第35話 藤子・F・不二雄の場合

 社交的な性格の藤子不二雄A先生と対象的に、藤子・F・不二雄先生じたい、かなり寡黙だったと聞き、一読者に過ぎないわたしでも、なにか自閉症くささも感じてもいます。


 F先生のへんなところといたしましては、代表的なものですと、ドラえもんにおけるタイムパラドックスの解釈が何かおかしいんですよね。

 わたしは小学生のとき、自分がアホなので理解できないだけだと思い込んでました。


 ◇


 そも、のび太はジャイ子と結婚する運命にあって、ろくでもない地獄のような人生を歩むことになっていました(そこはギャグなんですが、子ども向けでそういった胸糞系のギャグは如何なものか……)

 もうのび太の孫のそのまた孫の代になっても返済できないほどの途方もない大きな借金をつくってしまうのです。


 そのため未来では、のび太の孫の孫にあたるセワシくんが迷惑しており、問題の元凶、裏ボスであるのび太をなんとかすべく、未来からドラえもんを送り込んできたというお話です。

 

 でも、途中から入った人はそこでおかしいと気が付きますよね。

 のび太がジャイ子と結婚せず、しずちゃんとしてしまったら、肝心のセワシくんは生まれてこないことになってしまいます。


 それに対する疑問の理屈が、何かおかしいんです。


⚫️ 他で釣り合いが取れてる。歴史の流れが変わっても結局セワシくんは生まれてくる。


⚫️ 例えば、のび太が大阪へ行くとする。色んな乗り物や道筋がある。けれどもどれをとっても方角さえ正しければ大阪へつける。


 と、そんな説明があるのですが……。


 大阪に着けるのは理解できますけど、それでなんで、のび太はしずちゃんと結婚した場合でも、セワシくんが生まれてくることになるのかがさっぱりわかりません。

 やっぱり、わたしがアホ?

 しずちゃんと結婚した時点でもう方角が正しくないじゃないか! と、思うのですが。

 わたしの頭が悪いので理解できてないだけ? わたしも発達障害の可能性もあるしな……。

 何かしらの落語ネタがベースになってるとか?

 

 苦肉の策で、のび太がしずちゃんと結婚しても、のび太の子どもとジャイ子の子どもが結婚するとかしないと……。セワシくんは生まれこない気がするんですが。


 そこを描くべきだったんじゃないかと思います。


 

 また一方で、未来ののび太としずちゃんの間には、ノビスケという子どもがいます。

 それ実は、のび太がジャイ子との間に作った子では? 


 ノビスケは非常に乱暴でジャイアンのような性格だったりします。なので、そっちの遺伝子を継いでるような気もするんですよね。

 

 のび太はやはり最初はジャイ子と結婚し、子どもを儲けた後、離婚。バツイチとなり、その後しずちゃんと結婚したのではないか――。


 ジャイ子はマンガ家で育児やってる暇もなく、そこで優しいしずちゃんが「ノビスケちゃん、わたしたちが引き取りましょう」

 という感じ?


 まぁ、わたしの勝手な妄想ですけど。それでしたら辻褄が合います。

 単に、ノビスケはのび太に似てるからキャラの差別化でそういう性格にしたんでしょうけどね。



 そんな藤子・Fロジックですが、すこしふしぎどころじゃなく、まだ海外のハードSF小説のほうがハードル低いんじゃないのか?……。と思わせるものが、たま〜にあります。

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