玄徳、盧植の救援に向かう
龔景による軍の慰労を終えると、鄒靖は帰還しようとしておりました、そこへ玄徳「最近、中郎将の盧植が賊首張角と広宗で戦っているとの知らせがありました。私はかつて盧植に師事したことがあり、彼を助けに行きたいと思います」と願い出たのであります。
旧師弟の絆は固く、玄徳、盧植の救援に馳せ参じたいとは立派ではないですか。
そこで鄒靖は快諾し、自らは軍を引き連れて帰還、玄徳は関羽、張飛とともに、私兵五百人を率いて広宗へと向かったのであります。広宗は冀州の中央、現在玄徳たちのいる青州から真西に百キロほど、涿県からは南に三百キロに位置しております。
道中、張飛は不満気でありました。
「なあ兄者、俺はもう少し酒が飲めると思ったんだけどな」
玄徳、振り返りもせずに馬を進めながらなだめます。
「ずっと城を囲まれていたんだ。食料もほとんどない状態で我慢していたのだから仕方ないだろう」
関羽もそれには同意しているものの、もうわずかの気遣いを望んでおりました。
「それにしても一晩ぐらいは休ませていただきたかったですね。鄒靖殿も疲れておみえだろうに」
先の賊との初戦後、帰還して翌日には青州に向け出発し、到着しますと息をつく間もなく再び会戦。救援の任務を果たしましたが、休む間もなく今は広宗へ向かっております。
それもこれも桃園結義から劉焉の元へ行くまで、のんびりし過ぎていたからではないかと、私めは考えますが皆さまいかがでしょうか。
そうこう言っておりますうちに、広宗は盧植の軍陣へ到着。玄徳は帳幕に入り礼を尽くし「微力ながら手助けに来ました」と来訪の目的を述べたのであります。
これを大いに喜んだ盧植、玄徳らを帳幕前に留まらせ、各地の戦況を収集するのであります。
あぁ玄徳たち、ここで少しは休むことができるのでありましょうか。
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