第8話 フィーバータイム
さてと、毎日学園は午後3時に終わるので、午後は少し暇だ。
「ファントム、モンスター退治をやるぞ」
「へい、お供しやす」
手ごろな依頼は何かな。
オークか。
俺のランクじゃ受けられない。
仕方ない。
勝手にオークを狩るか。
依頼金は受け取れないが素材の金は入ってくる。
少し安くなるが問題はない。
オークを見つけた。
「ファントム、なぶってやれ」
「へい、
「ぷぎぃ」
姿の見えないファントムに良いように斬られるオーク。
「ぷぎぃぃ!!」
やった、フィーバーが掛かったか。
これを待ってた。
オークの叫び声を聞いてオークが集団でやってきた。
「
やってくるオークが途切れない。
まあ、
「親分、この数は異常ですぜ」
「多い分には構わない」
「魔力切れしそうになったら言って下さい。親分を担いで逃げます」
「ほら、どんどんオークの死骸を収納しろ」
「へい、
「そろそろファントムの魔力がやばいか。
「親分、
「空気に触れているだろう。空気から吸収しているんだよ」
「さいですか。もう呆れのため息しか出てきませんぜ。親分は一国を相手に戦闘できるんでは」
「
「
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「
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「
2000ほどでスタンピードは終わった。
うおっ、金貨2000枚。
こういうフィーバーはまた来てほしい。
ギルドに帰ると大騒ぎだった。
「大変だ。オークのスタンピードだ。その数約2000」
「調査員は何をやってた」
「それが、オークは穴を掘って巣穴を作ったんですが、その巣穴が大洞窟と繋がりまして。その中にビッグバットの集団がいてオークはそれを食って大繁殖したみたいです」
「とにかく防衛ラインを引くぞ。急げ」
ええと、俺がスタンピードをやっちゃいましたって言ったらたぶんろくなことにならないような。
ここは知らんぷりかな。
ただ、毎日オークを1体ずつ持ってきたら、いくら鈍い職員でも疑うよな。
「ファントム、オークを売る時は仮面を被れ」
「へい」
「とりあえず冒険者登録だ」
「よござんす。ですが親分の功績にしないで良いんですかい」
「今は別に良い」
王都には仮面屋がある。
貴族が着ける用のだ。
仮面舞踏会用らしい。
怪人が着けそうな銀色の仮面を選択。
これで毎日金貨1枚が確定だ。
それが6年近く続く。
やったね。
お金だいしゅき。
ギルドの酒場で一人夕食を摂る。
俺に関係がありそうな噂話に聞き耳を立てる。
「おい、オークのスタンピードが消えたらしいな」
「おう、死骸も血痕すらないらしい」
「ドラゴンクラスのモンスターの仕業じゃないし。スライムの上位種って線が濃厚だが」
「粘液ぐらい残すだろう」
「謎だな」
「少し前にFランクダンジョンで魔法の試し撃ちしてた凄腕がいただろう」
「ああ、水魔法のな」
「そいつがやったりしてな」
「じゃあ、これから素材を売りに出すな。どいつが売るか観察しておこう」
「そうだな」
うん、やっぱりファントムが目立つ路線になりそうだ。
その方向に行って嬉しいよ。
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