夕方の空。

恐ろしいほどに鮮やかな白黒の世界

夕方の空

 4階の図書室で勉強中。って言っても今は休憩中なんだけど。

 今、今!私は言いたいことがある。

 「空が綺麗ですね。」

 間違ってないよ。『月』はまだ見えてないし。

 見えてるのは開け放たれた窓からの空!

 空が太陽の方の茜色から、白練色を経て逆側の群青色まできれいにグラデーションになっているだよ。“キレイ”なんだよ。

 それはまるで昼が、淡く白く光る帯によって、夜に変えられていくようで、もう、すごい興奮するね。

 図書室にいるから興奮をなんとか抑えれてるけど、溢れてしまいそう。

 、てことでちょっと屋上行ってくるぁ。

 

 よし!着いた。人もいなそう。

 よし!寝転ぶか。

 ドサ。

 「。〜〜〜ハ⤴〜〜。」

 綺麗すぎる。

 

 「仰向けになって何やってるんだ?」

 「あぁ。お前か。お前もやってみろよ。空、綺麗だから。」

 「はあ?空?……ふん。確かに綺麗だな。」

 「そうだろう。そうだろう。」

 「なんで自慢げに言うんだよ。それより、図書館、閉まるってことで言いに来たぞ。」

 「もうそんな時間!」

 「いつからやってたんだか。そろそろ行くぞ。」

 「はぁ〜〜い。……。」

 「またここに来るのはいいが、荷物は置いていかないように。」

 「はぁ〜〜い。俺は今、明日も絶対見ると決意したぞ!」


 彼は、図書室で荷物を片付けつつまだ悦に浸っている。

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夕方の空。 恐ろしいほどに鮮やかな白黒の世界 @Nyutaro

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