第24話

もし「傷つけられた自尊心」がなければ、心理的に満たされていれば、このような女探しを、果たして秋村はしないで済んだのだろうか?


秋村としては、答えはNo, I would not. 満たされていれば、しないで済んだ。


もし女性向けに作られたディズニーのラブストーリーのように、自分が主人公で、美しいヒロインと結ばれたなら、満たされない劣等感や執着心は感じずに、ラブストーリーの如く子どもに恵まれて、安らかに人生を送っただろう。


しかし実際は、思春期の高校生くらいのときに、初恋の人に見向きもされず、同級生との恋愛を見せつけられ、成人してからも、せっかく付き合って好きだった元カノからは拒絶され、ほかの男と子どもができて幸せになっていくところをみて、惨めで満たされない執着心が生まれたのだった。


中年の年齢になって、いまではますます女性の社会的地位や恋愛での優位性が強化されていく社会となった。ニュースを見ても、女性は男を選ぶ立場で、「パパ活」などといってようやく少し金を手に入れた非モテ男たちを「チョロい」と言って搾取している話題などが溢れ返っていた。

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