第7話 実技
「皆さん、的に向かって魔法を放って下さい。失敗しても気にしなくて良いですよ。魔力タンクのライド君がいますから」
サマンサ先生がそう言った。
「はい、俺にできることですから」
「ライド君には実技でAを上げます」
「依怙贔屓だ」
「「「「そうだ! そうだ!」」」」
声を上げたのはプリンクとその取り巻き。
「だまらっしゃい。皆さんの成績が上がれば先生の成績が上がってお給料と評価が良くなります。これに貢献してくれる存在のライド君は神様です。プリンク君にみんなの成績を上げることができますか。できるのならおっしゃって下さい。効果が認められるのなら、Aを上げます」
「くっ」
「時間が惜しいですし、とっとと魔法を撃つ」
みんなが魔法を撃ち始めた。
俺はみんなの後ろで手を前に出して、
プリンクと取り巻きには意地悪して魔力を補充しないかと考えたがもっと良い事を考えた。
魔力を乱してやるのだ。
やってみたら効果てき面。
これをやられると、魔法が失敗したり明後日の方向に飛ぶ。
プリンクは盛んに首を捻ってた。
くっくっくっ、俺の手の平で踊れ。
的にされた恨みはこんなもんじゃ晴れない。
この技は
そっくりな魔法があるから問題ない。
ただし本家は接触しないと使えない。
それにレジストされることがある。
俺のは強引に魔力をぶち込むから、レジストはできない。
ドラゴンならレジストが可能かも知れないが。
「プリンク君とお友達は、居残りです。ライド君、申し訳ないですけど、放課後もお願いします」
「はい」
思いっ切り邪魔してやるよ。
ああ、愉快。
俺がいる限りプリンクの実技はFだな。
いい気味だ。
「おい、お前。俺達になんかしているだろう」
「はて何かな」
実技が終わり、プリンクが絡んできたが惚けた。
「何かなじゃない。そうでなければ説明が付かない」
「証拠を持って来いよ」
「くっ、覚えていろよ」
昼休みが終わって教室に戻ると俺の机が落書きされてた。
幼稚なことを。
消すのも怠いな。
何か良い手はないか。
塗るか。
俺は黒い塗料で机を塗った。
「先生、ライド君が机を改造してます」
プリンクがチクった。
「ライド君は良いのです。その代わり先生の実験に付き合って下さい。
「はい付き合います」
ふん、俺は特待生みたいなものなんだよ。
糞親父の評価は低いが、国の評価は高い。
入学式のあとに学園長からそう言われた。
オンリーワンなんだよ。
それに俺の魔力量は多い、今は普通の人の1万倍はある。
やったことはないが、他の人の魔力量を増やすこともできる。
他人の体の中で高速循環させればたぶんいける。
あとでファントムに試してみよう。
放課後、プリンク達の居残りを邪魔して、結果は散々にした。
先生はプリンク達に自主練しておくようにと言って帰った。
ええと、先生の実験に付き合わないと。
プリンク達の様子がおかしい。
俺が邪魔してないのにノーコンになってしまったのだ。
これはあれか、強制的に変なフォームで投げていたら、ノーコンピッチャーになってしまったという奴か。
ふん、スランプになって苦しむと良い。
先生の研究室にお邪魔した。
「さっそくやってみて下さい。
「
「ええと魔力が出て私の中に入ってますね。魔法を解除しても入った魔力は霧散しません。どういうイメージで魔法を発動してますか?」
「俺の魔力が他の人の物になって欲しいと念じてます」
「ええとそれでできたら苦労はしないですね。先生、分かりません。やはり特殊能力でしょうか。この魔法が使えるようになる前は魔欠者だったのですよね」
「はい」
「それが関係しているのかも。自分の魔力は現象に変換できない。なら出来るのは他人に使ってもらうこと。奉仕の心ですかね。聖女の如き心の持ち主でないと使えないのかも」
本家の
「そうですね」
本家の
精神攻撃かな。
精神に影響を与えるには化学物質が電気信号だ。
電気の可能性が高い。
微弱な電気で脳内を狂わせて殺す。
いや心臓かも。
心臓に電気ショックで殺す。
ただこの方法だと普通に電撃だな。
一言呟いたら死んでたとなっている。
やっぱり脳に電気かな。
「聞いてますか?」
「はい、サマンサ先生」
「なにか特別な訓練はしてましたか?」
正直に魔力操作とは言えない。
それらしいことを言うか。
「萎れた花に元気になれと手をかざしました」
「まあ、それは聖女らしい行動です」
「動物にもやったかも知れません。ただ野生動物は怪我していても逃げるんですよね」
「うんうん、そうですね。微笑ましい場面です」
ボロがでないようにこのぐらいで辞めておくか。
消したり抵抗したりしない流れに身を任せて受け流すのだ。
そうすると知られない。
プリンク達に
学園に来たのも無駄ではない。
技は着実に増えている。
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