中涓の乱れ

さて皆さま、今日は天下の大勢について、お話をさせていただきます。


天下の大勢というものは、まことに不思議なものでございます。

長く分かれていれば必ず合し、長く合していれば必ず分かれるのです。


かつては、周の末期、七国が分かれて争い合っておりましたが、やがて秦に併合されてしまいました。

そして、秦が滅んだ後は、楚と漢が分かれて争い、再び漢に併合されるという具合です。

そして、漢朝においては、高祖が白蛇を斬って義を起こし、天下を統一したのでありました。


ところが、後に光武帝が中興を成し遂げはしたものの、遂に三国に分かれてしまったのです。


この混乱の原因は、おそらく桓帝と霊帝の二帝に始まるものと思われます。

桓帝は、善良な人々を禁錮し、宦官を重んじたのであります。

そして、桓帝が崩御した際、霊帝が即位しましたが、大将軍の竇武と太傅の陳蕃が補佐したのです。


ところが、時に宦官の曹節らが権力を握りはじめ、竇武と陳蕃はそれらを誅殺しようと謀りましたが、計画が密かでなく、逆に被害を被ってしまったのであります。

以後、政治の混乱はますます横行していくことになったのでございます。


まことに、天下の大勢は移り変わりの激しいものだと言えましょう。

分かれては合し、合しては分かれる。その繰り返しが、まさに歴史の流れなのかもしれません。

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