第5話 ルーナリア

 もし、あなたの目の前に衣服をつけていない美少女が現れたらどんな行動をとるだろう。


 すぐに自分の服を貸してあげる?


 それとも「何か問題でも?」みたいな顔でガン見する?


 …………


 おそらく大多数のとる行動は今から俺がとる行動と同じだろう。


「・・・お、お前、なななんで服着てないんだよ!」


 それは数秒、思考停止しながら体をガン見した後にさっと顔をそらすと言う行動だ。


 …ていうか、この人誰だ?


 オオカミっぽい耳ついてるし…まさかさっきのオオカミ?


 俺はそんなことを考えながら壁にかけておいた上着を渡す。


「これ、熱いかもしれないけど早く着てくれ。」


「?、これ…なんです?」


 へ、コイツ服着たことないのか?


 人間の格好してるのに?


「服だよ服、これで肌を隠したりするんだよ。」


「????」


 埒があかねえ、そう思った俺はあまり体を見ないようにしながら上着を着せてあげる。


「これ、熱いです。」


 そう不満そうに言いながら服を脱ごうとするので俺は止める。


 確かに季節に合ってない厚めの上着だから熱そうだ。


 それに色も黒で似合ってはいるが白い髪のせいでこれじゃない感がすごい。


 この人?には白い服が似合いそうだ。


 そんなことを考えていると突然さっき渡してオオカミ少女?に着せた上着が光だし、光が収まるとそこには季節外れの上着はなく、代わりに白いワンピース?みたいなものをオオカミ少女?は着ていた。


 お互い何が起こったかわからず顔を見合わせる。


 ただ一つだけわかったことは、俺がわりと気に入っていた上着がなくなってしまったと言うことだけだ。




 ——————————————————————————



 時は進み、現在俺はご飯の準備をしている。


 あのオオカミ耳の女性?少女?は本当に昨日ドラゴンに追いかけられていた白いオオカミがヒト化した姿だった。


 名前はルーナリア、なんとなく思いついたらしい。


 少し長いのでルナと呼ぶことにした。


 ちなみに昨日倒したシカはルナが解体してくれた。


 人の姿で爪を伸ばした時はどっかの暗殺者かと思ってちょっと怖かった…


「で、なんでドラゴンに追いかけられてたんだ?」


 木を擦るという重労働をして火をつけた後、シカ肉を焼きながら今回の事情についてルナに聞く。


「ええっと、なんか昼寝してたらいきなりドラゴンがやってきて急に会いかけて来たんです。」


 ただ、エサと思われてただけかよ。


「ていうか、なんで敬語なんだ?

 別にため口でいいぞ?」


「けい…ご?ため…ぐち?なんですかそれ?」


「えっと、マジか。

 ルナ、お前どうやって言葉覚えた?」


「だいぶ前にこの森に入ってきた人間がこんな感じに話してました。


 その時にこの体は便利そうだと思って、この体に変身してみたんです。


 まあ、その人たちはそこら辺にいる動物にやられてましたが。」


「ははは、しれっと怖いこと言わないでくれ。

 ……まあ敬語とかは後でもいいか。


 お前はこれからどうするんだ?


 親とか家族、群れの仲間とかいるのか?」


「……生んでくれた、と言う意味の親ならいます。

 ただ、それが人間でいう家族や仲間というのは少し違います。」


「ん?どういうことだ?

 生んでくれた親は普通家族じゃないか?」


「私はどうやら突然変異種みたいなんです。


 見てわかる通り、私の毛は白ですよね。


 でも、親や同種族の仲間たちは全員毛の色はグレーなんです。


 それに私は生まれつき多くの魔力と高い知能を持っていました。」


「それ、自分で言うのな。」


「まあ、事実ですので。


 まあそんなこんなで群れから追い出されてしまったので、今は別に帰るところとかはないですよね。」


 悲しそうな顔をしながらルナはそんなことを言う。


 よく見ると耳や尻尾も下がっている。


 ……なんか重いな。


 ……………………


「じゃあ、ここで暮らすか?」


 俺は焼き終えたシカ肉と野菜を盛りつけた皿を渡しながらルナに聞く。


 ここに住み始めて2週間くらい経つが少し寂しい。


 かと言って人と関わりたいとは思えないがこいつとならうまくやれそうだ。


「……いいんですか?

 もしかしたらいっぱい迷惑かけてしまうかもしれませんよ?」


「まあそれは今更だろ。

 こっちはドラゴンに踏みつぶされそうになってるんだから。」



「……それもそうですね。

 それじゃあ……これからお世話になります。」


 そう少し笑いながら返してきた。


「こっちこそ、よろしく。」



 ……………………


「「ふふふ」」

 少しの沈黙の後、俺たちは互いに笑いあった。


 そして、俺は他に聞きたいことがあったのでそれらを質問していく。


 そうしていく内にルナの口調はだんだん軽くなってきた。


 ついでに体も軽くなっている。


 どうやら本当の姿はもっと子供らしい。


 Q ここはどこ?

 A 私もそれはわからない。


 Q この周りに何かある?

 A ここからかなり離れたところにとてつもない大きな木がある。

 他にも鉱石が取れる場所があり、そこにある鉱石を取りに人間がごくごくたまーに来るらしい。


 Q 川や海とかの水は近くにある?

 A 少し離れたところに川はある。

 海についてはルナはそもそも海を見たことがないらしい。


 Q ここにいる動物、魔物はどんな奴がいるの?

 A いろいろな魔物がいるけど大抵は狂暴。

 ただ、ここら辺は森の中ではあんまり強い魔物ではないらしい。


 …………


「え、いや、あのシカとかウサギとかもここでは弱いのか?」


「うん。

 ここから離れたところに行けばもっと強い魔物とかいっぱい現れるよ?


 ああ、でもあのドラゴンは別。


 あれは森の外から来た魔物だから。」


 外来種もいるのかよ。


「そういえば、俺がドラゴンに叩かれたとき回復魔法使ってくれたよな?

 あれは、マジで助かった。

 ありがとう。」


「回復魔法は私が使える唯一の魔法だからね。

 役に立てたならよかった。」


 群れから追い出されるほどの魔力MPを持ってるのに回復魔法しか使えないのか……


 そういう種族なのか?


 なんていうか…


 ………………


「?…みのる、どうかした?」


「ああ、いや何でもない。」


 ふとルナのほうを見る。


 ルナのトレードマークである長くて綺麗きれいな白い髪、そしてとても整った顔。


 だが身長は縮んで今は140cm在るかないかくらい、胸も正直そこまで大きいわけじゃない。


 正直年齢はそんなにいってなさそう。


 ………


 だからこそ、俺は気になった。


「なあルナ、お前生まれて何年ぐらい経って得るんだ?」


「う~ん。

 多分だけど生まれて2年くらいじゃないかなー。」


 ルナはシカ肉を食べながら平然と答える。


 …………………………


 え、じゃあなんだ。


 俺は2歳の子供に一緒に住もうって言ったのか?


 ………これ大丈夫だよな?



_______________________________________

———————————————————————————————————————


作者 ロリが苦手な方、このキャラで恋愛的描写をするつもりはありません。

   なのでこのまま読み進めて大丈夫です。


   そしてロリコンの野郎ども!

   …てめえらはフォローと★をして進め!

   (ちなみに作者もかなりロリが好きです。)

女神 ショタが好きな私は?

作者 …評価のほうよろしくお願いします。

女神 じゃあ星1で

作者 それでもうれしいのよ、底辺作家は!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る