第27話 彼氏彼女ですが、なにか?
「マジメガネと付き合うことにしたわ」
と、クラスに三日ぶりに行き話した。
流石に二人とも同時に謹慎食らったら関係がバレるので先手を打った。
まぁ、許嫁宣言した委員長とお嬢が居たので、彼氏宣言ぐらいはやりやすかったのは正直ある。
「「「ええええええ」」」
取り巻き女生徒の中に叫びが起こる。
「色々……ぇっと、あっちの方もしたの?」
「うん、したわよ」
「「「ええええええ」」」
「結構デカくて痛かったんだけどねー。でも嬉しかったな~……」
しどー君に周りの目線が良く。
下半身に。
「?」
それを受けてしどー君が不思議そうな顔を浮かべてくる。
ちょっとこいやと、隣の席から手招き。
「はい、うちの彼氏」
「ちょっと待て、どういう話をしていたんだ。何だか、皆の視線が下に向いてた気がするんだけど」
流石に気付くか。
「ぇっと、しどー君のが大きいって話」
「……ぁ。ちょっと待て、何でそんな話をだな」
「女子高生にも性欲は有るんですー、猥談は人生のサプリメントなのよ!」
「そういうものなのか……」
いつも通り、素直に頷いてくれるマジメガネである。
眼鏡はしてないが。
「まぁ、こんな感じで素直だし、実は金持ちだし、素材いいし、男気あるし、優良物件だったわけよ。そんな彼を源氏物語もとい、彼氏化するのは楽しかったわよ! 夜もすごいし!」
「初音!」
「おこったー!」
顔を真っ赤にするしどー君。
と彼氏自慢しつつ、彼氏弄りは楽しいのだ。
「え、ちょっとまて色んな自慢があったけど、全部ホント?」
「そうよ、お父さんがお医者さんだってさー。ね、しどー君?」
「確かに皮膚科医だが……」
「うらやまー」
「暴漢に襲われた所を助けてくれたのはカッコよかったし! まぁ、堅物は直ってないから私以外にはムリだと思うけどねー」
「「「はいはい、のろけのろけ」」」
夏も暑いのにと、言われた気がした。
とはいえ、学校でえっちなことをしたことはない。BもCも無い。
嘘だと思っているでしょうが、これはマジ話である。
私だって女の子だ、ムラっと来ることはある。
しかしながら、学校は学校だ。
バレたら大変なことになる。
てな感じで、マウントとって昼休みが終わりそうになり、各自が席に座り始める。
「ふふー、これで午後の授業も頑張れる!」
「程々にな」
「分ってるわよ、しどー君。
でも、キスぐらいは認めてくれても良いんじゃないの?
ほら委員長達みたいに」
委員長とお嬢はたまーにクラス内で堂々とキスしている。なお、妹ちゃんがそれを観て暴れだすのが風物詩となりつつあるが。
よくもまぁ、と思っていたが、堂々とできるのが今では羨ましい限りである。
「ダメだダメだ。
僕たちは彼氏彼女であって、婚約関係ではない」
「マジメガネー」
口を尖らせるが、譲歩してくれないのが悪いところであり、良いところでもある。
そんな彼を好きになった私が悪い。
惚れた弱みというやつだ。
でもでも、したくなるのがビッチというやつだ。
「ぶー」
「膨れてもダメなものはダメだぞ」
「……なら、婚約関係まで進めちゃう?」
「……なるほど?」
あら、その提案には一利あると認めるんだ。
確かに実例がいるし、納得しやすかった部分でもあるみたいだ。
「いや、初音の気が変わるのが怖い」
「私こそ、しどー君の気が変わるのが怖いわよ」
お互いにふふっと笑いあう。
すると周りが暑い暑いと、下敷きで扇ぎ始めた。
◆
さて、帰り道の地下鉄の中、
「授業終わり!
放課後!
生したい! 生!」
っと、思う存分本能をむき出しにして彼氏へと願望を告げる。
大事な所は二度強調するぐらい、私は解き放たれた獣だ!
「せめて家帰ってから言えとだな……」
「こういう所でもしちゃダメなの?
キスでも?」
連絡通路前に立っているしどー君に性欲が抑えきれずに体を擦り付けている。
豊満な胸で胴を包み、股間をしどー君の足に擦り付ける。
傍から見たら逆痴漢のような状況だが、人も多く気付かれていない。
「……だめ?」
ダメ押しの上目遣い。
こんなにエロい性格だったとは自分自身のこととは言え、過去の自分なら想像できないだろう。
「ダメだ」
マジメガネだねぇ、眼鏡してないのにホント。
表情一つ、変えることもない。
端的に拒否されるのでビッチとしてのプライドはズタズタだよ。スタイルだっていいし、顔立ちだって自信あるのに。
「しどー君は私で興奮してくれないんだ、きっと……」
なので拗ねる。
面倒な女と思われてもいい、好きと伝えられるなら。
我儘だとは思う。それでも伝えたいのだ、私の興奮を。
「そんなことないぞ……今にも抱き着きたいのを抑えてる」
うーむ、セクハラやアピールの方向性を変える必要があるかもしれんね?
ともあれ、
「水泳の授業、私見てたでしょー」
ちょっと意地悪したくなったので言ってやる。
スクール水着の私に向けられるクラス男子の視線。
クラスのおっぱい星人はモチロン、複数人から見られていたのは確かだ。
なんせ、一番の巨乳が体の都合で水泳に出れなかったので、私が一番だったのだ。
ふふふ。
一番、良い響きね。
私はやるときはトップが好きだ。
その中には当然しどー君の視線が合ったわけで、
「見てた」
あっさり自白しおった。
いつものしどー君らしいと言えばしどー君らしい。
「どうだったー。
ふふー」
「スクール水着小さくなかったか?
胸元がパンパンであふれそうだったわけで」
「毎日、揉まれてるからね、大きくもなるわよ。
ほら、しどー君が育てたおっぱいだぞ?」
腕に絡んで押し付けてやると、しどー君が赤面する。
確かにちょっときつかった気がする。
垂れないようには気をつけねば……。
さておき、
「褒めてくれないの?」
「何というか輝いて奇麗だった」
こういう臭いセリフも躊躇なく言うのがしどー君だ。
ビッチ喜ばせてどうする気なのだろうか、この彼氏は。
ふふふ。
言わせといてあれだがここまではテンプレ。
気分があげあげになってくる。
「それに僕の彼女だと思うと、鼻が高くてな。
体を知っているのも僕だけだし」
「恥ずかしいセリフぅ……」
予想外に追い打ちが来た。
感情がふにゃーっとなり、ぼやけたようになる。
幸せである。
「初音って結構、攻められると弱いよな……。
初心というか、純真というか……」
「そりゃ、処女でしたし、乙女だったわけよ?
処女ビッチでしたが、何か?」
そもそもにと続ける。
「ビッチというのは尻軽女という意味があるけど、ヤリマンに限定されないわけよ。
ビッチの中にヤリマンがある訳ね?
私に関しては、昔は男性と遊べればそうでよかった系のビッチ。
……訂正、男をもてあそぶのが好きだった系ビッチね」
ビッチにも色々ある訳だ。
一緒くたにされても困る。
「今の私は性的にオープンなビッチなのよ。
……しどー君にだけだけど。
もてあそぶのもしどー君だけだぞ?」
上目遣いを意識して笑みを向けてやった。
そしてむぎゅーっと抱き着き、女の武器である柔らかさで刺激してやる。
「こんな彼女は嫌い?」
「いや、大好きだぞ?
僕は初音のどんなとこも好きだからな?」
「あはっ♪」
ハッキリ言ってくれるしどー君が大好きだ。
「ともあれ、抱き着くのは良いんじゃない?
ほら、周りにも抱き着いているカップルが」
マジレスすると、しどー君が考えこみ、
「それもそうか」
と言って、
「抱きしめるぞ」
「来て……んっ♡」
確認してくれて、ギュッと私のことを抱きしめてくれる。
男らしい肉体にか細い私がつぶされそうになるが、幸せホルモンが出てきてしまう。
私の体はどうしたというのだろうか、男を誑かせるのは確かに好きだった。
でも、こう私という存在を使ってくれることに幸せを感じるのはしどー君が初めてだ。セックスとはまた別の幸せという感覚が脳を支配する。
「キスは……?」
「っ……ダメだ」
耳元で艶を利かせて囁いてやると、しどー君の体が一瞬、ビリっと感電したかのように震えた気がした。
「なんで……?」
「他人の目がある。
制服でどこの学校か特定されるだろうし、誰かに見られて通報でもされたら……不純異性交遊だ……」
「意地悪……ん♡」
想像通りの答えだが、マジメガネな彼氏がより一層、私を押しつぶそうと抱いてくれるので嬉しくなってしまい、言葉を続けるのを防がれてしまった。
しどー君も大きくしてくれていたことに気付いたのも大きい。
なお、家に帰ったら下着としどー君のズボンが私ので凄いことになっていたし、二人で獣になってしまった。
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