第3話 遊ぼうよ!

 それから俺らはボス君と一緒にたくさんの遊びをした。

 ボス君とギャルちゃんを含めて押し相撲をしてちっぱいの感触にドギマギしたり、男たちに負けそうになったりしてムキになったり、なんども繰り返して遊んだ。

 いっせのーせ○○といって親指を出してその数をあてて遊ぶ指遊びや、指の数を変えながら遊ぶ指戦争という遊びもやった。

 他にもみんなで手を合わせて一番下にいる人の手がみんなの手を上から叩く遊びとか、小学生の頃にみんながいつしか考えた懐かしい遊びをやった。

 もちろんトランプでババ抜きや七並べ、大富豪に神経衰弱といった遊びを思いっきり楽しんだ。

 ボードゲームもいろいろあって面白かった。

 ボウシ君が持ってきていた。

 ボウシ君は意外とお金持ちというか、兄弟が何人もいてそのおさがりのおもちゃをもらうらしいのだ。

 三国志に似たキャラクターのボードゲームや有名なサイコロを振るボードゲームなど時間がかかって本格的なボードゲームをやった。

 そういう時間もまた楽しいが、俺たちの世代は体に元気が有り余っているのでとりあえず走りたいという衝動に駆られる。

 悪代官ごっことか、即興の劇をやったりおままごとに付き合ったりして遊んだりして、自分たちの想像力をいかんなく発揮して遊んで、普通に公園でサッカーとドッチボール。

 段ボールで丘から滑り降りる遊びをやったりした。

 地域に貢献するという名目でゴミ拾いをして、赤い牛のミルクを絞ったり、田植えを手伝ったりした。

 米のおむすびを青空の下、食べてとてもおいしかった。

 そして鬼ごっこやだるまさんが転んだでひとしきり遊んで疲れた後は地面にみんなで寝転がって雲の形を言いあったりした。

 楽しい時間だった。

 月日はあっという間に経過した。

 お金がみんななかったのでゴミ拾いの時に拾った空き瓶を店にもっていったり、みんなで釣りをしてそれを魚屋さんにもっていって買い取ってもらって結構なお金になった。

 ボウズ君が一番釣りが上手かった。

 ハカセ君は物知りで音の鳴る笛草や叩くと大きな音が出る草や食べられる野草、キイチゴなどをいっぱい見つけるのが上手だった。

 そうしてある日、雲一つない青空でみんなでアイスを食べてしょうもない事を話し合いながらみんなで歩いた。

 棒の木をもって探検ごっこをした。

 ———————こんな時間がずっと続けばいい。

 そう願わずにはいられない日々だった。

 口に残る駄菓子の味、みんなの喜怒哀楽の表情。

 笑い声。照り付ける太陽。

 とても眩しい日々だった。


 —————そうしてある日、ちょっとしたトラブルが起きることになる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る