第11話 女神様 再び

 ……目が覚めると俺の目の前に、もう見ることはないだろう、と思っていた人?がいる。


 俺を異世界に転移させた張本人、他ならぬ女神様である。


『俺もしかして死んだ?』と思った瞬間、パーンという音と共にクラッカーが破裂し、俺の顔に紙吹雪が当たる。


「おめでとうー!今回の戦いであなたのレベルがあがったよ。」


 ……………


 え、誰?


 俺を異世界転移?した時と全然性格違うんだけど?


「おーい、ちゃんと話聞いてるか?

 レベルが上がりましたよー?」


「……えっと、誰ですか?」


「誰って…あなたを異世界に送った女神だよ?」


『いや、絶対違うだろ』、俺がそんなことを考えていると女神?が急に一人言を喋り出した。


「え、もう終わり?もうちょっといいじゃん。あ、ちょっとまっ…」


 そう言い残すと女神様の目からハイライトが消え…しばらくすると元に戻った。


「……それではレベルアップの説明をしますね。」


「いやいやいや、え、さっきのなんだったんですか?」


 俺はおそらく前回と中身が同じになった女神様にさっきのことを聞く。


「えっと…いやーその、部下…そう部下が勝手にでちゃったんですよ。」


 えっと部下ってなに?。


 それじゃあ、俺のことずっと見てるやつがいたってことになるじゃん…


 え、こわ、……ていうか、部下が勝手にでたって…


「…もしかしてその体、本体じゃないんですか?」


「まあ、そうですね。


 ……もしあなたが私の本体を見てしまったら最悪死んでしまいますから、こういう方法を使わせてもらってます。」


 いや何それ、怖すぎるんだけど。


「まあまあ、そんなことより聞きたいことがあるのでは?」


「あ、そうです!俺、死んじゃったんですか?」


 俺はここに自分がいる、という中で最悪の状況かどうかを女神様に聞く。


「いえ、あなたは別に死んでませんよ。


『ユキ』、いやあなたの中のイメージでは〈幽霊オオカミ〉があなたとルーナリアを私が張った結界内まで連れて行ってくれてます。」


 ああ、ルナの守護霊みたいなオオカミか。


「まあもっとも、『ユキ』が守っていたのはルーナリアの安全だけで、あなたはついでみたいな感じでしたけどね。

 結界内まで引きずったのはあなたが召喚したゴーレムですから。」


 ……なんだろう、俺のこともしっかり助けて欲しかったな。


「まあまあ、そんなことより今は〈レベルアップ〉について知りたくないですか?」


「…そういえば、女神(不明)がそんなこと言ってましたね。」


「まあ簡単に説明すると、

『あなたが一種の壁を超えたので、またスキルをプレゼントします』って事です。」


「……え、マジで?

 またスキル貰えるんですか?」


「ふふふ、まあ頑張ったご褒美ってことですよ。」


 女神様はそう言うと、また数えきれない程のスキルを空中に出現させる。


 その中には前回なかったものも何個か追加されていた。


「……ん?〈アイテムボックス〉?」


 スキル〈アイテムボックス〉、そのスキルは文字通り異空間にモノを収納するための空間を作り出すというもので、おそらくどんなスキルよりも実用的なモノだろう。


『こんな便利なもん貰ってもいいのか?

 ………まあ、くれるんならありがたく貰うか。』


「言い忘れてましたが、新しく習得できるスキルは3つですので。」


 いや、3つももらえるのか。


 …………


 でもそこまでして欲しいスキルってのも…


 いや、これでいいか。


「えっとそれじゃあ、〈アイテムボックス〉〈裁縫〉〈錬金術〉の3つでお願いします。」


「あら武器系統のスキルは取らないんですね。」


「まあ、斧があれば意外となんとかなりそうなんで…」


「確かにそうですね。

 バグありきですけど、火力だけで考えたら圧倒的ですからね。」


 あ、やっぱり〈特攻斬〉が特攻じゃなくなってたの普通にバグだったのか…


「まあ面白そうですし、これは直さないままにしておきますね。」


 面白そうで済ましていいのかこれ?


 …まあ作った本人が言ってるんだし問題ないか。


「あとスキルに関してもいくつかいじられてもらいました。


 1つ目はお手伝いゴーレムに関するスキルパネルですね。

 今まではゴーレムはそのままに数を増やす、いわゆるのスキルでしたが、あなた達がお手伝いゴーレムに対して特別に近い感情を持ってるためあのゴーレム1人を強化していくスキルにしておきまきた。」


 おお、つまりゴレさんは唯一無二の存在になったってことか。

 これは嬉しいな。


「2つ目は〈ステータス〉に関するものです。


 実はこれいろいろ考えてて、まだ完成したないんですが、とりあえずMPの最大値と残量を確認できるようにしました。」


 女神様がそう言うと、俺の視界の意識すれば見えるほどの端に青い線が現れ、その下に【MP 7500/7500】という数字も出てきた。


 話の流れ的にこの数値が俺のMPなんだろう。

 これは効果は微妙だけどめちゃくちゃ助かるやつだな。


「そして最後、称号系のポイント習得についてです。」


 ああ、これ、いままでどうやってスキルを習得すればいいかわからなかったんだよな。


 俺、ドラゴンに立ち向かったし、絶対何かしらの称号スキルは取れると思うんだけど。


「はい、これそもそもシステムにつけ忘れてました。本当にすいません。


 今回からスキルパネルの画面で習得可能になってます。

 ちなみに、この称号系スキルの習得に必要なスキルポイントはそれぞれのスキルからいらないポイントを使って習得できます。


 多分面白いスキルも習得できるようになってると思うので目が覚めたら確認してみてください。」


「いやあれミスだったのかよ?

 俺2時間ぐらいどうやってするんだろうっていろいろみてたんだけど?」


「その説は本当にすいません。」


 女神様…と言っていいかわからないポンコツをしてたわけだが、まあ一応女神様がそう言うと辺りが白く輝き出す。


「次出会うのがあなたが死んだ時か、レベルが上がった時かはわかりませんが、頑張ってくださいね。」


 その言葉を最後に俺の意識はまたなくなってしまった。


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女神 ふう、とりあえず私の役目は終わりですね。

ゴミ いや最初に出てきたやつなんだったんだ?

女神 ……………

ゴミ あ、教えてくれないのね。

女神 そんなことより、投稿を1週間休んだどっかの誰かは大変ですね、名前がゴミになって。

ゴミ ……あのすいません。これだけはほんとにやめてもらっていいですか?

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