第10話 VS ドラゴン
俺はルナを後ろに置いてドラゴンに向かって走っていく。
ただ、ドラゴンもバカじゃない。
落とし穴があるとわかったせいで動けてはないが、俺を倒すためにしっかりと火の玉を飛ばしてくる。
俺は火の玉が飛んでくるのを見て、ドラゴンとの直線上にある落とし穴にわざと落ちて回避する。
俺が落とし穴の中から上を見るとルナの土魔法とドラゴンの火の玉が上で交差している。
火の玉が通過したのを見て、俺は上に上がる。
どうやら、火の玉は俺とルナの間に
ただ、前回の溜めた『竜巻』の風魔法に比べたら土魔法の威力はあまりなかったらしく、そんなに効いていなかった。
まあ風魔法が俺に当たったら、最悪真っ二つになるから多分それを考えてルナは土魔法を使ったんだろう。
「ルナ〜ー、その調子だ!
水魔法以外ならなんでもいい、とにかく打ちまくれ!」
「うん、任せて。」
ちなみにドラゴンが吐く火の玉レベルの高温に水が触れたら爆発するかもしれないと言ってある。
原理はよく知らないが水蒸気爆発対策だ。
そんなこんなで俺は魔法と火の玉が飛び交うこの戦場の中、ドラゴンに向かって走ったり、落とし穴に落ちたりして進んでいく。
ルナの魔法はドラゴンにドンドン当てているが、ドラゴンの火の玉には俺もルナも避けて、当たっていない。
そうして俺は火の玉を避けながらドラゴンに斧で攻撃できるぐらいのところまで近づいた。
前回はウロコを少ししか斬れなかったがレベルが上がって、攻撃力と切れ味を上げたが今どうなるのか、そんなことを考えながらドラゴンの足に向けて斧を振る。
「おらあ!」
すると斧は足を切断…とまではいかなかったが、しっかり斬ることができた。
「よし、ちゃんとダメージを与えれてる。」
ただ、さっきから山のように魔法を飛ばしているルナの方が与えているダメージは多い。
「まあ、俺の仕事はドラゴンの周りでウロチョロしてここから動かさないことだ。
ルナに近づかせなかったらこのまま押し切れるしな。」
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そうしてしばらくの間ドラゴンをサンドバックのように攻撃していると、ドラゴンが今まで見たことのない行動をしてきた。
火の玉を吐き出したところまでは一緒だが、ドラゴンの顔の周りに火の玉が4つ浮かんでそれを俺たちに向けて発射してくる。
「はあ、魔法?」
俺はドラゴンが魔法を使ったのにビックリしたが、そんな暇はない。
俺の方に2発、ドラゴンの火の玉が飛んできている。
しかもこの火の玉、〈ホーミング〉していくる。
落とし穴に落ちれば避けれると思っていた俺はこの〈ホーミング〉に
「おいおいおい、マジかよ!」
俺は後ろから追いかけてきている火の玉を避けるために走る。
すると、俺の目の前を2つの火の玉が横切った。
「……ヤバイ、ルナ!」
俺は火の玉から逃げながらルナの方を見る。
やはり残りの火の玉2発はルナに向かっていた。
ルナは魔法を使うのをやめ、オオカミの姿になって走り出す。
ただ、〈ホーミング〉してくる火の玉に対して、ルナはほぼ真っ直ぐに走っている。
火の玉の方がルナの走るスピードより少し早いせいで火の玉はドンドンルナに近づく。
ルナも逃げられないと思ったのか、土魔法で壁を作って防ごうとしたが火の玉の威力が思ったより強かったせいで吹き飛ばされて、気絶してしまった。
「ッ、マジかよ…」
俺は木を切って、それに火の玉を当てて火の玉を回避した後、ルナを連れて結界内に逃げるため走ろうとした…が、ルナの方から俺の足元を通り抜けるようにに膨大なルナの魔力が流れてきた。
わけもわからず止まってルナに方を見ると、倒れているルナの後ろにルナより二回り大きいオオカミが立っている。
色はルナと同じ白だが体の輪郭がはっきりしておらず、まるで幽霊みたいだ。
「オオ〜〜〜〜〜ン」
俺が考え事としていると、その幽霊オオカミがものすごい大きな声で遠吠えをした。
するとルナの魔力が全て氷になり、あたり一面が氷に覆われて、まるで氷河期が来たようになってしまった。
ただ、俺のことは味方と思っているらしく、俺の周りは氷で覆われてはいなかった。
ドッカン!
俺が氷に生き埋めにならずホッとしていると、大きな爆発音がしてその方を見るとドラゴンが氷漬けになっており、そこから抜け出すために火を吐きまくっていた。
「ああ、もう、むちゃくちゃだよ。」
もう何がなんだかわからなくなっていると、俺の場所からドラゴンまでいけるように幽霊オオカミが氷の上に階段などの道をつくってくれた。
……ドラゴン倒しに行けってことっすか?
ルナの後ろにいる幽霊オオカミの方を見ると『はよ行け』みたいな顔をしてきた。
…まあルナを見てくれるなら問題ないか。
それにドラゴンもこの氷でここまで弱っている。
今の俺たちでとれる作戦のほとんどがドラゴンにバレてしまったし、出来ればここで仕留めたい。
そんな考えもあり、俺はルナを幽霊オオカミに任せてドラゴンに向かって走り出す。
ドラゴンは氷に覆われているため俺には攻撃できない。
そうして、安全な道を走りドラゴンに近づくと、氷が砕けてドラゴンの上半身だけが氷から出てくる。
ただ、ドラゴンは見るからに弱っており後もう一息って感じだ。
「それにしても、下半身は氷の中にあるせいで、アクションゲームのラスボス見たになってるな…っと。」
俺がそんなことを言っていると、ドラゴンは俺に向けて火の玉を吐いてくる。
まあ大きさも小さくなってるし、そんなに驚異ではない。
むしろ驚異なのはさっき初めて使ってきた魔法の方だ。
今も使えるかはわからないが警戒しておかなければならない。
そうして俺はドラゴンに斧が当たる距離までもう一度やってきた。
俺が斧で攻撃をしようとすると、ドラゴンも腕を振って攻撃してきた。
俺の斧とドラゴンの爪が衝突する……今回は俺の斧が爪に少し食い込んだが、そのまま弾かれて距離を取られる。
するとドラゴンはすかさず火の玉を吐く。
タイミング的に俺が避けるのは難しかったが、急に氷の壁が俺の前にできて、火の玉を防いだ。
「あっぶねー。」
俺はかなりの命の危機を感じたがここで逃げてまた騒音地獄が始まるのが嫌だったので、またドラゴンに向かっていく。
ドラゴンは正面にいた俺を潰すために両手で俺を挟もうしてきた。
俺は潰されないように斧スキルの〈タツマキ〉を風魔法を含めた形で使う。
この時俺の斧は〈タツマキ〉を発動してすぐ木を伐ってからドラゴンに回転しながら攻撃する。
すると、さっきはドラゴンを斬るのにかなりの力が必要だったのに、今回は全く力を入れずにドラゴンの手を切り裂木ことができた。
ただ、俺の魔力も大量に消費してしまった。
「ハアハアハア…」
「ギャアアア、ああああああああああ!」
俺が魔力の消費のしすぎで動けないでいると、手をボロボロにされたドラゴンが叫ぶながらも怒り狂って俺に向かって火の玉を吐いてきた。
だが今回も氷の壁ができて俺を守ってくれた。
「はは、ホントに助かるな。」
俺はいまだにルナのそばにいる幽霊オオカミを見ながら、さっきのドラゴンを簡単に斬れた現象を考える。
前回と今回の同じところはスキルを使っていたところだ。
……でもスキルだけで魔力がなくなるなんてことはないはずだ。
………………
「なるほど、そういうことか。」
大体この現象の見当がついた俺はおそらく最後になる攻撃をするために行動し始める。
俺はまずドラゴンが吐いてくる火の玉を避けながら木の枝を切るために走る出す。
そして枝を手に取った俺はそれを持ってドラゴンに向かっていく。
向かってくる俺にビックリしたのか、ドラゴンは傷だらけの手を俺に向かって振り下ろしてくる。
俺はそれをギリギリの所で避けるとそこから腕に飛び乗りドラゴンが腕を上げたタイミングで俺はドラゴンの頭に向けて飛ぶ。
そして俺は枝を中に放り投げ、それを初めに切るようにして斧のスキルを使う。
「スキル、〈かぶとわり〉!」
まず、空中で一回転した俺はまず木の枝を伐って、そこからドラゴンの首に向かっていく。
ドラゴンも『ヤバイ』と思ったのか、空中にいる俺に向かって最後の力を振り絞って火の玉を吐いてくる。
「っ、マジかよ。」
俺がどうしようもなく絶望していると、下から氷が飛び出して火の玉を防いだ。
「ふう…ありがとう。」
俺は幽霊オオカミにお礼を言いながらドラゴンの首に向かて斧を振る。
どうやら俺の考えは正しかったらしく膨大な魔力と引き換えにドラゴンの首を切断することができた。
俺の考えとは、斧スキルを使った後に木を伐って何かに攻撃すると〈スキル 特攻斬〉の木のみに効くという効果がなくなった状態で〈特攻斬〉の攻撃力アップという恩恵だけ受けれるっていう考え…て言うか多分バグだなこれ。
…まあ、簡単位言えばスキルの後木を伐るだけで物理のマダンテみたいになるってことだ。
そんなこんなで、俺はドラゴンを倒すことができたが、俺は魔力を全部使い切ってしまったせいでまた気絶してしまった。
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女神 …この小説のコンセプト、一応スローライフなんですけど?
作者 大丈夫、この先しばらく戦闘はないから…多分。
女神 まあいいでしょう。
ちなみに次回は私が久しぶりに出ますよー。
そしてあと数話後には新キャラも?
作者 え、それはちょ…
女神 それでは次回も見に来てね。
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