張角、兵を挙げる

張角は自らの反乱が露見したことを知ると夜を徹して兵を挙げます。

そして自らを「天公将軍」と称し、弟の張寶を「地公将軍」、もう一人の弟張梁を「人公将軍」と任じます。


そして彼は多くの民衆の前で、「今こそ漢の運命が終わり、大聖人が出る時である。皆も天意に従い、太平の世を開かねばならない」と言い渡します。


呼びかけに応じて各方面から目印である黄巾に身を包んだ民衆が、張角に従い反乱に加わりますが、その数なんと四・五十万人にも上ったと伝えられています。まさに賊勢浩大、官軍はその勢いに怯えたことでしょう。


「これは一大事、早く天子に奏上しなくては!」

何進の妹は霊帝の皇后ですから、すぐさま謁見すると「陛下、張角の賊兵が四方から押し寄せてきている。早く詔を下して、各地に備えを命じさせないと!」と、まるで家の中が火事になったかのように必死に訴えかけたのだとか。

霊帝は危機感を覚え、大将軍の何進に火速で詔を下し、各地で備えと討伐の準備を命じました。


霊帝もさぞ焦っただろうと想像できますね。「何進義兄さん、落ち着いて説明して!」と、まずは冷静になってほしかったでしょうが、何進は「いや、もう待ってられん!後宮で商人ごっことかしてるからこんなことになるんだ」と詔を急がせたんでしょう。まるで突っ走る暴走車のようですね。これは帝も、これまでの義兄とは違う雰囲気に危機感を覚えずにはおれません。


備えと討伐の準備を命じる詔が各地に届けられ、一斉に軍勢が動員されることになりました。

さあさあ、いよいよ盧植、皇甫嵩、朱雋といった中郎将たちが、それぞれ精兵を率いて三方向から張角の軍勢を討伐に向かうのです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る