第11話 プリンク戦
何回か防衛戦をして、ついにプリンクと当たった。
「俺が勝つ。魔欠者などには負けない」
「もう既に魔法が使えるんだが」
「トリックがあるに違いない。魔道具を使っているのだろう」
「それでも違反じゃない」
「魔道具使いは、魔法が上手く使えない子供までだ。おしめが取れていないのと変わりない」
「そういう奴に負けたら屈辱だな」
「負けるものか対策は練った」
「両者会話はほどほどに。ではよろしいか。両者構えて、始め!」
「
「
「
「
「どうした当たらないぞ。ノーコンは治ったのだな」
「くそっ、馬鹿にしやがって。
「
火炎竜巻は消した。
「だが、
プリンクのズボンの裾から魔力を持った何かがぬかるみの中を進む。
まずは魔力を一当て。
それは爆発した。
ああ、動く地雷魔道具ね。
「魔道具使いはおむつが取れてないんじゃなかったか」
「くそっ、何で分かった」
「何でだろうな」
地雷魔道具を破壊しながら進んで、スタンガン魔道具を結界に突きつけた。
結界は粉々になった。
実際は魔力の流れで壊しているけど、それは言わないお約束。
「ひいっ」
スタンガン魔道具を起動する。
気絶するプリンク。
俺はプリンクの頭を蹴った。
「起きろ」
「はひっ」
スタンガンっとやって、蹴りで起こす。
「ぐひっ、やめて」
スタンガンっとやって、蹴りで起こす。
「ぐがっ、なぶるつもりか」
「ああ、このダメージを肩代わりする結界は、怪我は負わないが痛みはあるからな」
スタンガンっとやって、蹴りで起こす。
「ぐがっ、お願いやめて」
「俺の願いを聞いてくれたことがあったか」
スタンガン、蹴り。
「痛い、頭が割れる」
ダメージの蓄積でプリンクが石舞台から弾き出されるまでスタンガン、蹴りを続けた。
終わった後のプリンクは怯えて、肉食獣に睨まれた小鹿のように震えてた。
少し気が晴れた。
「ダメージ蓄積により、ライドの勝ちとする」
今日の10回戦を終え、街に出た。
バッタ屋の様子は変わりない。
乱雑さがトレードマークだ。
「いらっしゃい」
「スタンガン魔道具は実に役に立っている」
「そうですか」
「今日は解毒の魔道具を探しに来た。どんな毒も解毒する奴だ」
「欠陥商品でもいいですかい」
「どんな欠陥だ」
「起動し続けると魔力切れで死にます」
何だ魔力が切れなきゃ良いだけか。
問題ないな。
「それで別に良い」
「魔力が普通の解毒魔法の100倍食います」
「構わない」
「よろしいので」
「ああ、良いと言っている」
「一応他の機能もついています。身体強化と回復と解毒が切り替えられます」
「素晴らしい」
掘り出し物だ。
大銀貨1枚で素晴らしい物が手に入った。
目に見える効果の身体強化をやってみる。
つまみを身体強化に合わせて、魔道具を起動。
魔力がぐんぐん吸われているのが分かる。
走るスピードはもうレーシングカー並みだ。
背景が線みたいに流れていく。
なんでこんなピーキーな魔道具を作ったんだろうな。
暗殺者とかが10秒間だけ超加速とかやって使うのかな。
相打ち覚悟なら使えるか。
もっとも俺はこれを使い過ぎても死なないが。
まさに俺のためにあるような魔道具だ。
寮に着いてくつろいでいると荒い息が聞こえた。
「ファントム、だらしないぞ。ちょっと走っただけだろう」
「
「もっと、鍛えろよ。俺も今日から走る。もちろんずるはなしでだ」
「へい、お付き合い致しやす」
王都一周ジョギングを日課とすることにした。
素の筋力が上がればあの魔道具の威力も上がるからな。
一周を終えて立ち止まるとファントムがタオルと飲み物を持って現れた。
こいつ意外に気が利くな。
タオルで汗を拭い、ジュースを飲む。
風呂に入って帰るか。
ファントムの案内で風呂屋に行く。
服を脱いで浴場に入ると、全裸の女性が待っていた。
へっ、そういうサービスありの風呂屋か。
ちょっと。
俺はやんわりと女性を断った。
カリーナは裏切れない。
「親分、お気に召しませんか」
「願を掛けているんだ」
もっともらしいことを言った。
「達人の武人みたいですぜ」
「こころは武人だ」
この風呂屋の地図をプリンクのベッドサイドに置いておくようにファントムに行った。
プリンクがやらかせば株が下がる。
俺の株は上がる。
プリンクよ良い夢見ろよ、結末は悪夢になるだろうけど。
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