第4話 未知数

この酒場、ここで編成するってことなんだろう。


 こいつのみってことないよな?回復魔法使い手らしいが、なんて言っても口が悪い、悪すぎる。そもそも機嫌がいつも悪いって言ったほうがいいか。


セーナ:

【テメー、何見てんだよ。私が可愛いからか?ふざけんなよ】


レイン:

【そんな、それじゃ話せないじゃん】


可愛いって言ったら、可愛いけどさ。


※バタン!!バリバリ…※


騒々しいな。何かあったのか?


酒場の客達:

【大変だ!!防御壁が破られたらしいぞ】

【すぐそばにエネミーいたのか?】

【西側らしいぞ!!】


レイン:

【おい、セーナ、エネミーかも。行くぞ!!】


セーナ:

【ああっ?誰に命令してんだテメー。命令なんてクソ喰らえだバカヤロー!!】


レイン:

【解ったよ、頼むから俺と向かってくれ】


セーナ:

【頼まれちゃ仕方ねーな】


 西側がエネミーの侵入を許した。大騒ぎだ。もちろんそれなりの部隊が対応しているが。


レイン:

【はぁ…はぁ…疲れた…ここまで走りっぱなし…】


セーナ:

【ダラシねーな、戦いはこれからだろ!!】


レイン:

【馬に乗りっぱなしの分際で】


セーナ:

【ああっ!!なんか言ったか?】


レイン:

【いや、なにも…】


 西側の人々は既に退却していた。防御壁は既に崩壊、修復するにもエネミーの侵入を許してしまっているために、困難だ。


レイン:

【さて、じゃ俺が。セーナ、ダメージ受けたら早めに回復頼む】


セーナ:

【回数あるからな、気をつけろよ】


レインは剣を抜き、素早くエネミーに近づく。


その瞬間、バタバタと倒れるエネミー達。


レイン:

【ふー、こんなもんか。疲れているからな】


セーナ:

【えっ、こんなにこんなに強かったの?】


レイン:

【回数あるんもな。それに回復するには宿屋に泊まるしかないんだよな?】


セーナ:

【そうです。すみません。レインさんって凄く強いんですね!!】


レイン:

【な、なんだよ、話し方変わり過ぎだろ…】


セーナ:

【そうですか〜私は普通ですけど。それに宿屋に泊まるって…そんな、私なんかでいいんですか?私は…別に…き、気にもしないって…そんな…緊張して…ごめんなさい】


レイン:

【大丈夫?】


セーナ:

【はい、これからしっかりとサポートいたします。私なんか不要かも知れないですが…】


レイン:

【いや、そんなことはないよ。回復系は共に旅する仲間には絶対必要だからね】


セーナ:

【そ、そ、そんな私なんか…生涯を共になんて…嬉しいですけど、私でもいいのでしょうか?】


レイン:

【………変わり過ぎで解らん?とにかく防御壁の修復を急ごう】


セーナ:

【はい…じゃ…終わりました】


 防御壁が敢然に直ってる。何もなかったように、破片する見当たらない。


レイン:

【セーナ、君は一体?】






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