第6話

「じゃあ、突然モンスターが来たのも納得がいくわ。その修がいた世界からモンスターが来たってことね。」


「いや、地上にはモンスターなんて一匹もいないぞ...」


「それって...モンスターはどこから湧いてきたの..?」

「それはわからない。もしかして、ポータルがあるとか?」

「逃げている最中に、そんなのなかったわ。どうしてかしら...」


とりあえず整理しよう。

俺はてっきり、リーシュが住む地下の世界からモンスターが来たと考えていた。

しかし実際は、リーシュが住む地下の世界と俺の住む普通の世界が、何らかの理由でつながった際に突然変異が起こりモンスターが大量発生したと考えるほうが現実味がある。

そもそも二つの別の世界がつながるなんておかしなことだ。もしかして、意図的に...って、そんなことないか。


「まあ、いつまでも原因を考えていてもキリがないから、とりあえず今は生きることに集中しよう」

「なら、このモンスターたちはどうするの?ずいぶん修に懐いているようだけど」

「さっき、フルーツパンを上げたんだ。そしたら、俺の後を追ってくるように...」

「もしかして、それってピンク色の実だった?」

「そうそう。なんかやばいやつなの?」


「やばいどころじゃないわよ。奇跡の秘薬とも呼ばれているぐらい貴重なものよ、それ」

「へ?」

「私も"へ?"って言いたいわよ。だいたい、なんでそんな20年に一個しか取れないぐらいの実を上のほうで見つけられるのよ...」

「何でって言われても、そこにあっただけだから。しかも大量に」

「嘘?!ってことは、さっき私が食べたパンにも...」

「もちろん。もしかして、モンスターが懐いたのもそれが?」

「あの実は、どんなけがや病気を治せる効果があるのよ。それに、モンスターが好むにおいをしているから、すぐに取られちゃうのよ。だから、そんな貴重な実を修があげた。つまり、"この人についていったらいいものがたくさんもらえる"って思っているわけ。」

「なるほど。でも、モンスターと最初に出会ったときにその実を見つけたんだけど、モンスターに食われていなかったよ。」

「それはたぶん、この異変が関係してるわ。」


薄々おれもそう思った。

だって、リーシュが貴重だって言うぐらいの果実がそこらへんに生えてるなんて普通に考えておかしい。


「それにしても、ここから先どうしようかしら...」

「俺も家がないですし、せっかくならこの洞窟をもっと広げて今よりももっと使いやすくしましょうか。」

「それいいわね。ここが地下のパン工場になるってことね。」

「パン工場...というよりは、調理場ですね。とりあえず、作りましょう!」


そうして、俺とリーシュ(+数十匹のモンスターたち)で本格的に洞窟拠点づくりをすることにした。


のちに、そこが混乱を招くことを知らずに....


--あとがき--

この数日間死んでました

さっき次の話のオチが入ってしまいましたが、一旦忘れてください

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