第2話 出会い

 サヤおばさんの娘がいるのであいさつしてもらうことになった。

 俺が入った建物はペンションと呼ばれ、まぁ平たく言えば旅館のようなものだが、冬と違い夏はすっからかんらしい。

 だから少し大きめの家だとおもってもらっていい。

 「おまえがボクか?よろしくな!」

 ボーイッシュな女の子がそこにいた。

 光が反射して紺色の髪によく日に焼けた肌で身長は年ごろの女の子より少し大きい。タンクトップとショートパンツの爽やかだけど人懐っこい笑みが特長の女の子だ。

 「俺のことはボスって呼べよ」

 「わかったよボスくん」 

 「くんは余計だが、まぁいいや、夏休み一緒に楽しもうぜ」

 隣にいる女性が会釈する。

 「…………よろしく」

 この子はなんというか暗い。

 アイカちゃんというらしい。

 美少女だというのが顔のパーツの整い具合からわかる。

 雪のような肌に長い黒髪。

 紺のロングスカートと白のブラウスを着ている。

 年ごろの女性らしい体つきをしており俺よりも身長がでかい(俺は同年代の子と比べて大きいだけだから成人女性よりは小さい)。

 「よろしくネ!」

 おばさんに負けないくらいいいプロポーションをした金髪碧眼の美女がいた。

 ハーフ美人っぽい。

 大学生だろうか、かなり身長が大きい。

 成人男性と同じくらいの身長だった。

 ミムジィという名前らしい。

 俺はドキドキしながらボスくんと一緒の部屋で寝泊まりすることになる。

 部屋には図鑑と小学生の教科書と漫画が数冊だけは言っていた。

 面白そうな本もいくつかあった。

 サヤおばさんが俺に近づいて俺に時計を渡す。

 なかなかカッコいいデザインのものだ。

 「時計を渡しておくわね、毎日夜の六時には帰ってくること。その時計は防水で頑丈だからちょっとやそっとじゃ壊れないから。気を付けて遊んできてね」

 「うん!」

 お昼ご飯を食べて早速家の周りを探検することにした。

 「じゃあボク、俺の秘密基地へ来いよ」

 「いいの?」

 「おうさ。人が多い方が探検隊らしくて面白いもんな」

 「うん!」

 俺とボス君は住宅街を抜けた。

 綺麗な川があった。

 ここで釣りをしたら美味しい魚が釣れるかもしれない。

 あと緑というか大きな木が多い。

 セミのような虫の鳴き声がする。

 異世界といっても似たようなセミがいるな。

 異世界なのでここの世界の虫はみんなカラフルだ。それはセミも同じだ。

 エメラルドのようなセミなのだ。

 おもしろい。

 「ここで虫とかとれるぜ」

 「ふぅん」

 でっかい木に虫が止まっていた。

 赤いコクワガタのような虫がいた。

 ひときわうっそうとした木々を抜けると廃屋の中にソファと虫かごやかんと笛が置いてある小さなテーブルがあった。

 ホームレスがつくったよりも少し立派な雰囲気のある秘密基地がそこにはあった。

 「そこの笛は特殊で登録したメンバーの耳元にだけ届くんだ」

 さすが異世界。

 すごいアーティファクトだ。

 俺も登録をすませ、試しに吹いてみる。

 すると女の子一人、男の子三人がやってくる。

 「なによ、ボス。新入り?」

 「おやつの途中だったんだぞ」

 「研究レポートの途中だったのに」

 「時代劇の途中だったのでござる……」

 「よく来てくれたなお前ら。こいつはボク。夏の間だけ一緒にいる奴だ。

みんな仲良くしろよ」

 一人目の女の子はギャルといった感じだ。

 茶髪の髪にへそ出しルックのシャツと赤のミニスカート。

 なんというか尻がこころなしか大きい気がする。

 ロリコンの理想のロリがそこにはいた。

ギャルちゃんというあだ名らしい。

 あとは坊主の食いしん坊のボウズ君とハカセ君という頭がいいメガネの男の子と帽子を被った時代劇好きのボウシ君。

 

 にぎやかで楽しい夏休みになりそうだ。

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