第4話 祭りだ!
トラブルというのはべつにたいしたことじゃない。
まぁ一言で言えば秘密基地にゴブリンが出たのだ。
さすがはファンタジーの世界。
身長は俺達と同じくらいだが、肌は緑だったり、黒かったりした。
ボウシ君やボウズ君、ハカセ君はビビってボスくんは大人たちを呼びに行った。
そうしてギャルちゃんが狙われたので俺はボス君が普段もっていた大きな木の棒でゴブリンを追い払った。
「勇敢なのね!ボク」
ギャルちゃんは頬を紅潮させて俺と腕を組んでくる。
ボス君が大人たちを呼んで事なきを得たが、危ないところだった。
ご褒美にギャルちゃんとムフフなことをした。
もちろん最後までだ。
やったぜ。
いろいろとすっきりして自分が漢であることを自覚する一日だった。
そんな日を迎えた後数日が何事もなく過ぎて、お祭りがあった。
俺たちは浴衣を着て、いろいろな屋台を食べ歩き、遊び歩き、笑いあい。踊った。
踊り疲れた夜、花火が打ち上げられる。
大きな音を立ててはじける色とりどりの花火。
ギャルちゃんと俺は手をつないで笑った。
ギャルちゃんから俺はほっぺにキスをされた。
そんな思い出が俺にとっての宝物だった。
虫バトルといってみんなで虫同士を戦わせる大会に優勝した僕はちょっぴり大人げない虫と言っていいものかわからないアメリカザリガニを出して負けたボスくんに何でも一つ言うことを聞いてもらうとしょうして大人なことをお願いした。
恥ずかしそうにはにかむボス君はやがてふっきれたように俺と濃密な時間を過ごした。
その後、アイカちゃんと一緒にテレビゲームをして勝ったからといって大人なことをしてもらい、一緒に寝た。
頭を撫でてもらいながら女の人と寝るのはなんというか赤ちゃんになったような気分になる。
ミムジィとは彼女の大学の課題のレポートを手伝い、アトリエで裸婦の絵を描いているミムジィのあられもない姿をデッサンしておもわず興奮した俺とともに彼女は大人の授業をしてくれた。水着で一緒に泳いで、彼女の水着がポロリした光景は今でも脳裏に焼き付いている。
ひまわり畑で彼女とまた会う約束をした。
彼女の瞳には涙が浮かべられた。
サヤおばさんとは良い子カードというカードをもらってからというもの、何かご褒美がもらえるかもしれないと伯母さんから言われ、歯を毎日みがき、ラジオ体操をして早寝早起きをして、料理を手伝い、宿題を速攻で終わらせて、洗濯を手伝い、釣れた魚を持っていき晩御飯にしてもらうなどしてポイントを稼いである日、暑くて眠れなくなった夜に、おばさんが一人で自分を慰めているところを目撃した俺はおばさんに大人な要求をして、その行為はだんだんとエスカレートしていった。
そんなことをしてみんなと仲良くなってあっという間に夏休みは終わりを告げる。
また来年もあるけれど、どうしてか寂しい。
涙がでそうになる。
ボスくんと男子たちからは黄金のカブトムシとクワガタを一匹ずつ。
ボスくんからハグをされる。
ギャルちゃんは涙目で俺にキスをして脱ぎたてのパンティをくれた。
そうして俺は長い長い夏休みを終える。
船に乗り、照り付ける太陽と青い空と白い入道雲を眺める。
誰かが言った。
「楽しい夏休みだったかい坊や」
俺は頷いた。
「最高に楽しい夏休みだったよ!」
——————了
僕の異世界夏やすみ。 ビートルズキン @beatleskin
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。