第5話

これからのことを考えていると、"ダンジョンの奥"から小さい女の子の声が聞こえた。


「お腹すいた...」


気になったので、奥へと進んでいった。


「これって...」

そこにいたのは、少女だった。

しかし、見た目が少しおかしかった。

角が生えている。


「多分...モンスターの女の子かな?」

多分というか、絶対だけれども。

何故モンスターが日本語を話せるのかはわからないが、とりあえず話しかけてみることに。


「すみませーん...」


話しかけてみたけど、返事はない。

顔色もすごく悪いので、ほぼテイムしたみたいになってるモンスターの背中に乗せて、拠点へと戻った。


彼女は、白くきれいな髪で、誰が見ても美女だった。

見た目からおそらく10才だろう。それにしても、なんで彼女は一人でこんなところにいるのだろう。

そんなことをいろいろ考えていたら、彼女が目を覚ました。


「お腹すいた...」


やっぱりそういっていたので、さっき作ったばかりのジャムパンを渡した。

ちなみにジャムは、そこら辺に隠れていた宝箱にあった砂糖(なぜか青かった)と、さっきのフルーツを煮詰めて作った。

青と赤が混ざって、紫色になっている。なんという毒々しい色だ。


「ん...おいしい!」


そんなことも知らず、彼女は黙々とパンを食べ続けていた。

そんなに食いつくとは思ってもいなかったので、俺はひたすら作り続けた。

作っても作ってもなくなっていく。どんだけ腹減ってたんだこの子。

1時間後、ようやく満腹になったのか、彼女は食べるのをやめた。


「助けてくれてありがとう。私はリーシュって言うの。」

「俺は三河修。ところで、人間なの?日本語は喋れているみたいだけど..」

「実は、私はモンスターなの。正確には魔女ウィッチ。」

「じゃあなんで日本語が喋れてるの?あと、なんで倒れていたとか...」


「私も途中の記憶は消えているけど、さっきものすごく揺れたでしょ。それで、私たち魔女ウィッチが住む村が崩れてしまったの。それで、見たことのないモンスターも現れて...だから逃げてきたの。そしたら、なぜかここにいたの。」


なるほど...って、ちょっと待て。

これって要するに、ダンジョンが作られたわけじゃないってことだよね。

ダンジョンが地上に出てきたってこと....?


「俺はさ、さっきの地震で家がなくなって、どうしたらいいかわからなくなってここに逃げ込んだんだ。さっきの話を聞くと、この地下は今日出来たわけじゃないんだよね?」

「全然。私はまだ250年ぐらいしか生きてないけど、それよりもずっと前からあるよ。」

「え、その見た目で250年?!って、魔女だからあり得るのか...」

「っていうことは、ここと別のところから修は来たの?」

「そういうこと。リーシュがいたこの世界の上に、俺たちが住んでいたってこと。」

「じゃあ、突然モンスターが来たのも納得がいくわ。その修がいた世界からモンスターが来たってことね。」


「いや、地上にはモンスターなんて一匹もいないぞ...」




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ただのおしゃべり回

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