第28話 校舎裏でいちゃいちゃしますが、なにか?
学校でえっちなことをしたことはない。
嘘だと思っているでしょうが、これはマジ話である(二回目)。
「ふふー、これで午後の授業も頑張れる!」
「……まぁ、キスぐらいなら、まぁ」
しかしながら、こんな感じで、昼休みに完全に隠れてキスぐらいはするようになった。
教室で妹ちゃんがキスを委員長に求めて叫ぶくらいは平気なのだ。
人目につかないように校舎裏とかでキスぐらいは許されるもんだと、最近、人目につかなければ風紀は乱さないとマジメガネも納得してくれた。メガネはしてないが。
「一度はやってみたいけどね、校舎でのプレイ」
「流石に止めるぞ?」
と、マジメな彼は風紀委員のしどー君だ。
風紀委員がキスしているのはどうかという突っ込みはあるが、真剣な交際なのでありだろう。
この理屈が通じなければ、許嫁が居る委員長も黙ってはいないだろう。
「もし、婚約とか必要だと言われたら腹くくるけど、私は」
「何を言っているんだ、お前は……」
呆れられる。
思考が漏れていたらしい。
「不純異性交遊について考えていた訳ですよ、しどー君。
ほらビッチですし?」
「確かにビッチ関係あるな……」
おっと、しどー君が考え始める。
「そもそも不順異性交遊というのはだな、一時的な快楽を求めた性交を指すわけだ。
僕らも家ではそれこそ……」
自分の言葉で顔を赤らめるのは可愛いがどうかとおもうぞ?
昨日の夜は、キッチンだ。
しどー君が珍しくキッチンに立ったので、襲いたくなったのだ。
マジメガネモードの彼がエプロンつけていて、キュンキュン来てしまったのだ。
玉ねぎきるのにも悪戦苦闘。
萌えるわ。
「昨日はごちそうさまでした」
「おかげでカップ麺になったけどな」
さておき、
「十分に責任を取ることが難しいとも予見される歳の人が、不適切場面で行う性交を止める、補導する意味合いもある」
「私たち、その点ではしっかりしてますもんねー」
基本、家だし、最初の日以外は避妊も完璧だ。
寝室はともかく、おしいれ、トイレ、バスルーム、キッチン、廊下、玄関でととりあえず一通りはやっているが室内だ。
流石に露出癖は無いのだ。
それに万が一にも、しどー君には迷惑をかけれないわけでして、うん。
「カラオケとかでも本番してないし、セーフセーフ」
性交とは合体の事である。
さておき、
「そもそもこんな横浜の田舎で娯楽もなければ、本来もっと娯楽の割合として性交が盛んだと思うけどねー。近くは青葉台、柿生、あざみ野……ホテルが無いか」
「まぁ、自ずと娯楽の選択肢が縮まるからね」
「先輩たちはどこで致しているのやら」
「町田か横浜じゃないかな」
近隣駅にはラブホなるものはない。
なんとも田舎である。
「たまに、裏山に行こうとするカップルがいるから風紀委員として止めてるが」
「ほほう。
青空の元ですか……虫とか凄そうだし、頑張るわね……」
衛生上の観点から外はビッチ的にはお勧めしない。
自分の身を守ることも重要なのだ。
そういえば、
「身を守るといえば、キスを写真にとられて脅迫されるとかあるけど良く判らないわよね」
「お前は突然、何を言ってるんだ」
「レディコミの、学校シチュの話」
「レディコミ?」
説明しよう。
なぜか年齢が制限されない女性向けエロ本モドキである。
説明終わり。
「男性向けは制限されるのに謎だな……」
あまり深く考えても闇が深くなるだけな気がする。
さておき、
「キスをした現場を抑えて不順異性交遊で彼氏が退学になるぞと、脅されるわけですよ。
そんで、彼氏に迷惑がかけれないとか、彼氏の夢を守るためとか、結局、身体を捧げてしまうわけシチュエーションがあるあるなわけよ。
んで、女の子も最初は嫌がっていたけど、されるうちに彼氏より脅迫者を選ぶようになってと」
つまり寝取りだ。
最近の恋愛はHから始まることも多くあり、比べてしまうこともままありそうではある。
体の相性というか、体力的な面で私はしどー君以外考えられないが。
他の人、すぐ手や口で終わるし回数もこなせないのはよく知っている。
「うわ……きつ……そういうのを好む人がいるのは知ってるが、実際、想像したら吐きそうになった」
苦しむしどー君をみて、寝取られ趣味が無くて良かった、っと安堵できた。
とはいえ、虐めたくなる。
「もし、私が脅されたらどうすると思う?」
「僕に迷惑をかけまいと……⁈」
流石に虐めすぎたらしい。
お腹を押さえて、顔が歪んでいる。
「体は差し出さずに通報するから安心して。
それにキスぐらいで退学はしないでしょうし。
学校もある程度、私たちの関係を知っている訳だし」
最近、私たちも公認カップルだ。
他にもクラス内にいるのが大きい。
委員長とお嬢な許嫁(+妹ちゃん)、野球部と暴力女、気配が薄い男女……変なカップルしかいない。
「それに私たち、既に謹慎を同時に三日お互いに食らった時点で、周知よ周知……」
脅しようもないのである。
「とはいえ、本当にヤバいと思ったら、私だけ退学するし」
最悪のケースはこれだ。
親も楽しくなければ高校を辞めてもいいと言ってくれている。
そんな私の発言に、しどー君は慌てながら、
「君とはちゃんと高校生活したい」
と言ってくれるので可愛いやつである。
「まぁ、高校やめてもしどー君の家に転がり込むから変わんないと思うし。
大学受験用の勉強だけが出来るからかえってはかどるかもしれないわね」
ウチのクラスに、大学レベルの教材で内職しているヤツがいるのは周知の事実だ。
それぐらい、出来る人にとっては学校の授業は画一化されていて無駄な部分が多いのかもしれない。
「とはいえ、私も高校生活はしたいよ。
しどー君が居る、高校生活を」
「初音……」
人生一度きりではある。
そして、機会を得られるときに楽しまないとダメだとは両親にも言われるところである。
「何、見つめちゃって」
「いや、初音が彼女になってくれて良かったと」
「……ばーか、ビッチ褒めても何も出ないわよ」
たまにこういうセリフを言ってくれるから困る。
濡れた。
「家帰ったら、今日は夜の勉強でいい?」
と、彼の胸にうずくまりながら言ってやる。
「ダメだ、ちゃんと勉強はしないとだな。
毎日の積み重ねが重要だからな」
知ってた。
このマジメガネはいつもこうだ。
眼鏡は今してないが。
「……勉強終わったら、いいぞ。
明日土曜日だし、塾は昼からだ」
とはいえ、こう譲歩してくれるようになったのは前進と言えよう。
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