第5話 回復魔法使いのセーナ

 あっという間に防御壁が直ってる。というよりも以前に戻ってたように。セーナの力なのか?


セーナ:

【こんなもので、たぶん元に戻ってると思いますけど。いいでしょうか?】


レイン:

【凄い!!凄すぎる。回復系だよな?君の魔法って】


セーナ:

【そうですよ。回復系です】


レイン:

【回復ってダメージ受けて回復ってことだよな?】


セーナ:

【詳しく言うと、元に戻すってことになりますね。なので私が認識した状態までってことです。あの防御壁は酒場に来る前に見てきたのでその状態に】


レイン:

【じゃあさ、俺がダメージ受けたらセーナと出会った俺に回復ってことか。リターナーヒーリングって感じかな?】


セーナ:

【い、今、せ、せ、セーナと、よ、よ、呼んでくれ…て…♥う、嬉しすぎます!!】


レイン:

【変わりすぎだろ、それにしても。さっきのセーナはどこ行ったんだ?】


セーナ:

【私はあなたが強いから…そのような男性に弱いんです…すみません…ご迷惑ですね】


レイン:

【いや、セーナは凄い魔法を使えるよな。俺は助かるよ。安心してこの町を出ることが出来る。この先もよろしく】


セーナ:

【そ、そんな、私なんかで良ければ…この先ずっとあなたに尽くします。添い遂げます。誓います】


レイン:

【………とりあえず、町を出ようか?】


 何か勘違い…と思ってるレインだが、このような回復というのか、リターナーヒーリングの使い手は貴重だ。


 とりあえず町を後にしたが、何だか後方が騒がしいな。


ロングコートの男

【どうなってる?俺を置いていくとは?テメ〜、それに何だ、その可愛こちゃん?戦力になるのか?】


レイン:

【まさか…そうだよな、違うな。こんなデカい訳ないな、あの男は】


セーナ:

【ああっ!!テメーに言われる筋合いねーな。このでかブツ、短足、とっとと失せろ!!】


ロングコートの男

【うひゃ〜顔に似合わすキッツいね〜それによく見たらスタイルも中々…うーむ、気に入った。よし、俺が守ってやる。安心しな。お嬢ちゃん】


セーナ:

【テメーに守られるほど落ちぶれちゃいねーよ!!】


レイン:

【セーナ、落ち着いてくれ。とりあえずお前の名を教えてくれ。俺はレイン。食料調達に町を出たんだが、お前も同じなのか?】


ロングコートの男

【ああ、じじいに言われてな。仕方なくだが、こんなお嬢ちゃんいるなら話は別だ。旅の醍醐味ってもんだ】


セーナ:

【レインさん、私に任せて下さい。こんな下品な男は懲らしめてやらないと】


レイン:

【待て待て待て、味方だろ?】


セーナ:

【レインさんとの新婚旅行なのに、とりあえず見ていてください。私は攻撃も少しは使えます】


何故?新婚旅行では…ないぞ。




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