第9話 隣人トラブル(ドラゴン)

 ルナがここに来て1ヶ月。


 最近、困ったことがある。


 ぞくに言う、隣人トラブルってやつだ。


 毎日毎日毎日毎日、どこかしらでドッカンドッカンと昼夜関係なく爆発音が聞こえる。



 そして今夜もぐっすり眠っているところを爆発音によって起こされてしまった。


「みのる…うるさくて、ねれない。」


 ルナが不機嫌そうな顔で言う。


「うん。

 俺もここ最近寝れてないし、そろそろどうにかしなきゃな。」


「でも、どうするの?

 みのるは原因が何かわかってるの?」


「ああ、流石にうるさすぎて結界の外に様子を見に行って来た。


 …原因は俺たちが戦ったドラゴンだったよ。」


 そう、この騒音、原因はドラゴンが吐いてる火の玉。


 俺に斬られた傷が治ったら大変元気になったらしく、火の玉を吐きながら何かを探している。


 まあ、多分探してるのは…特にだろう。


 どうやら、俺に斬られたのが屈辱だったのか、血眼になって探している。


 外の様子を見に行った時、俺が用事を終えて帰っていると俺が少し前にいたところに火の玉をぶっ放していた。


 ………いや〜怖いですね〜


 ………………本当にどうにかしなきゃ…


 ——————————————————


 そんなこんなでドラゴンが静かになった隙に少しだけ寝て朝が来た。


「というわけで、俺たちはあのドラゴンをぶっ倒します。」


 俺とルナはドラゴンをどうするかの話し合いをしている。


「はい!」


「はい、ルナさん。」


「私たちにそんなことできるの?」


「まあ…多分な。

 俺たちはこの1ヶ月で大分強くなったはずだ。


 ルナは高威力の攻撃魔法を覚えたし、俺も魔法は微妙だが、斧スキルは〈レベル 108〉でかなりの高レベルになった。」


「でも…あのドラゴンでしょ…大丈夫なの?」


「まあ、もしドラゴンと真っ向勝負したら、多分負けるだろうな。

 だからこそ、俺たちはしっかり作戦を考えて戦うんだよ。」


「さくせん…なんか楽しそう!」


 と言うわけで、俺たちは今日1日じっくりドラゴンを討伐するための作戦を立てることにした。



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 そんなこんなで次の日、俺たちはドラゴンを討伐するために結界の外に来た。


 ただ出て来たのは、ドラゴンから離れた場所にだ。


 当たり前だがこれも作戦で、ここに落とし穴のトラップを作ろうってことだ。


「っと言うわけでゴレさん、手伝ってくれないか?。」


 そう言いながらゴレさんを召喚するとゴレさんは〈胸に手を当てる〉といういつもの仕草をするとさっそくスコップを使って穴を掘り出す。


 結界の外で始めて建築スキルを使ったが、ちゃんと使えて良かった。


「それじゃあ、俺たちも落とし穴掘るぞー。」


「ねえ、みのる。

 ホントに落とし穴がドラゴンに効くの?」


「…さあ、ただ他に有効そうな作戦が『ルナの魔法を当てて結界内に逃げるのを繰り返す』か『ドラゴンが眠ってる時に不意打ちする』、あとは『俺があの時ドラゴンを斬った仕組みを発見する』ぐらいしかいい案出なかったじゃん。」


 そう、俺がルナを助けるためにドラゴンを斬ったあれ、〈魔力をめちゃくちゃ使った〉という事以外実は何もわかっていない。


 つまり今回、俺がアタッカーとしてドラゴンと真正面から戦うのはおそらく厳しい。


 だから俺はルナを守るタンクみたいな役割になる。


 俺がそんなことを考えてると、ルナが不満そうな顔をしていた。


「ねえ…私が出した『この森の動物全員で会おう攻撃する』ってのもいい作戦だったんじゃないの?」


 ルナは『不意打ち案』と『俺がドラゴンを斬る案」を出して採用したが、『総攻撃案』も採用して欲しかったらしい。


「でもさ、それ、この場所周辺の動物全てをドラゴンにぶつけようってやつだろ?

 絶対俺たちもやばいじゃん。


 そもそも、威嚇して動物を追い立てるのもどうかと思うぞ?」


「う…それはそうだけど…

 だからと言って、落とし穴って…」


 ルナは不満そうに言っているが、俺たちは落とし穴を1時間ほど掘った。



 落とし穴が20〜30個ぐらい完成したところで俺たちが結界から出て来ているのを察知したのかドラゴンがこっちに向かって走って来ている。


「みのる」


「わかってる。

 とりあえずルナは俺の前に出ないでくれ。」


 俺は斧を出してドラゴンに向き合う。


 走って来てるってことはおそらく羽は治ってないんだろう。


「ルナ、多分落とし穴に落ちるから魔法の準備してくれ。」


「え、ホントにおちるの?

 まあ、準備するけど。」


 そう言うと、ルナは魔力を溜め始める。


 色は緑っぽくて、おそらく風魔法かな?


 俺は魔法のことを何も知らないが、そんな俺でもわかるほどでかい魔力だとわかる。


 少し羨ましさを感じているとドラゴンが落とし穴のあるポイントまで来た。


 ドラゴンが落とし穴の上に足を乗せると、そのまま落とし穴に落ちていった。


 キレていたはずのドラゴンが一瞬『キョトン顔』になったのは少し笑えた。


「ルナ!」


「わかった」


 ドラゴンが落ちたのを見るとルナは溜めていた魔力を放出し、ドラゴンの周りで竜巻が起こる。


「ギャアアアアアアアアアアア」


 なんか一度聞いたことのある叫び声をドラゴンが上げたが、竜巻が弱まるとそのまま穴を這い上がって来た。


 ただ、ドラゴンの体は竜巻によって傷だらけになっている。


「ルナ、俺と落とし穴でドラゴンを足止めするからドンドン魔法をぶち込んでくれ。」


「うん、みのるに当てないように頑張る。」


「じゃあ、頼むぞ。」


 俺はそう言うとルナを残してドラゴンの方に向かっていった。


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作者 隣人トラブルはいかに【キチガイ】になれるかが勝負の分かれ目である。 

   by 【2ch】

女神 あなた、2ちゃんねらーなのね…

   しゃべるのやめようかしら。

作者 まとめ見てるだけだから!

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