僕の異世界夏やすみ。
ビートルズキン
第1話 ボクの異世界生活!
俺は仕事だけして家に帰ってしょうもない動画を見てできるだけ健康的な食事を心掛けて運動して読書して一日を終える。
老後は貯金で暮らし誰にも迷惑をかけず老衰で死ぬ。
恋人はおらず、友人もおらず、知人もどこか遠くへ行ってしまった。
話し相手すらいなかった。
寂しい人生だった。
金に追われ、仕事に追われ、贅沢らしい贅沢もできず、つまらない人生だった。
旅行の一回でもすればよかったなと後悔する。
望むなら子供になりたい。
駄菓子屋でたくさんお菓子を食べて女子供と仲良くなって、親友もできて、はしゃぎまわり、時間が経つのも忘れて、笑いあう。
そんな休み。
長い休み。
そうあの「夏休み」のような日々をもう一度でいいから送りたい。
できることならあと一度でいい。
ファンタジーの世界へ行ってみたい。
そういって俺は静かに人生を終えた。
「—————生まれたわ」
私の視界に上半身裸の汗まみれのそこそこ綺麗な女性がいた。
彼女は俺に頬ずりする。
う、動けない。
泣きだす俺。
まるで赤ちゃんのようじゃないか。
ここはどこだ?
どこにでもあるような木造建築の家だった。
そうか。
俺は生まれ変わったのか。
男の子だった。
ちゃんと男の子であることを証明するモノはあった。
俺はすくすくと育ち、前世の記憶を活かし、学業も体力もずば抜けていた。
そして子供と言われるに十分な体力と学力、そして並外れた精力をもって俺は母が新たに子供を産み養生するために母親の元を離れることになった。
ちょうど夏休みを使って伯母の家に泊まることになったのである。
楽しみだなぁ。
俺は船に乗ってボーッとする。
幸い船酔いにはならなかった。
この世界にはスキルというものが存在するらしいが、俺は人並みより身長が大きく力も強くて手先が器用というスキルを手にしていた。
特に生活で困ることもなかった。
ただ学校が全校生徒俺だけだったのは意外だった。
だから俺が旅行に行くと言ったらおばあちゃんの先生はたいそう喜んだ。
そして俺の壮大な夏休みの生活が始まろうとしていたのだった。
————暑い日。
船を降りて真っ先に自分の元へと向かってきた妙齢の抜群のプロポーションをした女性が俺に駆け寄る。
俺のことを呼んで自分の胸元へと引き寄せる。
独特ないい匂いがした。
やわらかいなぁ。
茶髪で優しそうな瞳と声。
「まぁボクくん。こんなに大きくなってサヤおばさん嬉しいわ。遠いところからよく来たわね」
「うん!」
「さぁ私たちのおうちに行きましょう」そう言って手を引くおばちゃんの手はとても大きく優しいぬくもりだった。
薄着なせいかすごくヒップラインが目立っていた。
うぅん、やりたいイイケツ。
やりたいなぁ。
実はもう大人の階段を上っているのだが、それは内緒だ。
僕、もう子供をつくれるんですよ(キモドヤ顔)。
そして大きな大きな家にたどり着き、おばさんの子供と出会い、そこから物語は始まっていくのだ。
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