第2章13話 再会
私の目の前にいた人たちは全員、銀髪に青い瞳の五人の男女でした。その先頭には見慣れた姿。私は彼女に飛び込むように抱き着いた。会いたかった。
「カイラさん! アクイラさんが! アクイラさんが!」
「無礼者! 姫君に軽々しく振れるでない!」
私が抱き着くとカイラさんの左右にいた剣を持った男のエルフと槍を持った女のエルフが私にその武器の先を向けている。それでも私はカイラさんにアクイラさんのことを伝えたかった。
「よい、ナリア、ユウキ武器を下げてくれ。ルーナは私の仲間だ」
カイラさんがそう言ったら、両脇のエルフの人たちは武器を下げてくれました。
「して、何がったのだルーナ、アクイラは無事なのか?」
私はカイラさんに事の経緯を説明し終えると、カイラさんは私の頭を優しくなでてくれました。
「アクイラ救出の件だが、私も参加しょう。それで風の聖女ご一行はどうされる? 帰ってもいいぞ?」
「なっ!? あんな
レグルスさんはカイラさん相手でも態度を変えない。カイラさんはレグルスさんに対して動揺も嫌悪もせずにいつも通りのかっこいいカイラさんの姿で答える。
「そうだな、アクイラを助けることは私も望んだ事だからかな? お前たちもついてこい」
「御意」
双剣を持ったエルフのお兄さんがそういうと、他の三人もそれに従っていました。
「
レグルスさんは納得していない様子。そしてリーシャさんはレグルスさんに向かって話しかけます。
「レグルス殿、先ほど提案した協力申請だがなかったことにしてくれて構わん。貴様に払える依頼料はないのでな」
レグルスさんは睨みつけるようにリーシャさんを見ています。しかし、リーシャさんも一歩も引こうとしません。そんな中割って入るのは風の聖女様でした。
「森姫カイラ、ご協力感謝致します。貴女方がいれば私共こそ不要でしょう。しかし、集落の防衛は私一人に任せてぜひ、マーレアとレグルスを連れて行ってくださりますか?」
「あらあら」「なんで俺が!?」
マーレアさんの笑顔に対して、レグルスさんの表情は険しくなります。私たちもこの人と行動はとりたくなく、首を横に振ると聖女様は言いました。
「必要なことです。マーレア、特に貴女にとっては。レグルスも従いなさい」
風の聖女はそういうと、マーレアさんも珍しく不思議そうに頷き、レグルスさんも嫌々了承しておりました。
そしてカイラさんが全員の中心に立って話します。
「大所帯だな。討伐目標は
リーシャさんがカイラさんの前に立ち、話し始めます。
「では救出班は突撃のリーシャ、華の射手エリス、そして幻想の巫女ルーナ、それから…………セレナはどうする?」
「私もアクイラさん救出に行きます。逃げる際に約束しましたので」
「わかった。こちらは四名で行動する」
「では防衛班は私一人ですね、まあ問題ないでしょう風の聖女が引き受けます」
カイラさんとリーシャさんと風の聖女様が三人手を重ねます。
「それでは討伐および救出作戦を開始する!」
私たちは基本的に目的地は一緒の為、最初は全員同じ方向に向かいます。実際に現地に行ったマーレアさんと私とセレナちゃんの三人を先頭にしてみんながついていきます。
セレナちゃんの感知魔法のおかげで魔獣との戦闘は極力避けて進めています。そしてアクイラさんを置いていくことになった遺跡までたどり着きました。
「ここにアクイラはいるんだな?」
カイラさんが私に問いかけ、私は頷く。全員で入ると、魔獣の襲撃。しかしそのすべてはカイラさんとマーレアさんの前では無力。
取りこぼしも
「中央の道の奥に強い魔力。それから…………この分かれ道の向こうにいる…………アクイラさんがいます」
セレナちゃんの感知魔法がアクイラさんを捉え、私たちはアクイラさんのいる方に向かうことにした。しかし、その前に魔獣が何体か立ちふさがる。
「こいつらは私に任せろ! 君たちはアクイラを助けに行くんだ」
カイラさんが一掃し、分かれ道までの間の魔獣を蹴散らす。
そして救出班の私たちはアクイラさんのいる方に向かっていくのでした。救出班の私たちはアクイラさんを助けるために遺跡の分かれ道を進みました。
「魔獣も少なくないです、それでも皆さん進むんですよね?」
セレナちゃんはボウガンを構えて言うと、リーシャさんもエリスちゃんも何の迷いもなく頷いてくれた。私たちの行く先には亜人型魔獣のゴブリンやオークが待ち構えていて蝙蝠型魔獣や狼型魔獣も混じっている。
「私が先陣を切ろう! 我が身を覆いし無敵の力よ、突進に宿りて我が行く手を阻む者を打ち破れ。
リーシャさんはあらゆる攻撃を受けながらもそのまま突撃していく。リーシャさんは光輝いて次々に前方にいる魔獣を貫いていく。しかし、蝙蝠型など槍の範囲から逃れた魔獣が残っています。それに対してエリスちゃんが魔法を詠唱し始めました。
「銃よ、我が魔力を込めて、弾丸を装填せよ。
エリスちゃんの銃に魔力が込められてそれがどんどん射出されていきます。私からすれば二人は十分ベテランで頼りになる。
「ルーナちゃん、大丈夫?」
「は、はい。私は大丈夫です!」
セレナちゃんは私を見て心配そうにしている。でも私はここで立ち止まるわけにはいかないんだ。アクイラさんを助けるまでは絶対に! そして私たちは遺跡の分かれ道で右に進みます。すると大きな扉がありその扉を開けるとそこには魔獣がうじゃうじゃいたのです。
「私も戦う。流れよ、清らかな水の塊よ。相手に落ち注ぎ、その力を示さん。
大量の水の塊で魔獣たちを圧死させる。しかし、それでも魔獣たちは次々と出てくる。セレナちゃんの感知魔法によればアクイラさんはまだ生きているはず。だったら、ここは絶対に進みたい。
「全員突撃!」
リーシャさんはそういうと槍を構えて走り出しました。エリスちゃんとセレナちゃんはそれに続くように走り出しました。私もロッドを抱えて走り出すと、独房のような空間にたどり着きました。
「ここは?」
エリスちゃんが周囲を見ながら、リーシャさんは独房の中を捜索していく。セレナちゃんは入口で警戒しながら見ています。そして私もアクイラさんの姿を探しましたがどこにもいませんでした。
「いない?」
私がそういうと、エリスちゃんがある場所を指さします。それは壁についている小さな扉でした。私はその扉を開けるとそこには鎖につながれてぐったりとしているアクイラさんがいました。
「アクイラさん!」
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