エレメントディザイアー

第6話 個々の役割

　この様子では落ち着けってのも無理だな。セーナはブチギレモード。ロングコートの男は余裕だが。

ロングコートの男:

【お嬢さん、お手柔らかに】

セーナ:

【数分後にその余裕でいられるのか楽しみだ】

※ヒーリングヘルファイヤー!!※

　ロングコートの男に向かって無数の矢が降り注ぐ。その衝撃と共に姿が見えないくらいの砂埃が舞っているが、何の反応もない。

レイン:

【セーナ、やり過ぎだ!!】

セーナ:

【大丈夫です。ダメージは後で私が回復してあげます。本気ではありませんが…】

砂埃が地表に戻り、ロングコートの男の姿が。

ない!!!

どこ行った?

ロングコートの男:

【お嬢さん、なかなかやるな!!気に入った!!!】

突如背後に現れて戸惑ってるセーナ。

とっさにレインが仲裁に入り、

レイン:

【ストップ!!セーナお前の負けだ。もう止めろ】

ロングコートの男:

【ほう、見かけ通り…潔い。止めて正解だ】

レインは気がついたのか。実力が違いすぎる。

　そもそも回復系と打撃系では戦闘力に差があり、勝負にならない。セーナが圧倒的に不利だ。

セーナ:

【こんな男に…レインさん、すみませんでした】

レイン:

【そんなことない。セーナのおかげでこの男の強さが解った。仲間になってくれるならこれほど…】

ロングコートの男

【お前、突きつけているダガーを納めてくれないか?背後を取り同時にダガーを突きつけるとは…】

レイン:

【それはすまない、正体が解らなかったからさ】

ロングコードの男は、フードを外し、

ロングコードの男:

【俺はゼスト、じじいに言われて酒場に行ったのにさ、あの騒ぎだろ?その割には綺麗にさっぱりと、何だったんだ?】

レイン:

【ああ、それはセーナが回復系で…】

ゼスト:

【回復?防御壁だろ?直したのか?】

セーナ:

【元に戻すことが出来ます。って、何でオメーに説明しなきゃならねーんだよ!!今度は仕留めるからな!!ゼスト!!】

こうして3人の食料調達の旅が始まった。

　3人で足りるのか?解らないが、この先の敵は未知数だ。

ゼスト:

【俺はさ不得意なんだ、一対一は。多くの敵をまとめて倒すほうが得意だからさ、それ以外時は任せていいか?】

レイン:

【俺は助かるが、そのほうがしんどいだろ?】

ゼスト:

【後で解ると思うが、とりあえずその方法で頼む】

セーナ:

【レインさん、こいつ使えるんですか?何だかんだ回避が得意なだけでないでしょうか?こいつ】

レイン:

【セーナ、仲間だぞ。さっきからこいつって。俺と同じように話してくれないか?】

セーナ:

【でも、レインさんみたいな強さや…カッコよさがないと…あっ!!えーと、気をつけます】

ゼスト:

【………とにかく、頼むな】

落ち込むゼスト。そりゃそうだな。

レイン:

【セーナ、落ち込んでるゼストに回復を頼む】