第7話 農業
「午前中をトイレ建設に使ったし、午後は農業をしようかな。」
俺は昼ごはんを作りながら午後の予定を考える。
「ルナもいちご?みたいなやつ育てたいって言ってたし、とりあえずポイント使って農業スキルで作れる種の種類を増やすかな。
まあご飯できたし昼寝してるルナを起こして昼飯にするか。」
そんなこんなでルナを起こしてご飯を取って午後の作業に移る。
「う〜ん、ゴレさんは?ゴレさんはどこ?」
ルナはまだ寝ぼけているのかさっきからずっとこの言葉を言っている。
しょうがないので今度は農業スキルを起動してポイントを使い農業スキルでもお手伝いゴーレムを獲得して召喚する。
「ゴレさんだ〜。」
そう言いながらルナは俺が召喚したゴーレムに抱きつく。
どうやらゴーレムはスキルが変わっても記憶?は変わってないみたいだ。
…なんか俺より懐いてね?
……………
「えっとそれじゃあ、午後からは農業していくぞ。」
「ええ!それじゃあここでリット育てられるってこと!」
「ああ、リットね、いちごなら育てられるけど、……これで大丈夫?」
俺は地面に絵を描きながらリット=いちごがあってるのかをルナに確認する。
「これ甘いの?」
「うん、甘いよ。」
「じゃあいちご?で大丈夫!。」
「それはよかった。」
そう言いながら俺は現在25レベルである農業スキルを開いてほしい能力を解放していく。
農業スキルというか建築スキルなどの生産系は消費スキルポイントが全て5で少ない。
そして生産系のスキルで習得できる能力は〈お手伝いゴーレム〉〈効果範囲拡大〉〈道具〉〈そのスキル固有の能力の習得〉の4種類を選んで習得していく。
この中で最後の〈スキル固有の能力の習得または解放〉はおそらく終わりがない。
農業なら俺が覚えたり見つけたりした品種全てを種にできるし、建築なら俺が作りたい設計図などを獲得できるからだ。
まあ、今回ははじめに解放したゴーレムと、畑をもう二つ増やすのと、新しい種を8種類生み出すために25ポイント全て使った。
手に入れた種はルナが欲しがってた〈いちご〉と俺が好きな〈みかん〉、あと〈キャベツ〉や〈トマト〉〈ほうれん草〉〈オリーブ〉〈コーン〉あとは調味料用に〈コショウ〉。
今回はこの種を生成できるようにした。
「っと言うわけで今回は畑を耕すところからだな。」
俺はそう言ってルナとゴーレムにそれぞれの体に合ったクワを渡す。
「みのる、これどうやって使うの?」
「これはこうやって振りかぶって下すだけだよ。」
「ええっと……こう?」
そう言いながらルナはクワで畑を耕していく。
その隣ではお手伝いゴーレムことゴレさんがせっせとクワを振って耕している。
俺も負けていられないと思い、せっせと畑を耕す。
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そうしてしばらくクワを振っていると一辺10メートルの畑を2個耕すことができた。
「ふう、やっと終わった。」
「つかれた〜。」
そう言いながら俺たち耕し終わった畑の側で座り込む。
ゴーレムのゴレさんだけが元気そうにしていて正直ビックリだ。
て言うかもう名前はゴレさんでいいのかな……
まあ後で聞いてみよう。
「よし、それじゃあ休憩終わったら種まきするか。」
俺は魔法で出した水をルナに上げながらそう言う。
「ゴクゴク…ップハア、やっといちご?食べれるの?」
「まあ種まきをすれば一応食べれるぞ。」
MPを消費して収穫するのは少し品質は落ちるけど、っと言うのはきっと野暮なんだろうな。
「…まあ、早速種まきやっていくか。
ここの畑の大体ここからここまでにこのいちごの種を植えてくれ。」
俺は畑1面の4分の1の範囲をなんとなく指示しながらいちごの種を渡す。
「わかった!
このいちごは私が美味しくなるように育てる!」
そう言うとルナは種を植える場所に走っていった。
「えっと…ゴレさんや、心配だから見ててくれないか?」
ゴレさんは種を植えたかったのか少しがっかりしたが、もう一度俺が頼むと「任せてください」みたいな胸に手を当てる動作をやって、ルナの方に向かっていった。
そういうわけで俺はそれぞれの畑を4分の1に分割して、それぞれの畑に今回手に入れた種を植えていく。
途中、いちごの種植えが終わったルナとゴレさんがこっちに手伝いに来たくれたので作業がだいぶ楽になった。
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「「終わったー」」
日が夕方になるちょっと前ぐらいに俺たちは全ての種を植え終わった。
ちなみにゴレさんは送還した。
「それじゃあ俺は今日料理する分を収穫してくるからルナは遊んでいていいぞ。」
「う〜ん。
私も一緒に行く。」
ルナはそう言うと収穫に行く俺についてきた。
「とりあえず今日料理に使うのは…とりあえずコショウは欲しいんだよな、いい加減味が欲しい。」
「コショウってなに?」
「ええっと、簡単に言えば料理がもっと美味しくする為に必要な調味料だよ。」
「ちょうみりょう?」
「まあ、実際に使った料理を食べたらわかるよ多分。」
俺はそう言うと自身のMPを消費させてコショウを成長させる。
……今思ったけど結局MPってなんだ?ステータスとかもないしよくわからないんだよな。
「?みのるどうかした?」
「ああ、いや、なんでもない。」
俺はそう答えるとうる覚えな知識を頼りにコショウを収穫していく。
確か黒コショウと白コショウがあった気がするけど…違いは収穫時期だった気がする。
そう考えながら俺は緑色の実のコショウとそこから時間を置いた赤色の実のコショウを収穫した。
「…これ…量すごく多いね、みのる。」
そうルナが言うほど1本の木?から取れたコショウの量は多かった。
「ああ、もう少し植える量、考えた方が良かったな。
にしても、赤くなったコショウは意外と少ないな。」
収穫時期が違うという記憶があったので時間を置いたんだが全部が赤くなったわけじゃなかった。
ここから見慣れたコショウをつくっていくわけだが、黒コショウはここから熱湯で殺菌して乾かす、みたいな感じだった気がする。
そう考えた俺はずっと燃えている焚き火の上にあるお湯にコショウを入れにいこうとすると…
「ねえみのる、私いちごたべてみたい。」
ルナは我慢の限界だったのか俺の服を引っ張ってそう言ってきた。
「ああ、ごめん。
先に今回植えたのを一通り収穫するか。」
「うん!」
というわけで、まずはルナが食べたがっているいちごの収穫にきた。
俺はいちごにMPを注いで成長させていく。
そして成長したいちごをルナにあげる。
「これ…すごく赤いね。」
「え、ルナが言ってたリットって赤じゃないの?」
「うん。
リットは青色だよ。」
青色のいちご…やべえ、俺絶対そんなの食いたいと思わないぞ。
「「………」」
「まあ、いちごも美味しいから食べてみてくれ。」
「わかった。」
そう言うとルナは恐る恐る、いちごをかじる。
「おいしい!
リットより甘いよこれ!」
「そうかそれは良かった。」
俺もとって、かじってみるがやっぱり俺的にはちょっと物足りなさがある。
「みのる、もっととって!もっと食べたい!」
ルナがそう言うのでガンガン成長させて収穫してはルナに食べさせていたのだが、ルナ1人だけでものすごい量食べてしまった。
「これは夜ご飯いらないな。」
そう思った俺は食べ物の収穫をやめ、俺もいちごで夜ご飯を済ませた。
そして俺は収穫した黒コショウを熱湯殺菌して適当な板に乗せ明日から乾かそうと思いながら今日は眠りについた。
ちなみに油が欲しくてオリーブを育てたがどうやってやるのか詳しく思い出せず、とりあえずは後回しにした。
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作者 ゴーレムが意思を持つ…
これは世界にとって最も危険な状態なんじゃないか?
………AIが意思を持ったら危ない的な意味で…
女神 ゴーレムも機械も人に危害を加えないっていうルールがあるから大丈夫じゃない?(他人事)
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