【最終回】開店! 女性専用マッサージ店 ネックロン

 土曜日の今日はいよいよ、ネックロンの開店日。この日のためにやれる事は全てやってきたから、結果がどうなろうと後悔したりはしないわね。


まず、ビラ400枚は全て配り終えた。4人で100枚ずつ配った形だ。お母さんと絵満さんには、感謝してもしきれないわ。


もちろん、公式アカウントでの宣伝も忘れていない。私のつぶやきより絵里奈のほうが、いいね・コメント共に多かったのが少し悔しかった…。


これからは口コミの効果も見込めるわね。シンプルだけど侮れないはず!



 家を出た私と絵里奈は、水無瀬さんに借りた平屋に向かう。大学に住所変更申請をするのが面倒なので、互いに卒業するまで通う流れにした。


オープンは9時からだ。開店初日で気になるという事で、お母さんと絵満さんも平屋に来てくれる。やっぱり2人がいてくれると心強いわ。



 開店40分前の8時20分。平屋のリビングに4人集まる。


「満里奈。お母さんと絵満さんに指示してちょうだい」


「まずはマッサージベッド2台と折り畳みのパーテーションをここに運ばないといけないわ。お母さんと絵満さんは、そこの部屋にあるパーテーションをお願い」


「任せて」


マッサージベッド・パーテーション共に、ネットで購入した。ある程度はお母さんと絵満さんに負担してもらったけど、ほとんどは私の貯金で何とかした。


「絵里奈、私達はベッドを運ぶわよ」


「は~い」


ベッドは折り畳みじゃないので、2人体制でないとキツイ。あの子の協力が欠かせない。


……各マッサージベッドの間にパーテーションがセットされる。これで施術中のプライバシーは大丈夫。


「後は玄関からリビングまでの廊下に、待ってもらうための椅子を2脚置けば良いかしら。待たせる事はないと思うけど、念のため置いておくわ」


正直、多くの人が来るとは思っていない。それでも椅子なしで待たせるのはサービス業としてアウトだ。


「わたしと由紀奈さんは、開店中何をすれば良いかしら? 満里奈さん?」


「お客さんの案内をお願いします。スタンド看板を用意したとはいえ、ネックロンの外観は普通の平屋です。マッサージ店と思われない可能性があるので…」


スタンド看板は、後で私が運ぶから問題ない。


「わかったわ」


「今日の営業時間は、9時~15時の予定よ。反省会をしたいから早めに営業終了するわ」


「満里奈がそう決めたなら、お母さんは何も言わないわよ」


他に伝えたい事は…多分ないはず。


「頑張ろうね、お姉ちゃん!」


「そうね」

今までの成果をお客さんに見せるんだ!



 8時55分になり、私達4人は平屋の外に出る。すると既に2人のお客さんがいる。1人はお母さんとほぼ同年代の女性、もう1人は…。


「あら、来てくれて嬉しいわ」


「裏メニューが気になるから…」


以前私がビラ配りをしてた時、制服を着た女子高生が声をかけてきた事がある。あの時と違って今日は祝日なので、彼女は私服姿だ。


年下相手は想定してなかったけど、「ビラが欲しい」と言われたら渡すわよね。そんな事を言ってきたのはこの子だけなので、強く印象に残っていた。


「絵里奈、そちらの方は任せるわよ」


「りょうか~い!」


「お母さんと絵満さんは、うまくやるから安心しなさい」


「ありがとう」


私・絵里奈とお客さん2人は、一緒に店内に入る。



 リビングで靴を脱いでから、スリッパに履き替える。これはお客さんも同様だ。それからは廊下を通ってリビングに入る。


ここからはパーテーションで仕切られるから、絵里奈の事はわからない。あの子ならうまくやるでしょ。


「それじゃ、マッサージベッドに仰向けになってちょうだい」


「はい」

指示通りの体勢になる女の子。


「裏メニューの事はこれから教えるけど、他言無用よ」


「誰にも言っちゃいけないんですね。わかりました」


「裏メニューの内容は…、胸を責めて気持ち良くする事なの」


「胸を…?」


「そう、嫌なら遠慮なく言って。無理強いは絶対しないから」


この子はどうするかしら?


「あの…、店員さんは誰かに胸を責められた事あるんですか?」


料理人に“自分の作った料理食べた事ありますか?”と訊いてるようなものね。


「もちろんあるわよ。妹に何度も」


「気持ち良かったですか?」


「ええ。私は気持ち良かったわ」


「それじゃ…、やってみます!」


「わかったわ。気になる事があったら正直に言ってね」


「はい」


覚悟を聴いたので、私は女の子にノーブラになるように指示した。彼女は大人しく従って外した後、再び仰向けになる。これからマッサージを始めよう!



 Tシャツ越しに胸のを指で責められた女の子は、しばらくは無反応だったものの、「くすぐったくなってきました♪」と上機嫌で伝えてきた。


今はどうかというと…。


「はぁ…♡ はぁ…♡」


女の子は体をビクビクさせるようになってきた。吐息に嫌らしさが混ざってるわね。


「良かったら、次のステップに進むわよ?」


「お願いします…♡」


私は女の子のTシャツをめくり、舐めて刺激する。


「んっ~♡」


「大きい声を出すと、隣のお客さんに聴こえちゃうわよ?」


なんて言ったけど、隣からも嫌らしい声がそこそこ聞こえる。絵里奈も絶好調ね。


女の子は自分の手で口を塞ぎながら、私の責めを受け続けるのだった。



 「マッサージはこれで終わりよ。お疲れ様」


女の子は外したブラを付ける。感想を訊いておかないと。


「裏メニューはどうだったかしら?」


「最高です♡ またお願いします♡」


「わかったわ。それじゃ、カウンターで清算しましょう」


カウンターはリビングの端に設置してある。料金は時間に加え、私・絵里奈の独断で決まる。納得してもらえればそれで良いし、交渉にも左右される。


「あの…、このお店はバイトを募集してますか?」


「バイト?」

予想外の質問ね。考えてないわ…。


「はい。飲食店のバイトで“まかない無料”ってありますよね? だからバイトすれば、マッサージがタダになると思って…」


ハマってくれるのは嬉しいけど、今後の経営は未知数なのよね…。


「ごめんなさい、今のところはハッキリしないの。これからもっと多くのお客さんが来てくれれば募集すると思うわ」


「そうですか…」


「良かったら、君の名前と連絡先をこの紙に書いてくれる? バイトを募集する時は真っ先に声をかけるから」


「“蓮城れんじょうすみれ”って言います」

彼女は紙を渡す際に名乗ってきた。


「蓮城さんはまだ高校生だから、サービスしておくわ」

周りに聞かれないよう、小声で伝える。


「ありがとうございます」



 カウンターで清算してから、蓮城さんはリビングを出て行く。次の方はいるかしら? 私は渡り廊下に顔を出す。


…1人席に座って待っている方がいる。連続でマッサージできるとは思わなかった。


「次の方、お待たせしました。お入り下さい」



 そんな調子で、昼休みまでマッサージする私と絵里奈。概ね順調だけど、うまくいかないのはサービス業の宿命ね。


というのも、マッサージの出来に納得できなくて怒る人や、裏メニューの内容を聴いて逃げるように店を出る人がいたからだ。


万人受けはあり得ないとはいえ、少しショックね…。


時間はあっという間に昼になる。私達4人は平屋の一室で、絵満さんが作ってくれたお弁当を食べる。どうやら私達の家で作ったようで、カギはお母さんから借りたのね。


「思ったより、お客さん来てくれてるよね~」


「絵里奈もそう思った? 私もなのよ」

リピーターになってくれる事を祈るしかないわ。


「由紀奈さんが呼び込みをしてるおかげかも」


「そうだったんだ。お母さん、本当にありがとう」

全然気付かなかった…。


「あんた達の力になるって約束したからね。それよりも今後が大変じゃない? 満里奈と絵里奈がマッサージしてると、待ってるお客さんの対応が後回しになるから…」


「その事なんだけど、お客さんでバイトやりたいって人がいたの。その人がいれば、これからは大丈夫そう」


3人体制なら心配いらないと思う。


「…そのバイトやりたい人って、開店の時にいた子?」


「よくわかったねお母さん」

あのやり取りは、隣でマッサージ中の絵里奈も聴いてないはずなのに…。


「あんな若い子がマッサージ店に来るから、もしかしてと思ったの。満足そうな顔も印象的だったわ」


「そうだったんだ…」


「その子を採用するなら、もっと頑張らないといけないわね。満里奈・絵里奈」


「ええ(うん)!」



 昼休みが終わり、マッサージを再開させる。手が空く時間はあったものの、来てくれるお客さんのために誠心誠意頑張った。


そして…、営業時間が終わる15時になった。


「スタンド看板を家の中に戻すわね」

リビングにいる絵満さんが声をかけてきた。


お母さんはここにいない。きっと外にいると思う。


「お願いします、絵満さん」

私はマッサージベッドに腰かける。疲れた…。


「お姉ちゃん疲れた~」

絵里奈が隣に座ってきた。


「私もよ」


「お客さん、みんな嫌らしい声出してくれたね♡」


「ええ。気持ち良くなってくれたみたいで良かったわ」

裏メニューじゃなくても、そういう声を出す人がいたのは驚いた。


「そんな声を聴きまくったから、あたし限界♡」

そう言って絵里奈は私を押し倒し、共に責め始める。


……いつもより責めが激しい♡


「こら! まだ反省会とかやりたい事が…」


「別に良いじゃん♡ そんなのHしてからでも遅くないって♡」


「そうよ、後の事はお母さんと絵満さんに任せなさい」


いつの間にか、2人がリビングに戻っている。情けないところ見られてるわ…。


「お願いしても良いかしら?」

気持ち良すぎて頭が回らない♡


「ええ。絵満さん、まずはパーテーションと空いてるベッドを戻しましょうか」


「そうね。それから掃除機をかけないと…」



 こうして、営業初日は幕を閉じた。片付け中のお母さんと絵満さんに見られながら、私は絵里奈に責められ続ける。こんなのダメなのに、声が抑えられない♡


Hなマッサージをする店なんだから、肩の力を抜いたほうがリピーターは増えるかもしれないわね。そう、蓮城さんのように…。


私と絵里奈は、これからも気持ち良さのために頑張っていく。

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【完結】妹の裸が私の心をかき乱す あかせ @red_blanc

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