第4話法定速度

今日はドライブ。

「セイタ、今日はパパが運転するからな」

「うん」

セイタをチャイルドシートに固定して、助手席にママが乗る。


順調に発進した。

「ねぇ、パパ。もっとスピード上げてよ!」

「バカだなぁ、ママ。標識のない道路の法定速度は60kmだよ」

「だって、後ろ行列じゃん」

「じゃ、左に寄せて後続車に追い越してもらおう」


後続車はどんどん追い抜いて行く。車が減ったのを確認してから、再び走り出す。

信号が黄色になった。停車する。

「パパ、行けたじゃん!間に合ったじゃん。何で止まるの?」

「ママ、信号の黄色は止まれと言う意味だよ!ちゃんと、自動車学校の学科勉強したの?」

「……ちょっと、コンビニ寄って」

「はい」


ママが運転を代わる。

ママは名古屋走りする。信号もスピードも割り込みも強引。

セイタはキャッキャッ、喜んでる。

「ママ、マリオカートみたい」

「セイタ、これは完全なる道路交通法違反だよ!喜ぶでない!」

「うっさいわね。パパのノロノロ運転の方が怖いわ。セイタのお迎えの時に、運転練習しなさい」

「……」

「返事は?」

「……はい」


トントン牧場に着いたら、昼ご飯。

「ママ、僕はもう運転しないからビール飲んで良いよね?」

「は?パパ、バカじゃないの?私が運転してるんだからパパも我慢しなさい!」

「パパ〜、また、怒られた〜」


理不尽、理不尽過ぎる。法定速度を守る鹿児島県民の運転とは違い、交通事故死ワース1位の愛知県民の名古屋走りは肯定されると言うのか?

その後、ママは高速を走る時、カーブを凄い速さで走ったので、車線オーバーした。

死んだと思ったが、後続車が走って無くて命拾いした。


未だにママの運転は怖い。

皆さん、道路交通法は遵守しましょう。

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