第2話 最初のADHDの友だち

 わたしの知る限りですと、酒鬼薔薇聖斗の事件(神戸連続児童殺傷事件。97年)その事件を追ったジャーナリストが書いた本によりますと、酒鬼薔薇聖斗こと元・少年Aは事件を起こす前に、発達障害との診断を受けていたとの記述がありました。


 信用にたるソースかはわかりません。

 それ以上時代を遡ると発達障害というものはまだ無かったのではないかと思われますし、97年より少し前とかそんな時代においては、かなり進んだ精神科医が診たのではないかと思われます。



 わたしが初めてADHDという言葉を聞いたのは2002年になってようやくでした。

 当時、仲良くしていた一回り年下の学生の女の子の友だちが自身をADHDだと言ってました。


 当時、そう聞いてもピンとはきません。うつ病か神経症の一種? みたいな感じでした。

 わたしは当時、自律神経の乱れでクリニックに通ってたので「◯◯ちゃん(わたしです)もADHDだね」なんてその子に言われ、そうなのかなとかなり見当違いなことを思ったものです。

 その子もまたADHDが何だかよくわかってなかったんですね。


 わたしは当時から大阪住みでしたが、その子は千葉に住んでいました。

 絵の上手い子で同人誌を制作したりしてました。

 一度、千葉からわたしの自宅に来てオールで遊んだということもありました。


 ごくふつうの可愛らしい女の子にしか見えませんでした。割と服装がおしゃれだった印象があります。

 落ち着きがないといった様子もなく、変に大人し過ぎるということもなく、テンション高くベラベラと喋る感じでもなく、寡黙でもないといった本当にふつうでした。

 リアルで会ったときのことを思い出しても、これといって発達障害らしい感じは……ないような?


 文通もよくしてまして、それを読み返すと、ああ確かにと思うところもありました。

「部屋が片付けられない」と書かれてありました。

 あとまだ何かあったような気がしますが、ちょっと覚えてないかな……。

 その1点くらいだけでしたらふつうの範疇ですけど。


 よく当時のことを思い返してみると、あとその子は0・100思考なところがあったり、思いの外毒舌というか、はっきりズバっとものを言って女の子同士でたまに喧嘩になってた記憶があったり……それくらいでもまだふつうですね。


 わたしと妙に馬が合い、その子に気に入られていたという点もおかしいと言えばおかしいんですが。

 いや、わたしそもそも相当な変人でして……。

 ASDの特徴の突出したへんな拘りに当てはまりそうな?


 例えばその子と目黒寄生虫博物館の話題で盛り上がったりですとか。


 そのように発達障害と聞いても、好感が持てる人も多かったんです。

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