第19話 ゴトーとシーナのステータス

森の中。

「ワイルド・ボア」が襲ってくるのを一撃で倒すゴトー。


『ブモオオォォォ・・・……』


「だいぶ力加減ができるようになったのう」


「力を抑えるのは張り合いがないな」


「素材はこのぐらいでええじゃろ。並の冒険者なら半年分の量なのじゃ」


地面には山となった魔獣魔物の屍。


シーナは魔獣の毛皮を鞣し、風魔法で乾かす。


ゴトーは血抜き解体。

素材の角や牙、魔石を洗浄する。


「[空間収納]」


空間に漆黒の球体が現れる。

解体した肉の塊、素材をその中に入れていく。


「けっこう大きなモンも入るんじゃの……」


「異次元による無限収納だ」


「「収納袋」はワッチも持っとるが、無限ってなんじゃ?」


「地球の物語では定番のスキルだ」


「なしていつも物語基準なのじゃ?」


「比較対象がそれしか思い浮かばないからだ」


「身体能力、上位魔法、数々なあり得んギフト。ゴトーはもう何でも有りじゃのう……。

疑うわけじゃないが、ワッチの鑑定もできるんか?」


「見てもいいのか?」


「まあ、ゴトーならええじゃろ」


――「[鑑定]」

【【ステータス・ボード】】

【名前】シーナ・アルフレッタ

【性別】女

【年齢】68

【種族】亜人 (ヴァンパイア)

【ジョブ】魔術師


【LV】56

【HP】226/552

【MP】124/652


【攻撃力】98

【防御力】257(物理強化 魔法耐性ローブ+162)

【魔力】652


【魔法属性】

『火』LV8

『雷』『水』『風』『氷』属性LV6

『土』『無』属性LV4


【スキル】140

「風魔法 スキルLV6」

「氷魔法 スキルLV6」

「火魔法 スキルLV8」

<next page> 


【ギフト】8

「認識阻害」

<next page> 


【履歴】 

魔術使い

→冒険者

→宮廷魔術師

→勇者一行 魔術師

→放浪者

→冒険者


【称号】

「「図鑑」収集者」「覚醒者」「青竜殺し」「黄竜殺し」「赤竜殺し」

「ドラゴン・スレイヤー」「緑竜殺し」「黒竜殺し」

「金髪赤眼の悪魔」「ゴブリン・キングを屠す者 」

「デーアウンテ国 (獣人の国)の英雄」「毒竜殺し」


【状態】 

異常(呪術 LV減少 HP減少 MP減少 魔力減少 幼体化)

――

 《呪術前》(18年前)

 【LV】81

 【HP】810/810

 【MP】810/810

 【魔力】810

 『火』『水』『風』『氷』『土』『無』属性LV8

――


――履歴の「勇者一行 魔術師」の文字・・・。


「勇者に仕えていたのか?」


「ほんにできるんじゃのう。年代的に70年前の転移人勇者とは組んではおらん。魔王不在の20年前、王国の自国勇者一行じゃ」


「いろいろな事情があるようだな」


「まあ、いろいろとのう」


「スキルやギフトの数だが多い方なのか?」


「ワッチは覚醒者だから多い方じゃの。一般人は生活系、生産系のスキル。平均すると2、30くらいの所持、ギフト持ちはあまりおらんの。

ギフト「認識阻害」は亜人特有で「図鑑」はこの世界で唯一ワッチだけのもんらしい。図鑑はのう、スマホのようにその物を刷りこみ、いつでもどこでも見られる優れモノじゃ」


――ギフトか。

確か、図鑑はスキルの欄にあったはずだな。


ゴトーはステータス画面、

【スキル】を開く。

――

【スキル】999/999

1「火魔法 スキルMAX」

2「水魔法 スキルMAX」

3「土魔法 スキルMAX」

4「風魔法 スキルMAX」

5「雷魔法 スキルMAX」

6「無魔法 スキルMAX」

7「聖魔法 スキルMAX」

8「闇魔法 スキルMAX」

9「剣聖 スキルMAX」

  ・

  ・

480「分身 スキルMAX」

481「幻影 スキルMAX」

482「念動 力スキMAX」

483「結界 スキルMAX」

484「旋風 スキルMAX」

  ・

  ・

727「暗視 スキルMAX」

728「解析 スキルMAX」

729「探索 スキルMAX」

730「索敵 スキルMAX」

731「探知 スキルMAX」

732「思念探知 スキルMAX」

733「千里眼 スキルMAX」

734「望遠 スキルMAX」

735「顕微 スキルMAX」

736「遠視 スキルMAX」

737「地図 スキルMAX」

738「地図立体 スキルMAX」

739「地図指示 スキルMAX」

740「図鑑 スキルMAX」

741「図鑑立体 スキルMAX」

――


―№ 740『図鑑』ー 概要

<コレクター・アイテム 一度触れた有機物 無機物系を投影 

具現化して 図鑑へと反映 データベース化する  魔量消費2>


―№ 741『図鑑 立体』ー 概要

<コレクター・アイテム 一度触れた有機物 無機物系を立体投影 

具現化して 図鑑へと反映 データベース化する  魔量消費3>

――


スキルボードを眺めるゴトーに、


「まさか、あるんか?」


ゴトーは頷く。


「いや、まあ、転移人じゃからな……。

レアいうたら、大昔の大賢者が持っておったと言われる、空間魔法や転移魔法はさすがに、ないじゃろ?」


ステータス画面【ギフト】の<next page>を開く。


――

【ギフト】99/99

1「鑑定」

2「空間収納」

3「錬金」

4「呪術」

5「解呪」

6「使役」

  ・

  ・

57「時間停止」

58「時間逆行」

59「転移陣」

60「転移門」

61「空間転移」

62「転移魔法」

――


―№ 62『転移魔法』ー 概要

<転移系 一度訪れた場所に任意で転送する 魔量消費 15>  


「あるんか……?」


ゴトーは頷く。


「………」


――転移魔法。試してみるか。


シーナと出会った場所を思い出す。


――[転移]


倒木の場所へと瞬間移動する。


「・・・・・」


――なるほど、これは便利なギフトだ。


――[転移]


元の場所に戻るとシーナが慌てふためいている。


「うおっ、ゴトー! なして消えた!?」


「転移魔法を試みた」


唖然とするシーナ。


ギフトの続きを見る。


――

  ・

  ・

93「上限突破」

94「限界突破」

95「天元突破」

96「絶対領域」

97「蘇生」

98「不老」

99「不死」

――


「・・・・・」


「他にもなにかレア物、持ってそうじゃの……。

あー、ええ、ええ。聞くんはコワイで喋らんでもええわ」


「スキルやギフトには自動発動するものや任意のものがあるな」


「そうじゃの。ワッチの認識阻害は意思がないと使えんが、図鑑は初めて見たモノを勝手に記憶保存してくれる。ゴトーから見せられた、スマホとかも図鑑に保存されとるわ」


「この「時間停止」や「時間逆行」は任意でないと発動しないみたいだな」


「は?……停止?」


レッドベアーが現れる。


「[停止]」


レッドベアの動きが止まる。

上空の鳥も羽を広げながら停止状態。


「え? え、え……?」


「俺の周りの空間認識だけ動くことが出来る。2人以外この世界中の時が止まっている状態だな」


「……どういうこと?」


「言葉通りだ」


「……これ、街で使ったら、やりたい放題じゃないんか?」


「お前はやりたい放題するのか?」


「んな訳あるかい。盗賊や野盗に出会ったら、かなり優位に事を運べるとかじゃ」


「死に対する恐れや恐怖が軽減されるなど、生きている意味などない。これは封印だな」


「……クールじゃのう、じゃがそれは強者だからこその言葉じゃぞい。

……逆行ってなんじゃ?」


「過去に戻れるということだ」


「……は?」


「言葉通りだ」


「それは、失敗のやり直しや、死んだ者も生き返るちゅうんか?」


「理論的にはそうなるな」


「………」


「これも封印だな」


「え? いや、それがあれば、死んだ者が……」


「自然の摂理に反する行為は使用するつもりはない。人の過失や死は受け止めるべき。死と向き合うことも生きていく上での糧になり、成長して乗り越えていくもの。理を乱してまで使おうとは思わない」


「……正論じゃの。ゴトーの言い分も理解はできるわ。じゃがそれは大切な者が亡くなっても言えるんか? 連れや血の分けた子らが死んだら、そう言えるんか?」


「・・・・・」


「まあ、ゴトーのモンじゃ。ワッチがどうこう言えんわな……」


「グラディウスのパーティか?」


「それもじゃが……」


押し黙るシーナ。


「逆行も万能ではない。魔量の9999を使用しても戻れる日にちは、1日程度らしい」


「……そうか。じゃあ無理筋じゃの。さすがに都合良過ぎる思うたわ」


「・・・・・」


――

19 ゴトーとシーナのステータス 終わり

20 従魔契約

――


――

次回

夢の使役

――

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