第10話 港町ベル

ゼスト:

【おいレイン、もう限界だ。何か食おうぜ。商人、何か飯食えるとこないか?】


町の商人:

【そりゃ、ここは何でも、海の幸であれば。港町ベルと言ったら海産物!!】


ゼスト:

【いいね、それはそれは。じゃ早速行こうぜ】


 この旅で戦いを繰り返し、それでも何も飲まず食わすでは身が持たない。


 ゼストの気持ちも解るが、食料調達の旅だ。俺達の旅だった街との繋がりを作らないければ。


 確かに、腹減った〜というゼストの気持ちも解らなくはない。俺達は歩きでここまで来た。セーナは寝ているが。


レイン:

【ゼスト、先に行ってくれ。俺は故郷ピモの町との繋がりを早く確立したいんだ。セーナも起きないからさ。馬にも食料与えないと】


ゼスト:

【お嬢さんね〜さっきから寝てばっかだな。馬に揺られていい気分だろ。じゃ先に行ってるぜ!!】


町の商人:

【レインさんですな、この先に馬に食料与えられる専門店も、馬も手に入れられますので。こちらの地図をお持ちください】


レイン:

【ご新設に助かります。どうしてここまで?】


町の商人:

【馬専門店を経営しておりますので…その何ですが、宿屋も。もしお泊りでしたら初回割引しております。こちらも地図もどうぞ】


ゼスト:

【商魂凄いな、とにかく助かるからいいんじゃないか?そこに泊まろうぜ。とにかく俺は飯だ!!爺さん、案内してくれ】


町の商人:

【爺さん…あんた達から見れば爺さんかもな。では向かいましょう】



……………………………………………………………



セーナ:

【信じていいんですか?あの商人…】


レイン:

【おわっ!!ビビった!!!起きてたのか?】


セーナ:

【はい、ちょっと前に。何かレインさんと2人きりになれそうだったので…少し寝たフリを】


レイン:

【ゼストはそんなに嫌なのか?相性ってやつか?】


セーナ:

【そこまでは…でも、レインさんのほうがずっと好きです。あっ、恋愛とか図々しいことでなくて…その仲間として…そう仲間です!!】


レイン:

【セーナはそんなに可愛いのに、俺なんか仲間でも有り難いよ。貴重な回復系だもんな】


セーナ:

【可愛い…私…可愛いって、レインさん!!♥】


※ぷしゅー!!※ 🤩😍🥰


レイン:

【大丈夫?ぷしゅーって聞こえたぞ?】


 再び寝てしまったセーナ。これは喜びのあまり…なのか?何とも嬉しそうに寝てる。


レイン:

【さっきのセーナの言葉、確かに信じていいものか?あの商人。ゼストは大丈夫か?あの強さならそんなに心配しなくてもいいかもな。…ここか、確かに食料を、お前も歩き詰めだもな】


※ヒヒーン!!🐎※


レイン:

【すみません、こちらで馬に与える食料が買えるって聞いていたのですが…】


店主:

【おっ、それは腹減ってるな。よし、これをあげてくれ。お代はいらないからな。わしゃ、馬が大好きなもんでな、初回のお客からはもらわんのじゃ】


レイン:

【本当に助かります。ありがとうございます】


※ヒヒーン🐎、ムシャムシャ、ガブガブ!!※


店主:

【可愛いお嬢さん連れてるの〜】


レイン:

【ありがとうございます。性格は難しいとこありますが、回復系の使い手ですので助かってます】


店主:

【回復系じゃと!!それは気をつけんと】


レイン:

【何故です?珍しいのは解りますが、ここは安全に思えますが?】


店主:

【海賊じゃよ。それもとんでもない海賊らしくてな、討伐隊も戻って来ないんじゃ…何部隊も出ているが…その海賊達がいなければこの町ももっと栄えるんじゃがの…】


レイン:

【その、もう栄えているように見えますが。実は俺達はピモの町から来て、食料を】


セーナ:

【やりましょう!!レインさん】


店主:

【おひゃ、起きてさらに可愛いお嬢さんじゃ】


レイン:

【また寝たふりだったの?何をやるって?】


セーナ:

【店主さん、海賊達を倒せば食料をピモの町まで供給してもらえますね!!】


店主:

【そうだとは思うが、わしの判断では…町の統括治安部隊に相談してもらえるかの〜わしも海賊討伐にはとても助かるがの】


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