第3話 87〜88年のお話です

 わたしは学生寮に住んでいたことがありましたが、その中に自閉症の同級生がひとりおり(当時、まだ昭和です)、1年間生活をともにしましたが、すこしへんといった程度で、特に気にならずどちらかというと好感が持てる人物でした。

 自閉症と聞いても特に何も思ってませんでした。

 すこし内向的な気質みたいな? という感じだったかと。


 今思うと確かに発達障がいの特徴に幾つも当てはまるようなところもありました。

 常にキッチリとルーチン通りに行動するとか。それで想定外のことがあるとパニックになったりですとか。


 その同級生は鉄道マニアでして、自室でNゲージをガーっと走らせてると、その都度となりの部屋に住む別の同級生のテレビの画面に少しガビガビとノイズが走ったりしてたんですね。

 それがまた丁度VHSをダビング中だったりすることもあって、たまに怒鳴り込んで来るということがありまして、それがおかしくって笑ってました。

 ビデオマニアとしてはたまったもんじゃないでしょうけどね。



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 ケータイをガラケーからスマホに変える少し前。

 2010年を過ぎた辺りからでしょうか、急に発達障害という言葉を耳にすることが多くなり、それとともにわたしも発達障害について調べるようになっていきました。


 当時、統合失調症として誤診されていた発達障害のかたたちが一定数いたりしまして話を聴く機会があったりしました。


 そのようなメンタル疾患や、うつ病や自律神経失調症も実のところ根っこに発達障がいがあり、それによる二次障害ではないのかと考えたりしました。



 まだ発達障害に明るい精神科医が少なかったように思います。 

 地域差もあるでしょう。

 発達障害者支援法の成立は2004年ですが、そこから理解が加速するには時間がかかってる印象があります。

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