3話目 違和感
カーテンの隙間から光が差し込み鳥の声を聞きながら
体を起こした。
「うぅ…朝か」
寝ぼけた頭を動かすために洗面台に行き顔を洗う。
「冷たいな…」
そんなことを考えながら簡単な朝食を作りに行く。
朝食は食パンに目玉焼きを乗せた簡単な朝食を作った
「いただきます」
なんでだろ…あんまり味を感じない…どうしてだ?味覚でもぶっ壊れたんか?分からない…まぁでも、無視して大丈夫かな…若干頭も痛いけど、まぁ平気かな…
学校に行く準備をしている最中に電話がなった。
画面を見てみると雨色さんからだった
『あ、おはよ!夜桜くん!』
「ん、おはよ雨色さん」
『今ってまだ家に居る?』
「全然いるよ」
『じゃあさ、一緒に学校行かない?昨日学校行く途中であったところでさ』
「ぜんぜんいいよ~一緒に行こう」
『ありがと!それじゃ待ってるね!』
「わかった」
約束したから、もう家出た方がいいのかな…遅れるよりかはいいよね、うん、よし、家出るか………なんか頭働かないな、寝ぼけてたりするんかな。
色々と考えながら家の鍵を持って、誰もいない家に向かって
「行ってきます」
と言って約束の場所へ向かった。
──────────────────────
家から出て数分、約束した場所まで来た。辺りを見渡すと雨色さんはいなかった。
「まだ、来てないのかな…まっとこ」
待つこと数分、バタバタと走る音が聞こえる。その音はどんどんこっちに向かってくる
「ごめん!遅れた…」
そう言ってきたのは、ハァハァと息を切らした雨色さんだった。
「全然大丈夫だよ今さっき来たばっかりだしね」
「それじゃあ行こっか」
─────────────
「ねぇ夜桜くん」
しばらく歩いていると雨色さんが僕を呼んだ
「ん、なに?」
「今日会った時に思ったんだけど少し顔色悪かったから大丈夫なのかなって」
「あー大丈夫だと思うよ……朝ちょっと頭痛かっただけだし平気だよ」
「そっか、体調悪かったら無理しないでね?」
「心配ありがと…」
「あと、良ければなんだけど帰りも一緒に帰らない?」
「いいよ、一緒に帰ろっか」
「ふふっありがと!」
──────────
無事に学校に着き自分達のクラスに向かった。
「輝空おはよ」
「ん、あぁ怜おは……」
「怜おまえ大丈夫か?」
「なにが?」
「いや、めっちゃ顔色が悪いからよ、平気なのか?」
「朝に頭痛かったぐらいだしな…別に今は悪くないし、そのこと雨色さんにも言われたよ笑笑」
「そ、そうか…今何も無いならまぁ良いのかもしれないが体調悪くなったら絶対に保健室行けよ??いいな?」
「わ、わかったよ」
でも、本当に今は大丈夫なんだよな、頭も痛くもないし元気だし、自分の頭は大丈夫って思っても体は耐えられなかったりしてるのかな…まぁ別に大丈夫っしょ
──────────
時間が流れお昼の時間となった
「ん〜やっとお昼だ、ねぇ輝空一緒に食べよ」
「いいぜ何処で食べる?今日俺は弁当あるが」
「僕も弁当だからここで食べようぜ」
「そだな」
各々お昼ご飯の準備をしていく。
「そんじゃいただきます」
そう言ってご飯を食べていく。ただ、何故か味があまり感じられない。このお弁当の中には昨日の残り物のやつを突っ込んだものを入れておりその中には、トマトやゴーヤなど酸味や苦味を感じられるものが多いのだが、それをあまり感じることが出来なかった。
そう自分が少し驚き手が止まっていると
「食べないのか?」
そう輝空が言ってきた
「あ、いや、食べるよ」
やっぱり食べていても分からない味が…どうしてだろう
わからないわからないわからない、さっきより悪化した。ゴーヤを食べてもさっきまで感じていた苦味が感じられない…どうにかして解決したいが今考えたところでどうしようも無いから明日病院にでも行こうかな…
そう考えながら黙々と味を感じられないご飯を食べていくのだった。
──────────
お昼が終わり授業の準備をしていると
「きっつ……」
お昼を食べ終わったあたりから頭痛が酷くなった。
痛いけど、今日1単位しかない授業があるから休む訳には行かないし、それさえ終わればすぐに帰れる。だからあとたったの50分耐えればいいだけ、がんばろ……
そう自分に言い聞かせ授業を受けていく。
だが、頭痛はどんどん酷くなっていく。
─────────────
50分を乗り越え授業が終わった。
「なぁ怜本当に大丈夫か?」
「あぁ、大丈夫だよ心配ありがとうな」
そういい、作って笑った。
チャイムがなり下校の時刻となった
「怜一緒に帰ろうぜ」
「ごめん…きょう…雨色さんと帰るから今日は帰れない」
「あ、まじ?りょーかいよ」
「すまんな」
「別にいいよ、また今度なじゃバイバイ」
「バイバイ」
そう言って輝空と教室で別れた。
頭痛は少しだけマシになっていた。
雨色さんを探していると、校門前にいる。と連絡が来た。
連絡が来たので、できる限り早歩きで校門前まで向かう。校門前まで行くと雨色さんがいた。
「ごめんおまたせ」
俺はそういい今を隠すように作って笑った
「全然大丈夫だよ!」
少し顔を赤くしながらそう返事をした。
雨色さんと共に帰路を辿っていく。その間いろいろな話をしながら楽しく帰っていた。
だがまた頭痛が酷くなってくる。今までよりも酷くなっていった。さらには、少しだけだが汗をかいている。
「────なんだよね〜」
「……夜桜くん?ねぇ大丈夫?」
「夜桜くん!」
少し頭がほわほわしている中で大きな声で呼ばれ意識がハットする。
「あっ!えっなに?」
「ねぇ…本当に大丈夫?少しぼーっとしてたけど」
「大丈夫だよ…へいき…」
「心配だよ…」
心配されながらも無事雨色さんの家まで着いた。
「私ここだからそれじゃあね、気をつけてね」
「うん、ありがとじゃあねバイバイ」
「バイバイ」
そういいそこを離れるが…少しふらついてしまい、ドサッとその場に倒れる。
「夜桜くん大丈夫!?」
そんな声が聞こえたが僕はそのまま意識を失うのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます