4話 お世話

夜桜くんと別れ、家の鍵を開けようとしたその時

後ろの方でドサッという音が聞こえ気になって音の方を見てみると夜桜くんが倒れていた。


「夜桜くん大丈夫!?」


そう声をかけながら私は夜桜くんの元へ向かう

様子を見るためおでこを触った。


「えっあっつい!」


おそらく40℃はあるかもしれない。


「と、とりあえず私の家に運んだ方がいいよね」


そう思って私は、夜桜くんをお姫様抱っこして持ち上げた。


「あ、あれ?軽い、夜桜くんこんなに軽かったんだ」


少し疑問に思いながらも私は自分の部屋に運んだだったのだ








「よいしょっと」


夜桜くんを私のベットの上に優しく置く。

それにしても夜桜くん軽かったな、男の子だからもう少し筋肉とか色々あるから重いって思ってたんだけどな、自分が思ってた以上に夜桜くんは軽かった。


「とりあえず、体温計と熱さまシート用意しなきゃ」


そうして、私はリビングにある体温計と熱さまシートを持ってきて夜桜くんの前に立つ


「うーん脇に入れていいかな…まぁ起きた時謝ればいいよね、うんそうしよう、」


体温計がピピッっと鳴り響く。計測が終わり私は体温計を覗く。そこには41.2℃と書いてあった。


「やっばいかも、42行ったらアウトだ…」


そう思い、私は急いで、おでこにシートを貼って、冷蔵庫にある保冷剤を数個とり、タオルを数枚持って向かった。そうして、私は夜桜くんの元につき首にタオルを巻いた保冷剤をつけ、脇にも同じように入れた。


「ふぅ、とりあえずはこれでいいかな…」


さて、どうしよう、ご飯作るにもいつ目覚めるか分からないし…うん、どうしようかな、

…………今こんなこと思うのはあんまり良くないのかもしれないけど、初めて見たな夜桜くんの寝顔、可愛い…ふふっ、写真撮りたいけど、流石にダメかな、でも、バレないよね大丈夫だよね、撮っちゃお、


そう思って私は、スマホを取りだし、パシャっと写真を撮った。


「んふっ可愛い…私より可愛いんじゃないかな」


それにしても、夜桜くんは私の事どう思ってるのかな、ただの友達みたいな感じなのかな…もっと頑張らなくちゃね…

色々堪能した事だし、そろそろ今日学習した数Aの復習でもしようかな。


私はそこから立ち去ろうとした。その時


「離れないで…行か…ないで……いやだ……」


そんな呟きが夜桜くんから出た。


「魘されてる……大丈夫、私はここから離れないよ、夜桜くんが目覚める時まで、私はずっとそばに居るからね」


そう私は呟き、夜桜くんの手を握る。何となく夜桜くんがほんの少しだけ笑顔になった気がした。


そうして私は手を握りながら一緒に意識を落とすのだった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る