一刀両断
程遠志は激怒し、副将鄧茂を出陣させます。
張飛、八節ある蛇矛を真っ直ぐに構え、手を上げるや否や、鄧茂の心臓の辺りを射止めたのでございます。
鄧茂、もんどりうって馬上から転落いたしました。
その光景を目の当たりにした程遠志、馬を操り剣を振るい上げ張飛に真っ直ぐ迫っていったのでした。
それに対し雲長、青龍偃月刀を振るい馬を駆って迎え撃ちました。
程遠志、怒りから張飛しか見えてなかったか、雲長に突然遮られ驚き表情一変、まさに「あっ」という間、対処する間もなく、雲長の刀が振り上がった瞬間、無惨にも程遠志の身体は二つに斬り裂かれてしまったのであります。
後人は二人を讃える詩を詠んでおります
「英雄が才能を発揮するのは今日、この矛を試し、この刀を試す。
初陣からその力強い威力を遺憾なく発揮し、非常に優れた戦闘ぶりで見事に名声を轟かせた。」
ここに三国志の物語を彩る一騎打ちが幕を開けたのでございますが、しかししかし、大半の一騎打ちは正史には書かれておりません。後世の人々が物語を盛り上げるために各所に盛り込んだものと推測されます。
やはりここは黄巾賊の陣立が整わないうちに、張飛がいち早く飛び出して先頭を切り崩し、それに気づいた鄧茂が出てきたが、あっさりと斬られ、後に続いた関羽が程遠志を斬ったのではないでしょうか。
黄巾賊5万というのは大げさでありましょうが、過大が敗れるは三国志の常。確かに賊側が少ない玄徳側を見くびっていたかもしれません。しかもすでに程遠志、鄧茂ともに幾戦で功績を上げ、腕に自信があったことも確かか。名もなき対手を軽視し、そこに隙が生じたのでありましょう。
さらに程遠志、その衝撃的な場面に動揺、兵力の多さという優位性をすっかり忘れてしまい、単身立ち向かうも関羽の一刀のともに落命したのであります。
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