第10話 防衛戦
さあ、俺の第二試合。
相手はもちろんゲイリック王子。
「悪いが勝たせてもらうよ。初見殺しには引っ掛からない」
「こちらこそ悪いが負けられない。そういう
「ではよろしいか。両者構えて、始め!」
ゲイリック王子の武器は剣。
剣に魔力のオーラがある。
「
「
効くけど、効かないことにする。
そっちの方が面白い。
「
くっ、魔法を曲げてきた。
俺は逃げられるだけ逃げた。
追尾がしつこい。
もういっそ食らってやるか。
最初に覚えた技。
これを使えばほとんどノーダメージだ。
ただ体で受けると服が焼ける。
それは勘弁。
スタンガン魔道具を突き出して火球を消す。
こうなれば後は近づくだけだ。
火球を撃たれるが問題なく消しながら近づく。
結界もスタンガン魔道具で消すふりをして壊した。
最後は剣で斬り掛かって来たがヌルヌルとかわし、スタンガン起動。
王子は気絶して、崩れるように倒れた。
「ゲイリック、戦闘継続可能か? 10、9、8、7、6、5、4、3、2、1。戦闘不能とみて、ライドの勝ちとする」
あーというため息が漏れる。
ライド素敵という歓声もいくつかある。
まあ、強い奴はもてる。
プリンクが歯ぎしりしてそうな目で睨んでいる。
お前、何で俺にライバル意識を持っているんだ。
まるで道化だな。
こいつとの対戦はコテンパンにしてやろう。
次の対戦はクロフォードだ。
ファントムによれば、女ったらしとのことだ。
ただ、何を考えているのか分からないとも。
ファントムの見立てでは実力は一番らしい。
元掏りの見立てだがどうなのかな。
俺にはいまひとつ分からん。
「女の子が見ているんで負けられない。悪いね。優雅に勝たせてもらう」
キャーという黄色い歓声が鳴りやまない。
「こっちも女が懸かっているんだ」
「へぇ、案外、僕達は似ているのかもね」
「だとしたら強敵だな」
何となくこいつが分かった気がする。
虐げられて育った匂いがする。
同族の匂いが。
「ではよろしいか。両者構えて、始め!」
「
「
光の薔薇が石舞台に咲き誇った。
「
魔力が薔薇の魔法を消して行く。
光の花びらが散る。
幻想的な光景だ。
「参ったね。降参するよ」
「降参により、ライドの勝ちとする」
「ところで、前の戦いで
「それね。動いているものは消しずらい」
「なるほどね。じゃあ、動いていたら体の方も
「魔法の動きより速く動ければね」
実際はそんなことはないが、弱点を作っておいた方が面白い。
クロフォードにとってこの戦いはそれほど意味がある物ではなかったようだ。
ぜんぜん悔しそうではない。
クロフォードの譲れない戦いはこの戦いではないようだ。
ファントムが調べてきた。
領域型か。
やっていることは魔法に魔力を注入して強引に散らすだけだけど。
秘匿魔法ってのは恰好良いからな。
ええと
いいね、こっちの方が格好いい。
「腹が減った。ファントム、何か買ってこい」
「へい。何でいるのが分かるんで?」
ファントムが姿を現した。
「分かるんだよ。空気の流れかな」
実際は魔力の流れだが。
「それで、剣とか魔法をよけるんですかい」
「まあな」
「達人みたいですが、スタンガンを突き出す仕草とか、歩く姿勢とかはそういう感じがありませんぜ。なんか種がある詐欺師みたいですぜ」
「ほっとけ」
「へい」
オリジナル魔法にするか。
ええと、
いいかも。
技を整理するか。
表に出せるのは。
だな。
これからはそれらを使う場面は
表に出せないのは。
だな。
ええと、
暗殺者がよく使う。
特に空気からの吸収と遠距離は不味い。
そういうのが王家の暗部とかに掴まれるとよろしくない。
警戒心や、いらん反感を買う恐れがある。
それは避けたい。
欲しいのは超遠距離攻撃。
それと物理攻撃。
近距離の恰好良いの。
こんなところだ。
学園にいる間に考えよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます