第17話 よく効くおクスリ

 ポッコポッコと馬車がゆく。すでに迷宮ループは終わった。あとは道なりに進むだけだった。



「ねぇティベリスさん。1個きいて良いっスか?」


「どうかしたのセフィラ?」


「この裸のおっさん、何か着せましょうよ。おケツがブリンなってて目障りなんスけど」


「着せたいのは山々だけどね」



 ティベリスが布の1枚もかけようとしたが、コリゴリーは全身をくねらせて抵抗した。まるで、暴れまわるタコの足だった。



「やめろやめろ! オレはな、裸でいることに誇りを持ってんだ。飲まず食わずでも、小馬鹿にされても平気だが、服を着ることだけはカンベンならねぇ!」


「この剣幕だよ。どうしようね」


「ただのド変態じゃないスか。力付くで着せちゃいましょうよ」


「そうした方が良いけど、無理強いさせるのもな……。どうせ最後には引き渡す訳だし」


「じゃあ、さっさと森を抜けて、ギルドにつきだしてやろうっス」



 はやる気持ちとは裏腹に、行けども行けども森は続く。大森林ディープ・ロストを踏破するには、まだまだ日数が必要だった。



「そろそろ夜になるね。野宿の準備をはじめようか」



 ティベリスが言うと、馬車も停まった。そして、豊かな森で食材と燃料を集め、焚き火を囲む。食材を串にさしてジックリ火を通す。



「さぁ出来たよ。サワリガニの塩焼きと、アムアミキノコのスープ」


「んほっ、香ばしい匂い! うまそうだな!」



 オーレインは串焼きのカニに食らいついた。こぶし大ほどのサイズで、甲羅は赤く焼けている。パリッとした食感のあとに、濃厚なミソが流れ込んでくる。



「うまっ、でも熱ッ! あふぃ!」


「いきなり腹をかじるからだよ。手足から食べて、ちょっとずつ冷まさなきゃ」



 ティベリスは言葉通り、上手に食べてみせた。ゆっくりと食べ進めては、適度に息を吹きかけるので、やけどすることにはならなかった。


 食事風景は、毎度なごやかだ。特にサーラは、普段の微笑みなど忘れたかのように、恍惚(こうこつ)とした表情をうかべていた。



「アフゥ……。さすがはティベリス様。アナタにすっかり胃袋をつかまれてしまいました」


「おおげさだよ。これくらい、旅に慣れてたら、誰だって作れるって」


「いやいや、きっちりウマいっスよ。アタシも錬金術で料理つくるけど、味付けまで上手くできないんで」


「そうなの? この前食べさせてもらったけど、結構おいしかったよ」


「大味になっちゃうんスよね。しょっぱい、甘い、辛い、みたいに。こんな風に旨味とか絶妙な香りとか無理なんス。やっぱ本物の料理には敵いませんわ」



 暖かな焚き火に、和やかな会話。お腹もふくれて、誰もが心地よさそうに笑っている。それからは、焚き火の回りに寝転んで就寝。虫が鈴音を鳴らすように歌うだけの、静かな夜だった。


 迎えた翌朝。昨晩とはうってかわり、辺りは騒然としてしまう。



「さむっ! さむさむぅ!」



 全身をビショ濡れにしたセフィラが、馬車の中にかけこんだ。後につづいて、サーラやティベリスも乗り込む。



「すごい雨だね。空が暴れてるようだ」


「通り雨というレベルではなさそうです。しばらくは豪雨かもしれません」


「うぃぃ。最近は朝晩冷えるなと思ってたら、この雨っスもん。風邪ひいちまいますよ」



 ろくな荷物がないので、馬車の中は広々としていた。オーレインの私物が少しと、賞金首のコリゴリーが縛られた上で寝転されてるだけだ。必然的に、ティベリスたち3人は、身を寄せ合って縮こまった。



「みんな乗ったよな? これから雨宿りできる場所を探してみる!」



 そう言うなりオーレインは馬車を走らせた。馬車の幌に、耳にうるさいほど雨が降りそそいだ。この天候では、馬もやはり不機嫌になり、ブルルと何度も鳴いた。


 やがて、切り立った崖の下へ着いた。つきでた岸壁がうまく天然の屋根をつくっており、ようやく雨から逃れることができた。



「すごいよ見て見て。ザンザン降りだから、地面が川みたいになってるよ!」


「ティベリスさん。何がそんなに嬉しいんスか? ただいま立ち往生の真っ最中なんスけど」


「あぁごめん。大雨とか、雷とか、珍しい天気の日って、ついつい楽しくなっちゃうんだ」


「忠告しときますけど、大雨の日にはしゃいでも、水辺には近寄らない方がいいっスからね」 



 そのころになって、オーレインも馬車に入り込んだ。濡れそぼったコートをしぼって、両手をこすりあわせる。



「うぇぇ寒いっ! 今日はすんげぇ冷えるなぁ」


「ありがとうオーレイン。おかげで雨をしのげたよ」


「いやいや、まだピンチだって。こんな寒さじゃ、そのうち風邪ひいちまうぞ」


「焚き火で暖まりたいけど、この天候じゃねぇ……」



 雨は弱まる気配もない。むしろ稲光がきらめき、さらなる豪雨を知らせるようである。これでは枯れ枝を探すことは難しい。


 何か良い手段はないものか。ティベリスはこごえた手に息を吐きかけては、考え込んだ。



「うぅ……。さすがに辛くなってきた。風も吹き込んでくるし、いよいよ追い詰められてきたね」


「ティベリス様。アナタにだけ、特別な手段があります」


「えっ、何? 僕だけってのが気になるけど教えて」


「人肌で温め合うのが効率的と聞きます。おあつらえむきに、むきだしの肌がありますので、どうぞ」



 サーラは自身の胸元を揺らしては、躊躇なく指さした。確かにそこは、やわらかな肉がせめぎあい、濃密な谷間を形成していた。はりのある肌はかすかに濡れており、いっそう艷やか。思わず顔から飛び込んで、その温もりと感触を確かめたくなる、ある種の魔性さえ秘めたるもの、それがサーラ渓谷である。


 しかしティベリスは首を横に振る。検討にも値しない、即答だった。



「いらないよ、妙に濡れてるし。逆に寒そう」


「そんな……! 煩悩をそそる水濡れ仕様がアダになるなんて……」


「あっ、サーラちゃん。オレっちはすごく興味あるんだけど、ちょっとだけ触っても――」


「オーレインは、もう生きるのに飽きたのですか。お望み通り消し炭にして差し上げましょう」


「いやいや冗談だよ、怒んないで?」



 話し込むうち、いっそう冷えが襲ってきた。ティベリスたちはヒザを折って震えてしまう。平然としているのはサーラくらいのものだった。



「サーラは、その格好で寒くないの?」


「はい。この程度であれば何ともありません」


「それとコリゴリーも、なんだか元気そうだけど」


「へっ、なめんなよ甘ちゃんどもめ。こちとら裸が家業みてぇなとこあるんだよ。むしろキモチイイくらいだぜ」


「どんな身体してんのさ、まったく……」


「フススすすす、ティベリスさんんん。そろそろアタシ、おばあちゃんに喚(よ)ばれちゃいそうなんスけども」


「待って待って、逝かないで! そうだな、錬金術で何か作れないの?」


「れんきん……ッ! その手があったっスーー!」


「なんで本職が思いつかないのさ」



 セフィラは携帯釜をだすと、錬金術をはじめた。調合液で釜を満たすと、草、石、枯れたコケ、何かの皮を放り込んでいく。



「おしおし、混ざりやすい素材で大助かりっス。あとは混ぜ棒ちゃんで、よっこいせと!」



 カァンと心地良い音とともに、錬金釜の中身がきらめき出す。するとセフィラの手元には、1つの薬瓶が現れた。



「できたっスよ! その名も、塗り薬ジンワリン!」


「どうやって使うの?」


「これはっスねぇ、ローションみたいに肌にペタペタ塗りつけて使うんス。すると不思議にも、身体がポカポカ暖まるんスよ」


「へぇぇ、すごいなぁ! さっそく試してみようよ!」


「そうっスね、ではアタシから――へっ、ふぇっ……、フレキシブルッ!」


「なに今の、くしゃみ?」


「アアァァ! やべぇス、薬瓶の全部こぼれちったぁ!」



 くしゃみの勢いですべてをこぼしたと言う。さらに言うと、薬のほとんどは、寝転されし男コリゴリーの全身に浴びせられた。


 しかし大きな変化は見当たらない。彼のむき出しの背中が、血色のよい色味へと変わっていくくらいだ。



「あちゃ〜〜。やっちまったスよ。なけなしの素材だったのに、もったいねぇ!」


「ねぇセフィラ。あんなに沢山かけちゃって平気なの?」


「まぁ、身体に悪いもんじゃないんで。わりと長い事、オッサンの身体がポカポカしちゃうだけっス」


「割と長くって、どれくらい?」


「ええと、たぶん、3日くらい……?」



 健康被害が気になるところだが、そこは心配要らないと言う。実際、コリゴリーは元気そのものだ。



「おう何だよ、けったいなモンかけやがって。でもすこぶる気持ちがいいぜ!」


「本人も気に入ってるね」


「もちろんよ馬鹿野郎! 肌がピリッと冷えるのに、なぜか身体の中はあったけぇんだ。こんなの、あぁ、新感覚……」


「喜んでるみたいだし、心配するだけ無駄かな」


「あっ、ティベリスさん! コイツの身体、妙に温かいッスよ。手をかざすだけでホラ」


「ほんとだ……。焚き火みたいだね」



 暖を取れると知るなり、コリゴリーを中心にして輪になった。しかし、裸の中年男に両手をかざして温まる様は、かなり怪しげだった。



「ティベリス様。絵面が悲惨な事になっていますが」


「贅沢いってられないよ。温まれるだけ感謝しなきゃ」


「悲惨なのはオレっちだよ? オッサンのケツに手をかざすって、なんの罰だよ」


「さすがの私も同情を禁じえません」


「やめてくれよ……。サーラちゃんにそう言われると、よっぽどヤバいと自覚しちまう」



 こうして、どうにか寒さに堪えた一行は、そのまま夜を迎えた。あれほど悩まされた雨は、すでにあがった後だ。



「ねぇコリゴリー。ご飯を食べさせてあげるから、そろそろ服を着ない?」


「フザけんな。たとえ飢え死にしたって服なんか着てやるか。裸こそ生きがい、裸こそ我が人生よ」


「このままじゃ風邪をひく……ことも無いのか、薬のせいで」



 裸ん坊はガンコだった。食料攻めくらいでは性癖を曲げようとしない。それどころか、ジンワリンという未知なる薬にご満悦で、一生服を着ないと豪語するほどだった。


 もはや諦めるしかなかった。しょせんは運ぶだけの相手だ。ギルドや騎士団につきだしてしまえば、付き合うこともなくなる。


 そうして森の中を進むこと、計5日。オーレインがたづなを握りつつ、



「みんなお疲れさん! そろそろディープ・ロストともお別れだぜ」



 と言った。馬車の中に明るい空気が流れた。



「いやぁ長かったな。こんなにかかるとは思わなかったよ。ねぇサーラ」


「はい。なかなかの旅路でした。ここは1つ、宿でゆっくり休みたいものです」


「そんなお金ないけど?」


「これから作るのですよ。ちょうど『換金アイテム』が手元にあるのですから」


「換金って……あぁ、うん」



 サーラがコリゴリーを指さして言う。不名誉にもモノ扱いされたコリゴリーだが、特に反論しなかった。それどころか、セフィラにしつこく声を掛け続けた。



「なぁ頼むよピンク髪のねぇちゃん。例のクスリをブシャーーっとやってくれよ」


「いやっス」


「頼むってマジで! あの快感はもう忘れられねぇんだよ!」


「やだっス。素材がもったいないんで。つうか今日は寒くないし」



 相変わらず馬車はにぎやかで、ノンビリと進む。カッポカッポ。やがて大森林の終着点にたどりついた。木々を抜けた先は、なだらかな丘の広がる平原だった。


 彼らを歓迎したのは、すみきった空気、視界いっぱいの青空。そして、臨戦態勢の騎馬隊だった。



「お、おい。アイツら、なんかオレっちの方を狙ってないか?」

 

「もしかしたら、目当ては僕かも」



 あたりの空気は張り詰めていた。騎兵の一団にゆるみは感じられない。さすがに正規兵は練度が高く、陣形にも隙が見られなかった。



「どうするよ旦那。言っとくが、騎兵から逃げ切るなんて絶対ムリだぞ。草原でも、森の中でも、馬車の方がずっと不利だ。しかもこちとら、大勢乗せてんだからさ」


「分かってる。だからこのまま進んでみよう。目当ては僕じゃなくて、何か別の理由で集結しているかもしれない」


「お、おうよ。そうである事を祈ろうぜ。クソッタレめ」


「もしバレそうになったら、僕だけ飛び出して、連中を引き付けるよ」


「やめてくれよ。旦那を売るつもりは無いって」



 オーレインは静かに馬車を走らせた。道の左右では、何十もの騎兵がにらみをきかせている。


 そんな中を平然と進むのは、それなりの度胸がいった。オーレインはというと、ヒザをガタガタと震わせてしまい、少しだけ度胸が足りなかった。


 間もなく、騎兵のうち数騎が駆け寄ってきた。



「そこの馬車、とまれ! ローグアルン騎士団だ!」


「へ、へい! なんざましょ! オイラは、しがない村人でございやすけど?」


「コモルノ司教より通報があった。近日中にセンシティブなお尋ね者が、大森林を抜けるだろうと」



 騎士は断りもなく馬を寄せ、そして幌馬車の中に乗り込んだ。



「居るのだろう犯罪者め! 隠れてないで出てこい――」


「はいはい〜〜っス。どしたどした?」


「なんだこの女。邪魔だ、そこをどけ!」



 セフィラは両手をせわしなく振り続けた。長いローブのそでが、騎士の視界をうっとうしく奪い去る。



「どけと言われてもね、アタシには何の事やら分からず、ほんとサッパリなんスよ。説明してもらっても?」


「お尋ね者が北に向かって逃げたと、ウップ。通報があったのだウウップ。ええい、そでが邪魔!」


「お尋ね者ならホラ、そこっスよ」


「何だと?」



 指さされた方を騎士が見れば、確かに見た。丸裸で尻がむき出しの、縄で縛られた男を。その顔にも見覚えがあり、それが名の知れた賞金首である事もわかった。



「こいつはコリゴリー!? しかも裸とは!」


「服を着せると暴れるんス。だからもう、縛って転がすしかなくって」


「これは確かに、センシティブな、お尋ね者……。通報と一致するな。いやしかし、何かが噛み合わんような?」


「ちょいちょい! 悩むのは後でも出来るっスよ。今はほら、眼の前の事を片付けたら良いんじゃないスか?」


「うむ、うむ。確かにお前の言うとおりだ。騒がせて済まなかった。協力感謝する」



 騎士は鎧ごしに胸を叩いて、敬意を示した。それからはコリゴリーを布でくるんだ後、肩に抱えて持ち去っていく。


 去り際にコリゴリーは、



「最後にクスリをくれよ、オイ! 3日は効いちゃうくらい濃いやつをよぉ!」



 などと、これはこれで誤解を招きそうな捨て台詞を吐いた。幸いな事に追求される事もなく、オーレインの馬車は軽快に立ち去っていった。



「プハァ! なんとかなったスよ〜〜」


「ありがとうセフィラ。一時はどうなるかと思ったよ」


「任せてくだせぇ。とりつくろう技は無駄に学んでるっスよ」


「ところで、騎士から何か受け取ったよね。それはなに?」

 

「手紙っすね。テルコーデのギルドに渡せと言われたっス。賞金じゃないスかね?」


「というと、やっぱり町に行った方が良いのかな……」


「心配いらないっスよ。何かあったらアタシが上手くやるんで、町に寄ってきましょう。サーラさんも良いでしょ?」


「そうですね。防寒具も買い求めたいですし、町に立ち寄るべきかと。もし仮にトラブルになっても、セフィラが身代わりになるそうなので、一応は安心ですね」


「解釈がでかいっス! そこまで言ってない!」



 馬車はテルコーデの町に差し掛かった。警備は意外なほどにゆるく、ほとんど素通りだった。騎士団が郊外で警戒網を敷いている事から、町の警備隊は安心しきっているようだった。


 そうしてティベリスは、危なげなく町の中へもぐりこんだ。



「簡単に入れたね。なんだか拍子抜けしたよ」


「ティベリスさん、さっそくギルドに行こうっスよ。そこでガッポリ金をもらったら、うへっ。何を買おうかなぁ」



 金の使い道は決めていなかった。みなは口々に豪華な宿、希少な素材、美人どころの集まる酒場などと願望をダダ漏れにした。


 ティベリスとしても悪い気はしない。安全ならば、すべて叶えたいとすら思う。そう、彼らが町の公会堂を横切るまでは。



「聞け、善良なるテルコーデの民よ。最近、巷では聖剣の小僧が話題になっており、一部では英雄視していると聞く。なんと浅はかな事か」



 高台で叫ぶのは僧侶だった。高位の装いで、司教の姿をしていた。



「良いか、決して騙されてはならん。あの者は、裸にひんむいて愉しむだけの、卑劣で卑猥な犯罪者だ! 貴族も平民もなく手にかけるという。あやつが通ったあとは、すべてが丸裸にされてしまうぞ!」



 司教が熱く語ると、聴衆も真剣に聞いた。人々は「怖いわね」だとか、「とんでもねぇ悪人だ」などと、率直な感想をもらした。


 ティベリスたちにとっては、居心地悪いだけでは済まない。身元がばれてしまえば、大騒ぎになる事は確実だった。



「ヤバいな。この流れは最悪じゃないかな」


「長居するのは危険かと。静かに立ち去りましょう」



 ティベリスたちは、来た道を引き返していった。しかし、熱心な聴衆が集まる中で、その動きは悪目立ちしてしまう。



「そこの4人組、とまれ! 旅人のようだが、男女2人とは、乱れておるな。卑猥な事この上ないぞ!」



 言いがかりでしか無いが、司教はヒートアップする一方だ。



「テルコーデの民よ、その者達を捕まえよ! 決して町から逃がしてはならんぞ!」



 その号令で、何百人もの人々が一斉に動いた。なんの躊躇もなく、ティベリスたちのもとへと押し寄せてきた。



「やばい、こっちに来る!」


「セフィラさん、出番です。みごと説得を」


「ンンン、できるかい! こんな大勢を相手に対話なんて無理っスよ」


「喋ってる場合じゃねぇよ! ほら旦那、逃げようぜ!」

 


 こうしてティベリス達は、町中を逃げ続けた。幸運にも空き家を見つけて、そこへ身を寄せたのだが、うかつに出られなくなった。


 意図せずして、籠城する形ななってしまった。今はただ、居場所が知られないことを祈るしかなかった。



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