第二節-青楓の家(中)逃亡中のスコル


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 約一時間後。


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「ふぅ!ふぅ!」


 息を切らしながら、私は一片の森にたどり着いた。

おそらく八卦山の中だろうか?

私は香楠に寄りかかる。(香楠はクスノキの一種です。)


 ここまで逃げてくれば大丈夫だろう?


 香楠のそばにへたり込んだ。

今回の逃亡でほとんど体力を使い果たしてしまった。


「ぐうぐう!」


 腹まで抗議し始めた。

まったく、なぜ私も植物の一員なのに葉緑素を持っていないのか?

背後の香楠を一瞥する。


「私も食べなきゃならないんだ、文句言わないでくれ、無名の香楠よ。」


 香楠に近づき、残ったわずかな力で髪を細い茎に特化させ、香楠の枝に巻きつけ、細茎の吸器を香楠の体内にしっかりと挿入する。


「いただきます。」


 温かい感覚が細茎を通じて体内に伝わり、心地よく満たされていく。


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 数分後。


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「ふぅ、やっと満腹だ、ありがとう、無名の香楠よ。」


 大いに貢献してくれたその香楠を叩き、巻きつけた細茎を元の指に戻して香楠を解放する。

解放したとき、香楠が一瞬震えたように感じたが、きっと気のせいだろう。


 しかし、本当は霊化植物の体液を直接吸収したい。

霊化植物の方が美味しく、提供されるエネルギーも多いからだ。


 でも、実際に吸ったら植物たちに避けられることになる。

そうなるのを避けるためには自制が必要だ。

みんながメコや緋のようではないのだから。


 それに、そうなったらメコに追いかけられて天涯まで逃げることになる。

考えるだけで恐ろしい。


 だから普段、食べたいときは緊急医療用の『冷蔵植物献液』を飲んでいるが、一袋がかなり高価だ。

幸い、梅可には安く手に入れる方法があります。そうでなければ破産してしまいます。


 さて、今回の逃亡はどれくらいの間になるだろうか?

前回は確か十日ほどだったか?

森の中をゆっくりと歩きながら、この重要な問題について考える。


 思案に耽っていると、人間の丸い偵察機が目の前に転がってきた。

カメラが赤く光り、ビープ音がうるさい。さらに苛立ちが募る。

私は細茎を特化して偵察機を掴み、一方の石の鋭い部分に力強く叩きつけた。


 もうどうでもいい、外に出て遊びながらこれらの奇妙な機械を調査することにしよう。


 どうせ前回、溪頭に逃げたときは、ついでに竹山の台湾山茶からいくつかの茶葉を買って帰った。

メコは私が十日間消えていたことを忘れたかのように、嬉しそうにお茶を淹れていた。

茶葉の方が私より重要なのか…まあいいや。


 いつも見ている旅行雑誌を取り出し、表紙には月光に照らされた湖が輝いている。

雑誌の最初のページを開くと、そこには地図があり、中心に「日月潭」という名前が特別に記されていた。


 ここから往復で約二週間かかるらしい。

時間も程よく、まだ行ったことがない。


 紹介文を見ると楽しそうだ。では日月潭に行ってみよう。

たとえ急に帰らなければならなくなっても、あちらには地形を無視して移動できる元素車がに乗ることができます。

ただし、多くの元素幣を消費しますが。


 地図には彰化から行くには二つの道があり、どちらもまず草屯を通ると書いてある。


 以前、溪頭に行ったときに草屯を通ったが、アナは元気だろうか?


 とにかく、まず草屯へ向かいましょう。そうすれば、日が沈む前に到着できる。


 少なくとも午後前には芬園に到着して、さもなければ、暗闇の中を進まなければならないかもしれません。


「そうだ、君を忘れるところだった。」


 先ほど壊した人間の偵察機を見て、私はため息をつき、それを掃除するのにも時間がかかります。


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 数時間後。


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 前方に広がる草原を見渡し、ついに八卦山区を離れた。

ここは芬園の近くだろう。

今、烏溪に沿って上流へ進めば草屯にたどり着けるはずだ。


 ただ、まずは烏溪を見つけなければならない。

この方向だったはずです。


 ん?さっき向こうで微かなピンクの光が見えた気がするが、見間違いだろうか?

しかし、どうやら烏溪のあたりのようだ。

では、見に行こう。


 烏溪の方向に向かって歩き出す。何が待っているのだろう?

少し興奮してきた。

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