第9話 魔術の炎と狐火の炎 後編2
魔塔に向かう当日の早朝、エレンディルの東大門のすぐ外の開けた場所にティアのクランメンバーは集まっていた。
ロッカもラギたちと共に最終的な荷物のチェックに余念が無い。
今回は大規模な調査となるため、攻略班がティアたちを含め5パーティー、サポートメンバーが10人ほどいる。
サポートは魔塔前でのキャンプ作成や武器防具の調整、炊き出し、簡易な治療などを行うメンバーとなる。攻略班は4〜8人構成のパーティーとなるため、総勢40人ほどの人間が集まっている。
クランマスターはサポートの数人と馬車と参加メンバーの確認をして忙しげにしている。サブマスターであるティアも各種ポーションや、緊急時にの為の簡易応急セット、ポーション作成用の備品など今回の参加メンバー全員に必要となるものを確認している。
ティアは珍しくロングコートにパンツ、腰には武器であり魔法触媒になる
ティアも完全武装なのだと、ロッカは久々の戦闘に緊張しつつも、愛用の武器である薙刀の手入れをしていた。とは言え、今回は屋内のダンジョンであるため、脇差にもにた小刀も準備している。
魔術のみでの戦闘はどうしても隙が多くなる上、心力や魔力といった魔法発動のエネルギーが切れると動けなくなるので、魔術師と言えども物理対処は必須なのである。
そもそもダンジョンなどに行くのにも体力は必要なので、必然的に身体は鍛えられるが、武器の手入れはやはり職人が必要だ。この街は様々な場所から人が集まるおかげで、多種多様な武器の手入れが出来る職人が多くて助かったと心から思っていた。
「ごめんなさい、おまたせ!
さあ、そこの馬車が私たち用よ。ラギたちに御者は任せて良いかしら?」
小走りにやって来たティアは荷物を馬車に運びながらラギに確認すると、快諾された。クランで馬車の御者を用意しても良かったのだが、ティアもラギも必要以上に他者が関わるのを忌避するので当然の判断だった。
冒険者の仕事は当たり前ながら生死が必ず関わる、気を許せる仲間でないと無駄な気配りなどで脳のリソースが割かれ事故に繋がりやすい。
それだけに冒険者は仲間を大事にするし、裏切りには非常に厳しい。一度でも仲間を裏切ったと言われた冒険者は二度と誰ともパーティーを組めなくなる位には。
今回は何度も組んだことがあり、その実力も申し分ない信頼できるラギのパーティーなので安心だ。
ダンジョンの異変が未知数だが、多少の事があっても全員で脱出出来るだろうとの算段はついている。
魔塔までは馬車で1日だが、このキャラバン状態だと着くのは明日の昼前後だろう。
実際にダンジョンに入るのはその翌日になるはずなので、周囲のモンスターには警戒しつつもまったりと進んでゆく。
ロッカはまだエレンディルに着いて間もないので、周りを興味深そうに見ていて、キラキラしている瞳が愛らしい。クリスと二人できゃっきゃしてる様子にラギとティアは頬を緩ませながら、平穏そのもの行程を楽しんでいた。
夕方には中継地点につき、馬車で円陣を組む。
中心では炊き出しメンバーが早速調理を始めていていい匂いがしている。
途中で獲物を狩ったのか、肉も豊富なようだ。魔術師は意外かもしれないが良く食べる。もちろん他の冒険者も良く食べるが、魔術師はどんなに細身でも魔術の使用にエネルギーを取られるため、特に戦闘の後は一般的な量の3倍は食べるので食料の確保は必須である。
効率良くエネルギーを取れるような簡易食糧などが開発され、冒険者の間では携帯必須となっているが、味はいまいちなためあまり人気はないが、背に腹は代えられないと苦渋の選択をしている。研究中には便利だとティアは意外と良く食べていたりするが、彼女曰く「慣れれば問題ない」だった。
むしろ、あまり量を食べることを好まないティアとしては好都合だったりするが、少数派だ。
特筆することもなく魔塔にたどり着き、留守居メンバーは馬車を活用してキャンプを建て始め、調査に向かう攻略メンバーは魔塔の入り口前に集合していた。
その先頭、魔塔の一番入り口に近い場所にクランマスターとティアはいた。
「改めて今回の調査目的と調査内容を説明したいと思うので、真面目に聞いて欲しい。
ギルドより各地のダンジョンで異変が起きている可能性があるとの発表があったのは皆も知っての通りだ。
そして、どんな異変が起きる可能性があるかは正直未知数だ。なので、少しでもおかしいと思ったことは報告して欲しい。
各パーティーには1人そのためのメンバーを一緒に連れて行って欲しい」
「それでは各パーティーの細かな役割分担については私の方から説明するわ。
あまり時間はないので聞き漏らしのないようにね」
ティアが各パーティーと個別に話しているとクランマスターはロッカとラギたちに近づいてきた。
「やあ、今回は協力助かるよ」
「いや、俺たちもちゃんと報酬をもらっている。気にするな」
「そうか、君たちはティアと一緒なので報告メンバーは居ないので安心して欲しい。
ティア自身が誰よりもこの魔塔には詳しいからね、じゃあよろしくお願いするよ」
そう言ってさっさと次へ行くクランマスターをロッカは怪訝そうに見ていた。
「のう、ラギ。ちと聞きたいことがあるんじゃが・・・」
「ん?どうした、改まって」
「今更でティアに聞いてなくての、ティアのクランはどのような目的のクランなんじゃ?
どう見ても冒険者には見えない者も多いように見えて」
「ははっ そんな事か、お安い御用だ。ティアの所属しているのは【深淵の探求者】というクランでな、もともとはダンジョンを研究している奴が設立したんだ。今のマスターは2代目で、ダンジョンを知るにはダンジョンに行く必要があるので、武力も求められる。奴はクラン内の武闘派トップでアレクって言う騎士職だ。
実力に関しては折り紙付きだが、【深淵の探求者】は戦える奴が少なくてな、アレクが必死になってティアを勧誘したんだ」
「ほほう、ティアを勧誘とは豪胆な奴じゃな!」
「私は高いわよ、と何度かお断りしたんだけどね」
苦笑したティアがいつの間にか帰ってきていた。
パーティーに割り当てられた備品をルクスやミリアムに渡しつつ、「新しい魔術の実験は大変なのよ」と答える。
「ラギは魔法を使わないけど、スキルの確認やらは人気のない場所でやるでしょう?
魔術はもっと危ないから、魔術的な防御や結界が組み込まれた施設が必要になるんだけど、個人でやろうと思うと中々面倒なのよね」
「つまり、クランの施設で好きに実験をさせることを条件にしたのじゃな?」
「正解。私を面倒ごとに巻き込むんだもの、個人では難しい報酬は必要でしょう?」
なるほど、ちゃっかりしてるなぁと納得する面々の中でラギだけは何とも言えない微妙な顔をしていた。
何故ならばラギは知っているのだ、報酬も条件もそれだけではないと・・・。
魔術書の積極的な入手や、優先読書の権利そして「よっぽどのこと」がない限りのクラン活動でのダンジョン攻略の不参加権だ。ダンジョン自体の研究はティアにも得るものがあるので、情報共有などに否やはないが彼女はとにかく束縛されるのを嫌うため、クランに所属しながらもいまだにほぼソロで活動している。
今回の調査は「よっぽど」のことなので、自ら率先して参加しているに過ぎない。
もっとも、クランメンバーではなく自身の友人たちと、だが。アレクは特に気にする様子もないのでいいかとラギは思考を放棄した。
ふとティアに視線を向けると、気付いたティアがニヤリと嗤ったのを見て、何も言わなくて良かったとラギは胸をなでおろすのだった。
日が落ちると共に調査を行う攻略メンバーは馬車を組み合わせた寝床でそれぞれ眠りにつく。寝ずの番はもちろん留守居のメンバーたちが交代で行う。
調査メンバーには万全の状態で明日ダンジョンに向かってもらわなければいけない。
ロッカとティア、ミリアムは一緒の馬車で横になっていた。
馬車があるのでちゃんと敷物もあり、屋根もあり、安心して眠れる。明日から3日はダンジョン内で安全を確保しながらの休憩になるので疲れは取っておかなければいけない。
とは言え、みんな武器は手の届くところにあり、何があっても臨戦態勢を取れるのは冒険者の常識だ。ロッカは暗い馬車の中、何故か焦燥感のような不安があり、中々寝付けないでいた。
『嫌な予感がする』それは
横で穏やかな寝息を立てているティアを見つめつつ、この新しい友人だけは守る決意をしてロッカもようやく眠りについた。
既知の場所が未知となるかもしれない、そんな不安と期待を押さえ込んで眠る冒険者たちを見守るのは月とひらりひらりと飛ぶ、蒼く透き通った一匹の蝶だけだった。
◇ ◇ ◇
翌朝も良く晴れて、いたので準備ができ次第順次出発していた。
ティアとロッカ、ラギたち5人も朝食を食べてから荷物の最終チェックをして早速出発する。担当エリアは中層に当たる18層~25層になるため、下層は最短ルートでさくさくと進んでいく。
進行は順調で特に問題もなく、お昼の休憩を取る頃には10層と11層をつなぐ階段のところまで来ていた。
「おし、しっかり水分は取っておけよー!」
「今日のお昼は美味しいお弁当だから、しっかり食べましょう。
夜からは簡易食メインになるからねぇ・・・」
ティアの一言にザルクとミリアムはあからさまにがっかりし、ルクスは「案外美味しいんっすけどねー」と苦笑していた。クリスは既にお弁当に夢中だった。
その姿を見てロッカもお弁当を食べ始めると、美味しかったようでスピードが上がる。
くすくすと笑いつつティアが話し始める。
「食べながらでいいんだけど、聞いてね。
まだここは下層だけど、15層からはモンスターが変わってくるので特に斥候のクリスは気を付けてね」
「はいはーい!ボクこのダンジョン初めてで、魔法生物が多いのは調べてきたんだけど特に気を付けた方がいい事ってなんですか?」
「うん、いい質問ね。
15層以降は飛行モンスターが増えるのと、魔力感知をするモンスターが増えるわ。
その代わり視界は狭いし、音の感知は低いので真後ろを通っても気づかれなかったりするので、不要な戦闘はできるだけ避けて体力や魔力はできるだけ温存したいの。
その中でも気を付けるべきは赤いスライムと飛ぶ目玉と呼ばれるアーリマンの2種よ。」
「のうティア、スライムがこんな高層ででるのか?」
「ええ、特殊な種類でね。モンスターを捕食するだけでなく、衝撃を感じると爆破するのよ・・・。
しかも貯め込んだ魔力を起爆剤にするから、下手な魔法よりも危険なの」
クリスとロッカは「「えげつ(ねぇ)ないの」」と嫌そうな顔をしている。
「アーリマンは魔法感知もだけど、目玉だけあって視界感知もそこそこ広いのよ。
しかも翼は飾りの魔法生物なので、羽ばたく音が聞こえないから、接敵されないように気を付けて。
その代わり、音には鈍いから回避はしやすいはずよ」
「了解!気を付けていくよ!」
「ここからはお前が頼みだからな、頼んだぞ!」
「はいっ!頑張りますっ!!」
休憩を終えた後も順調に進み、途中アーリマンに絡まれた事もあったが18層まで問題なく到着した。
魔塔の名の通り高い塔となっているため、そこかしこに窓のように外が見え、日が傾いて夕方になっているようだった。
ティアとラギは目くばせをして、今夜の休憩所の確保をするため階段を探すことにした。
「待って!前方に敵! ・・・あれはキマイラ?」
「正解だ、あの位置だと避けられねぇな」
「そうね、面倒だけど倒すしかないわね。あの色合いだと氷と風・・・?範囲攻撃が多い個体ね。
ラギ、悪いけどあいつを引き付けてね?」
「おうよ、俺の本分だ任せておけ!
ザルク、クリス、あいつに余所見はさせないぞ、いいな!
ルクス、ミリアム、サポート頼んだ。メイン火力は頼んだぞティア、ロッカ。」
各々「了解」や「任された」と短く返事をすると共に、ラギが思いっきり手に持っていた
同時にルクスが土の精霊でキマイラの動作を重くし、ミリアムは苦手だと言っていた能力向上の「祝福」をザルクとクリスに、ロッカが「守護の陣」をラギに展開する。
ティアは炎と風で攻撃をして、キマイラの逃げ道を塞いでいく。
怒りに吠えながらキマイラは抵抗するが、どうにもならないと悟ったのか一瞬動きを止めた。
「散会!!」
ティアの叫びと共にザルク、クリスは飛びのいたが、ラギは逆に飛びかかって行った!
「この馬鹿!!ロッカ!」
「
キマイラの周りに氷の棘がぐわっと広がりかけた所に、ロッカの炎の柱が直撃する。
「おわっ!!おい! 俺まで焼けるだろうが!!」
「散会だと言ってるのに飛びかかる方がいけないんでしょ?
これだから、このオーガは!!」
「なにおっ! この陰険メガネ!」
黒焦げとなったキマイラを他所に喧嘩を始めるティアとラギに苦笑しつつ、皆がほっと気を抜く。
やがてキマイラが消えて行き、複数のアイテムが残されていた。
ダンジョンのモンスターは討伐すると時間経過で消滅し、モンスターの核となっている魔核と共に稀にアイテムが残されることがあり、ドロップアイテムと呼ばれる。
「お、いいね~。リーダー、女史、キマイラのドロップの確認を頼む!」
「まあ!キマイラの鬣じゃない! 良い防具の素材よ、クリスやミリアムに使ってあげるといいわよ!」
「ん?いいのか?」
「ええ、今回はうちのクランの依頼だもの、ドロップは全部持って行って。
その代わり調査に必要だから、悪いけど魔核はちょうだいね?」
「構わないぜ? 俺たちにとっちゃその方が美味しい」
ほくほくでアイテムをしまい、進もうとしたところ前方奥から悲鳴が聞こえてきた。
「ティア」
緊張した表情のロッカに、困り顔で笑いかけるとラギたちも悲鳴が聞こえた方を向いて臨戦態勢を取っていた。
複数の悲鳴と共に曲がり角を抜けてきたのは4~5人の見た事のある、恐らくはクランメンバーの冒険者で、怪我も負っているようだ。
そして、その後には複数のモンスターが見える。アーリマンはいないが、蝙蝠型や犬型のモンスター更に奥には今倒したキマイラよりも大型なキマイラが続いていた。
モンスターを引き連れた、いわゆるモンスターキャラバンを引き連れてきたのである。
ティアとラギが対処を指示しようとした瞬間、クリスが「後ろ!!」と叫ぶ!
正面からのモンスターキャラバンと、後ろにも1体キマイラが向かってきていた。
「くそ、挟まれた!リーダー、この一本道じゃ逃げ場がない!!」
「ああ、くそ!!やるしかないか・・・」
負傷している冒険者に大量のモンスター、そして後ろにも強敵であるキマイラが2体。
どちらかであれば対処できるが、単純に人員が足りない。
迷っている時間はない、どうする?!と躊躇したティアに天啓をもたらしたのはロッカだった。
「ティア、10分だ。10分なら、妾が後ろの奴を止められる。
ただし、10分で妾の心力は切れるので、それまでに助けて欲しいのじゃ。」
「ラギ!」
「おう、任せとけ。いいか出し惜しみなしだ、俺たちで前方のデカブツをやる。
ティアは雑魚を頼んだぞ」
「ええ、ついでにあの足手まとい共も任せて」
分不相応に中層まで来たのであろうクランメンバーへの怒りは深い。
後で死ぬほど後悔させてやると心の中で罵りつつ、クランマスター含め複数の魔術通信を展開しつつ逃げてきているクランメンバーにバリアを張り、範囲殲滅魔法の展開を始める。
同時にロッカも詠唱が完了する。
「英霊たちよ我が名に応えよ。
我が名は
我が身は
ひふみよいつむななやこことお・・・ 令」
ロッカの姿が薄くなり、驚きに目を見開くティアにロッカは笑って言う。
「今の妾は半精神生命体なのじゃ。物理も魔法も妾には効かないが、長時間はもたないから。
よろしくの」
ロッカにばかり構っている事もできず、クランメンバーである冒険者を保護すると同時にキマイラの範囲魔法の前動作を確認し「ラギ!キマイラに寄って!」と叫びつつに展開の終わった魔法を発動する。
「イグニスレイン!」
広範囲に高熱の炎の雨が降りそそぎ、蝙蝠型や犬型のモンスターたちは悲鳴を上げながら焼け焦げて倒れて行く。
その間にラギは正面からキマイラの顔に
ミリアムは負傷したクランメンバーと共にパーティーメンバーを範囲ヒールで回復し、全体を支えていた。
ようやくモンスターキャラバンの対処が終わろうとした時、ロッカもまたギリギリの状態で耐えていた。
「くぅ・・・そろそろキツイの。
・・・・・・
炎に壁に囚われたキマイラは激しく暴れ、長くは持ちそうにない。ダメージもあまりないようだ。
これは無理かもしれないと思った時、炎の壁に体当たりして壁を崩したキマイラはその勢いでロッカへと飛びかかろうとする。
運悪く、ロッカも時間切れで生身に戻ると共に崩れるように座り込む。
悲鳴のようにロッカを呼ぶティアの叫びに、振り返り困ったように微笑むロッカへと凶刃が襲い掛かる。
ミリアムも悲鳴を上げ、ラギは間に合わなくとも、と走ってキマイラへ飛びかかる。
その一瞬、誰もが絶望しつつも、諦めず次の攻撃を繰り出そうとしたその時、静かな声が響いた。
『無敗の
ロッカの目の前に、ギリギリ、本当に瞬きほどの時差でクランマスターであるアレクが間に合ったのだった。
「ティア!」
マスターの一言で我に返ったティアは全力の魔法を叩き込み、ルクス・ザルクもラギと連携して攻撃する。
キマイラの中でも大型だったので多少時間はかかったものの、後は危なげなく倒せた。
ロッカはミリアムの治癒を受け、まだ顔色は悪いが魔力切れ、心力切れだとの事で怪我もなくて皆胸をなでおろした。
ティアに保護されていたクランメンバーはマスターに叱責され、クランマスターと共に来たパーティーメンバーは休息のための場所を確保に向かった。
大所帯となったが、その分見張りはいると負傷者と共にロッカやティアは休ませて貰った。
「ロッカ、危ない目に合わせてごめんなさい・・・」
「全く、いつまで謝っておるのじ。妾は無事だったではないか」
「でも・・・」
「でもじゃない、ティアがマスターに連絡してくれたんじゃろ?
何事もなかったのじゃ、気にするな」
「そうそう、気になるなら私も含めて女子会をしましょうよ?」
「いいのう!妾は甘いものが食べたいのじゃ!」
ミリアムと「楽しみー!」と笑いあうロッカの姿に本当にホッとしていた。
美味しい所に連れて行ってあげようと思いながら、眠りについた。
翌朝はそのまま全員でダンジョンから出た。
結局他のパーティーの調査結果を見ても特に異常はなく、ロッカが押さえていたキマイラは変異種ではあったが稀に確認はされていたので特に異常と判断できるものはなかった。
ラギたちも報酬は多めに支払われ、ほくほくとして解散した。
ティアもロッカと共に自宅に帰宅し、何はともあれ平和が一番だと二人で数日はのんびりすることを決めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます