第25話 支配された英雄

違和感を感じる。これが英雄の姿なのか?


 本当に何も無いぞ。ここまでする必要あるのか?


レイン:

【さすがにやりすぎだ。これでは…】


ゼスト:

【これで本当に良かったのか?】


セーナ:

【みんな悪だったんですか?】


恐ろしいオーラが漂っている。


そして、俺達はこの男を信じてついてきた。


 全てを無にすることが出来るこれほどの強さを持つこの男に。


だが、それで、この結果…


確かに悪の根源は断つことが出来たんだが、


この不安感、不信感、違和感、なんなんだ?


 英雄ピモは、何も言わずに歩き出した。次の目標を探すかのように…



セーナ:

【レインさん、ごめんなさい。この先、私はあの人について行くことは出来ません】


ゼスト:

【俺もだ。やりすぎだ】



 何が正義か悪か、判断は難しい。正義のために犠牲が生まれて、新たな憎しみが生まれて、達成感を得るのは僅かな人々達。



 繰り返す悲惨な戦い。その犠牲になるのはいつも弱い人々達。



 ミーナやゼストは正しい感情なのかも知らない。この先のことを考えるならば。



レイン:

【俺はもう少しあの男を見ていく。お前達は戻れ。見えていない何かあるのかもな】



 俺はこの男の感情の中に秘めた、とてつもない大きな何かを突き止める。



 それで全てが解った後、その後は俺自身も、どうするのか解らない。



 理解出来なかったら、止めること出来るか?それとも同じ感情になり共闘するのか?



 答えはずっと先なのかも、もしくは答えそのものが無いのかも知れない。













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エレメントディザイアー ラグランジュ @space-time

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