第23話
“What’s done is done.”
しかしその高校の初恋の人との再開で秋村は、気づきも得た。
その気づきは、この物語の転換点でもある。
この物語で秋村は、過去の執着心から出発していた。
結婚して子どもが欲しかった元カノに拒絶され、その女がほかの男と結婚して子どももできたことに、傷つき、その傷つけられた自尊心を取り戻そうと執着していた。
しかし今回その初恋の女性と再開して、過去は取り戻せないことにあらためて気づいた。
終わった過去は取り戻せない。
過去への執着心には、さようならをするしかない。
“What’s done is done.”
「過去は過去」
そして秋村は、もう残り長くはないであろう自分の生殖可能年齢の時間を、戦略を組み直して、戦いたいというような気持ちになった。
端的にいえば、子どもを作りたいと思うような本命か、すぐやれそうな脈アリ以外は、時間を使わないということ。
除外基準を示すなら、抱きたいが子どもまで欲しくないような相手で、時間がかかりそうな慎重な女なら、無駄な時間を使わないということだった。
というのは、秋村がまだこの考え方にしっかり至っていない段階で、中途半端な女性で、下手に捕まえてしまってこじれそうな人が一人いた。無事軟着陸できたらいいのだが。
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