第21話 ACナスビ その5 成人後のナスビ

 その後、ナスビはちゃんと学校行ってたのか知りませんが(ナスビも制服を着てた時期があったと考えると、感慨深い……)、成人する頃には叔母同様、ナスビも実家に働きにきてた背の高いイケメンと結婚しました。


 ただ違うのは、ナスビの場合、その時点で既にシンママだった。


 それにしても、よくナスビみたいなのを食べる気になるな……と、ほんと世の中とんだもの好きもいたものだとつくづく思ったものです。

 しかも背の高いイケメンて……。


 叔母に「あんたの妹みたいなもんじゃない」と言われましたが、それは断固認めません!

 んな、妹いらんわ!


 でも、ナスビなんかを貰ってくれるという男性には感謝しかありません。

 ありがとう◯◯くん。


 ナスビはすこし東京で暮らしてた時期もありましたが(そこでシンママになった模様)、完全にDQNとなりました。

 DQNでメンヘラとか最悪です。


 あと、酒が入ると絡み酒になって、それがまたとんでもなくウザいんですね。

 絡み酒というのは、どんな女性であってもウザいですけど。

 メンヘラなのもあり、普段から酒ばっか呑んでました。

 そして、酔っ払うとケータイでわたしにかけてくるのです。


 わたしの弟がまた華麗にスルーするので、こっちにとばっちりがきてしまうのでした。

 ウザい……。連絡してくるなら、シラフでしてこい。

 何度もそう言いました。


 あまりにしつこいので、しまいにはわたしは着信拒否しました。


 すると、今度は家の固定電話から……そっちも着信拒否。ポチっとな。


 そうなると、びっくりしたことに近所の人にケータイ借りてまでかけてきた!


 別に何か大事な用事があるとかでもない。単に暇だからです。


 そのまま番号3つ、4つくらいは着信拒否してた。いや、今もそのままになってます。



 ナスビはいい歳こいて、そんなことを叔母にチクったらしく、叔母にも仲良くしてあげてよとやんわり言われました……。

「あんたの妹みたいなもんじゃない」

 また、それを言うか! 嫌がらせ?


 まぁ、なんか用があったらLINEで連絡してと言っておいた。

 メンヘラちゃんて、スマホ依存症でフリック入力とかめちゃ速いイメージがあるんですけど、ナスビはそもそもアホなので文章打つじたいが苦手なようで、あまりLINEを使ってこないのは幸いだった。


 ナスビは良い歳になってもアニメの『ルパン三世』を「ロバン」と言ってて、びっくりしたなんてこともありました。


 ナスビはほんとに酒ばっか呑んでた。


 親族同士集まってても、わたしなんかは水商売の経験もありますし、自分の限界もわかってるつもりなので程々で止めてしまいます。

 そんな強くもないし。


 で、寝る支度を始めるとナスビは言うのだった。

「もう少しお酒付き合ってよぉ。一緒に寝てあげるからさあ」


 それを聞いた時も背筋が凍りました……キモい……。

 しかも何で上から目線やねん!

 旦那と寝ろよ!

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