第2話
そのころ、周りではボヤが起きていた。
「おい、聞いたか?青年が一人ダンジョンの中に入ってったんだってさ。」
「命知らずだよな、本当に。まだ何も解明されてないのに」
そう、修がダンジョンの中に入っていったことはすでに拡散されていたのだ。
そんなこともしらず修は、手探りでダンジョンに潜っていった。
「やばいな、これ。見たこともない生物がたくさんいる、、」
ダンジョンは意外としっかりとした造りになっていて、道がちゃんとある。
それに、周りにはいろんな植物が生えていた。ダンジョンって地下のイメージだから、何も生えていないただの岩だけのものだと思っていた。が、意外と自然にあふれていた。
こんなにしっかりしてるダンジョンが自然的にできたとは思えないと疑問に思いながらも、今そのことを考えたらきりがないので探索に集中することに。
「意外と素手でもいけるな...っと、あぶな」
強そうなモンスターは自分が攻撃するまでは危害を与えないようだ。
逆に、小さいいかにも雑魚そうなモンスターは容赦なく襲い掛かってくる。
料理以外にも、趣味でトレーニングをしていたので小さいモンスターならすぐに倒せた。しかし、
「小さくても量がな...」
ざっと数えて数十匹はいる。
そろそろ体力もすり減ってくる。
俺は命の危機を感じ、すぐに避難場所によさそうな小さい空洞へと逃げた。
「それにしても、腹減ったなぁ。まだ朝飯しか食べてないや」
あの地震が起こったので、まともに昼食が食べられなかったのだ。
しかも、さっきまでモンスターと拳で殴り合っていたので体力はミリを切っていた。
そういえば、さっき見た植物の中で小麦みたいのがあったな。
あとは...果物もあったな。ピンク色のまがまがしいやつが。
普通はここから出るのは危険だが、料理好きの俺はいてもたってもいられずにさっきの場所へと向かった。
「あったあった。これは良さそうだ」
俺は、そこから小麦っぽいやつとピンク色のまがまがしい果物を取って、そそくさとさっきの基地へと向かった。
「やっぱ、腹が減った時にはパンに限るよな」
俺は、近くにあった石を割って、簡単な容器にした。
そして、もう一つの石で小麦っぽいやつの実をすりつぶした。
ある程度小麦粉っぽくなってきたら、それをたまたま持っていたペットボトルの水を入れて、丸くなるまでこねる。
「あ、イーストがない」
パンを膨らませるためのイースト菌がないことに気づいた。
どうしようかと考えていたら、勝手に生地が膨らんでいるのに気づいた。
「これって、小麦粉にイーストみたいな成分が含まれてるってこと?」
それだったら、超画期的だ。
俺は、ダンジョンの可能性に驚きながら膨らむのを待った。
数十分後、2倍ぐらいに膨らんだ。
そうしたら、パン生地の中にさっき採ったピンクの果物を入れた。
さっき試しに味見をしてみたけど、すごくフルーティーでおいしかった。
これが毒だったら怖いけど、どうせダンジョンの中で死ぬんだからマシだろう。
それで、果物を包んだ生地を焼かないといけないのだが、、、
「このフルーツのにおいが原因か....」
何故か、俺の周りにはモンスターが数体いた。
何かを待っているようだ。
...座ってパンが出来上がるのを。
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