第2話ウルトラセブン

子供をヒーローショーに連れて行った。

今日は、パパもセイタも大好きなウルトラセブン。

お姉さんが自己紹介していると、宇宙怪獣が出てきてお姉さんを捕まえる。

お姉さんは、

「みんな!ウルトラセブンを呼んでっ!」


場内の子供は大声で、

「ウルトラセブン〜!」

セイタも声を張り上げていたが、パパも声を青筋立ててウルトラセブンを呼んだ。


ウルトラセブンは宇宙人を次々に倒し、宇宙怪獣までやっつけて、開放された。

「みんな〜、ありがとう」

と、言って子供とウルトラセブンのツーショットの写真を撮れる、撮影会が始まった。


子供達は行列を作り、子供とウルトラセブンのツーショットを撮り始めた。

ママは、隅っこで見守っていた。

次は息子の番。

息子は地球防衛軍のTシャツを着て、僕が写真を撮った。

ママを呼んだ。

僕はお姉さんに、

「実は僕は子供の頃からの、ウルトラセブンのファンと言うかマニアなので、写真を撮っても良いでしょうか?」

ママとセイタは呆れている。そんなの無視してお姉さんに懇願。


「お父さん、気持ちは分かりますが、写真は子供だけとなっています。すいません」

「お姉さん、ね?僕はファン歴は長いんですよ!この子供らが、精子のずっと前の頃からのはファンなんです。そこを何とか」

「規則は規則ですので……」

「握手は?」

「それも、ご遠慮を」


「パパ、もういいから諦めなさい」

と、ママの鶴の一声。

僕は諦めて、グッズ売り場に向かった。

「パパ〜、キングジョーとエレキング買って!」

「やだね」

「どうして?」

「パパ、ここの売り上げに協力したくない!」

「ママ〜、パパが買ってくれない」

「パパ、あんたセイタより子供だよ!スネないの。買いなさい」

「……はい」


あの時、ウルトラセブンのツーショットが撮れたら、未だにファンなのだが。

もう、10年前の話しである。

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