されてるじゃないですか。一定数に需要があるということですね。

 ラブドールと呼ばれてるものです。


 またそういったものとは畑違いになりますが、そも日本は最も人形作家の多い国という側面もあります。

 日本もまたハンス・ベルメールさんの多大な影響を受けてきたわけです。

(ベルメールの扱いは万人向けではなくアングラカルチャーになってしまいますが)


 更にもっと一般に向けたホビー用としてのキャストドールなんかもハマってる人も多いかと。そっちは主に女性が多い印象があります。

 もう、そういった文化も韓国や中国にまで飛び火してます。

 何でそんなに盛んなんでしょう? クールジャパンのひとつかなとは思いますが。



 長く続くオンラインゲームですと、次第にソロプレイヤーが増えてゆく現象と似てるのかな?

(わたし、ドラクエしか知らないけど、他の大型オンラインゲームはどうなんでしょう?)

 時代とともに人との関わりを減らしていってるような……気がしてます。


 30過ぎても童貞だったら魔法使いになれるなんてネットで言われたりもしてましたけど、10年近く前に恋愛歴のない40歳男性とやり取りしてたことがありました。

 昔に比べ、最初に恋愛をするであろう年齢が上昇していってる傾向も感じてます。


 ゆくゆくは映画『ブレードランナー2049』に登場したようなAIによるヴァーチャル彼女が市販されるような時代が来そうです。それ、わたしも欲しいなんて観る度思ったりします。



 もう結構前のことですが、エヴァンゲリオンの登場キャラのアスカの等身大の人形作ってたかたをネットで見かけました。

 Twitterだったかな?


 ペーパークラフトで制作し細部まで再現してました。可動もしますが未塗装のものです。

 ご存知のかたも多いんじゃないでしょうか?


 でもそのかたは、作ったその人形の画像を幾つもネットに公開してましたし、ガレージキットやフィギュアなどを扱ってる海洋堂の店舗に置いて欲しいと交渉したけど、断われたと呟いていたような記憶があります。


 人に見てもらいたいという意図があるんでしたら、アウトサイダーアートとは違う気もしますが、海洋堂に却下されたというエピソードとヘンリー・ダーガーの養子が欲しくても何度も却下されるというエピソードと何か重ならくもない?


 それもまた一種、現代のアウトサイダーアートのような気がするのでした。

 現代版モートン・バートレット的な。


 バートレットもダーガーも、そもネットの時代の人ではありません。もしその2人の生きていた時代にネットがあったとしたら、案外バートレットなんかはホームページを開設して作品の画像をアップしてたんじゃないかな? と思ったりもします。

 ネットの時代になった現在ではアウトサイダーアートのあり方も変わってきてるのではないかと思います。

 

 アスカの人形を制作してたかたですが、海洋堂じゃなくて、現代美術としてヴェネツィア・ヴェンナーレならワンチャンあるかもしれません。



 ◇


 いつまでアウトサイダーアートの話続くんだよ! って感じですので、この辺にて終わります。 

 アール・ブリュットは明確な定義がありますが、アウトサイダーアートになるとグレーゾーンの作家多過ぎで難しい問題もありますね。


 岡本太郎は「芸術は爆発だ」と発言していましたが、あくまでわたし的にですけどアウトサイダーアートというのは、その爆発力が核爆発レベルの衝撃があるものとしておきます。


 少なくともそんなすさまじさを感じるんですね。

 その点も重要かなと。

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