第39話 爆発の呪い
今日も、分身ナンバー1からナンバー3は活動中。
襲撃はナンバー2に集中してる。
街の外だと狙いやすいのかな。
いい加減、影武者だと気づけよと思わないでもない。
いいや気づいているのかな。
分身は魔力結晶で出来ているので
ナンバー1は魔法学園なので、襲撃されても
ナンバー3も街の中なので同じだ。
本体がいる邸宅に足を踏み込んだ者はもれなく死ぬ。
噂ではファントムがやっていることになっている。
ファントム=俺みたいな感じだから、あながち間違ってはいない。
仮面の従者のファントムは人殺しはしない主義だと分かりそうなものだけど。
とにかく、本体が街を歩いても攻撃されないのは良い事だ。
グラビアがどうなったか見に行くか。
まずは馬車からだ。
「いらっしゃい。馬車の製作なら3年先まで一杯です。国王様の紹介状でもどうにもなりません」
「見学だけだから」
「そういうことなら」
見せてもらった馬車には小さく裸婦のシルエットのプレートが取り付けられていた。
グラビアの証だ。
「見て下さい。通常この馬車だと2頭立てですが。重力軽減魔道具のおかげで、1頭で楽々引っ張れます。乗ってみて下さい」
馬車に乗ると馬車は軽やかに動き始めた。
うん、乗り心地とかは普通だな。
サスペンションがあると良いかもな。
板ばねは入っているようだけど。
魔道具でサスペンションは難しい。
そうだフワフワ結界。
あれでサスペンションを作れば。
ええと馬車だと掛かる重さが人の体重の比ではない。
やるとしたらかなり高出力のが要るな。
おまけに魔法の威力アップアイテムでもある。
敵国なら喉から手が出るほど欲しいだろう。
俺に敵対している貴族も同様か。
エリクサーと魔法の威力アップに使えない
敵が使うと自爆する機能なんかがあるとなお良い。
馬車屋から出て鞄屋に向かっていたら、目つきが行っちゃってる子供が俺に向かって駆けて来た。
武器は持ってなさそうだ。
むっ、子供の中に呪いがある。
解析してから解除。
「ファントム、構わん」
どうなるか見てみたかったので、片手を出してファントムを制止する。
子供は俺に抱き付いた。
「あれっ、爆発しない。天国に行けない。うわーん」
「反吐が出るな」
子供を引きはがし、その場を後にする。
子供はたぶん人間爆弾だったのだろう。
古代魔法王国の札を使ったのかな。
量産しているとは思いたくない。
爆発の呪いは有効活用するよ。
それが意趣返しだ。
「いらっしゃい。グラビアなら売り切れです」
鞄屋も盛況だった。
「見本はあるか。見てみたい」
「ございます。あるなら売れとは言わないですよね。予約して頂ければ一週間後にはお届けできます」
「見本を見てからだな」
裸婦のシルエットのプレートが付いた鞄を持つ。
鉄の塊を入れられたが軽い。
収納魔法があるから、そんなには流行らないだろうけど、収納魔法ができない人は多いんだよな。
カリーナへのプレゼントにひとつ予約する。
さて、ゴブリンで爆発の呪いを試そう。
街の外に出てゴブリンを探す。
いたのでさっそく、爆発の呪いを掛ける。
魔力結晶に包まれていても、爆発に巻き込まれると嫌なのでちょっと逃げる。
そしてゴブリンが爆発した。
緑色の血が飛び散って肉も骨もバラバラだ。
むごいな。
「これがさっきの子供に仕掛けられていた奴ですかい?」
「まあな。こういうのを子供に平気で使う奴は皆殺しにしたくなる」
爆発の呪いの札がもうないことを祈る。
そうそう、呪いのレジスト方法が分かった。
魔力の循環が早いと呪いは弾き飛ばされる。
何だ俺は掛からないじゃないかと思った。
痒みの札で俺に試したら効果がなくってなんでかなと思ったら、循環が邪魔をしてた。
循環をやめたら掛かったから間違いないだろう。
もっとも即死じゃなきゃ問題ない。
呪いの解除も慣れた。
ふと思った。
魔力さえあれば呪いは継続するんだよな。
そして投げた。
しばらくして大音響とともに爆発した。
前世の手りゅう弾より威力があるな。
「爆風が来ましたぜ」
「ああ、凄い爆発だな。屋敷を吹き飛ばせるかもな」
「ああ、おっかない。あっしは触りたくない」
「俺も使う場所は選ぶさ」
使える技なのか?。
魔力が大きいとそのぶん威力が増すらしい。
だが、殺すなら
使い所が限られる。
でも
魔力結晶に
凄い爆発になると思うから。
街の一区画ぐらい吹き飛んでも驚かない。
表に出していい技。
だな。
表に出さないのは。
だな。
呪いは。
だな。
呪いを見てみると古代魔法王国も物騒だったのだな。
伝わっている呪いの魔力回路が
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