第9話 パニック障害になかなか気が付かない

 90年代の特に半ば当時はとにかく酷い生活をしてました。


 月の半分はゲームをやって、残りで成年マンガを描き上げるという生活が続いてました。

 売れっ子のマンガ家さんのアシスタントにも不定期で行ってました。


 もう昼も夜もない生活です。

 アシスタントも夜に出勤して明け方に帰るとか、徹夜もザラです。

(そのマンガ家さんも当時は締め切りギリにならないと仕事始めないタイプだったり)

 長い間、生活のリズムがデタラメになってました。

 最終的には、自分のマンガにしわ寄せがきて3日まるまる徹夜になったりもし、呆れたことにそんなヘロヘロ状態になってようやく編集さんに原稿を渡すと、そのままゲームショップへとゲームソフトを買いに行ってたものです……そんな生活がループしてました。


 一旦、初診での薬でケロっと症状が治ったもんで、その後は薬も飲まず放置。


 そうしてるともっと酷い症状が出るようになってしまいました。

 徹夜したのに眠れないし、食事も吐き気がして受け付けないといった状態になってしまい――わたし死ぬんじゃ? と本気で思いました(当時、拒食症で亡くなったという女の子の話を聞いていたのもあって)

 そう思うと、心底恐ろしくなって極度の不安に陥りました。


 たぶんそれが最初のパニック発作です。

 パニックと言うより、不安発作、不安のどん底に陥る発作と言ったほうが通じるかもしれません。 

(感情のコンロールを失い、急にボロボロと泣き出すなどのタイプのパニック障害もあります)


 その時は幸い、側に初診時に出してもらったベンゾジアゼピン系の抗不安薬が残ってたので、それを飲んだらどうにかマシになり眠ることができました。



 当時、東京に住んでましたが、わたしのマンガを載せてくれてたマンガ誌も休刊してしまったこともあって、暫く両親のいる大阪に移ってゆっくりすることにしました。


 極度の不安に陥るといったパニック発作はその後たびたび起こすようになってました。

 暫くは病院にも行かず、お酒でごまかしてたんですけど、それでも辛く再びクリニックを受診します。


 当時はまだパニック障害という名称じたいあまり知られてなかったようで、診断名は神経症でした。

 自律神経失調症、神経衰弱状態や心臓神経症みたいですねとも言われましたが。


 心臓神経症がパニック障害の旧名だったような?

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