第53話 幹部
早くもというか。
ひたすらめんどくさかったダンジョンアタックも終わり。
このボスをやると、邪教幹部が待つアジト。
扉の向こうにいるのは
「
「おい、オーガキングだぞ。これもザコか。なんてことだ。なんで死ぬんだよ」
「なんでオーガに同情しているんだ」
「ここまで蹂躙すると可哀想になってくる」
「さあ幹部だ。
扉をあけ放って一発かました。
だが5人いる幹部は誰も死んでない。
鼻血を出しているから、ダメージはあったんだろうな。
「今度はこちらの番だ。
「
「くっ、なかなかやるな。だがわし達の魔力は無限だいつまで耐えられるかな」
ああ、幹部達はダンジョンコアと魔力的に繋がっている。
ダンジョンに寄生しているのか。
幹部とダンジョンコアの繋がりが絶たれた。
「
幹部達はあっけなく死んだ。
さっき
それで高濃度の魔力中毒死を回避した。
分かれば簡単だ。
ダンジョンコアを取らないと言ったが気が変わった。
まだ新たな幹部が生まれるのは困る。
「これで終わったのか?」
「いや始まりだ。クロフォードは領を立ち直らせないといけない。今の男爵は穏便に行って、隠居だろうな」
「父上には隠居してもらってなんとか王や諸侯を説得するよ」
「これを持っていけ」
俺はダンジョンコアを手渡した。
「これはダンジョンコア。いいのか」
「ああ。俺には要らない」
「助かるよ」
儲かったが、ひたすらめんどくさい。
それとこれから後始末が待っている。
俺はやらんぞ。
やっても、
あと兵士達の強化な。
カリーナにお土産を買っていかないと。
難題だ。
オーガなら腐るほどあるが、オーガ革がいくら高級品だといっても、駄目なんじゃないか。
「どう思う?」
「なんです親分?」
「オーガの革でお土産を作るのはどうかなと?」
「財布とかなら良いですが。女の子だとピンクとか白ですぜ。どす黒い赤はちょっと引かれますぜ」
白いオーガはいなかったな。
ましてピンクはいない。
いたら気持ち悪いから捨ててたかも知れん。
「染めればいいじゃん。だいたい染めているだろう」
「牛革は白ですぜ。そりゃ少し赤くすりゃピンクですが」
だいたい魔力の色がいけないんだ。
なんで黒なんだ。
赤いオーガの革を白く脱色できないかな。
これができずしてなんの最強か。
お土産ぐらい鼻歌まじりでなんとかするのが最強だろう。
俺はタフン領のポーション工房に行った。
「緊急だ。抽出魔法を教えてくれ」
「毒でも抽出するのかい」
「ええと皮が」
「皮がどうしたんだ」
「ここはあっしが。みての通りあっしは前科持ちでして」
ファントムが袖をまくって入れ墨を見せる。
「前科の入れ墨を消すような真似はできないね」
「あっしは今は心を入れ替えて真っ当にくらしてまさぁ。それで結婚しても良いという女性が現れまして。だがこの入れ墨が邪魔をするんでさぁ」
「話は分かった。その人に抽出魔法を教えるだけだよ。いいかい一度だけ見せるよ。
薬草から、薬効が分離された。
「ありがとう。これで従者を結婚させられます」
良い話に収まったな。
しっかり抽出を見た。
簡単だった。
魔力を抽出したい物質と結び合わせて分離するだけ。
魔力ってどんな物質にも化合してしまうのか。
もっとも試しにやってくれた人は魔力を全て使いきったみたいだ。
燃費の悪い魔法なんだな。
街の外に出てオーガの死骸を前にして、
色素を抽出した。
白くなるオーガの死骸。
後はこれを加工してもらうだけだ。
革製品の工房に持ち込む。
「特急で女物の財布を仕立ててくれ」
「革がだいぶ余りますが」
「残りは買い取ってくれ」
「いいんですか。白いオーガの革はかなり貴重だと思いますよ」
こんなのいくらでも量産できる。
材料は腐るほどあるし。
「構わん。嫌なら別の工房に持ち込む」
「嫌だなんて、後で革を返してくれとは言いませんよね」
「めんどくさいな。一筆書いてやる」
「財布は1日で仕上げます。なに、スキルを使えばチョロいです。予約した客なんか忘れました」
「うんうん。いいぞ。それで頼む」
オーガの半分は色を抜いて売ろうか。
そうしたら更に金が儲かりそうだ。
お金だいしゅきだからな。
邸宅は買ったし、今度は鉱山の権利でも買おう。
でも金貨10万枚ぐらいは必要か。
今回のオーガの死骸を全て市場に流せば楽勝だが、一度に流すと価値が下がる。
難しいところだ。
あー、需要ならある。
クロフォードに売りつければ良い。
兵士をスキルで強化したら装備も欲しいよな。
お代は、モンスターでも狩って払って貰おう。
良い感じだ。
明日、話してみよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます