第60話 4thダンジョン Ⅹ

(弱点は闇属性か。それなら)


 ジャァァァン!


 まずは召喚士サモナーにスタイルチェンジ。

 

 続けて、手持ちの召喚サモンキューブのレアリティをレッドに書き換え、解放してみる。


 すると。

 1冊の禁書が目の前に発現した。


 ============================


 【真醒しんせいの従者の召喚】

 

 冥府の召喚『真醒の従者』に関する秘法が書いてある禁書。

 血の契約を交わし、ランドイーターを一定時間呼び出すことができる。


 [レアリティ] ★★★★★

 [種類] サモン

 [属性] 闇

 [攻撃力] 2500


 ============================


 おっ、一発で星5が出たぞ。


(ランドイーターか)


 うん。

 これなら禁書をわざわざリライトする必要もなさそう。


:!?!?

:ふぁwww

:星5www

:ええええええええ

:いきなりランドイーターwww

:パネェww

:キレキレ泣いてる?w

:おーいww

:キタァァァァ!!

:召喚士にスタイルチェンジしたのね

:最強の召喚獣やんww

:エデン持ってるわ~

:やったれー!


 召喚士のスタイルを選んだのには理由があって。

 短期で決着をつけるには、召喚獣の攻撃が一番有効なんだよね。


「総長さん、この場所は少し危険です。僕のうしろに下がれますか?」


「脚が・・・う、動かねぇんだよおぉ・・・」


 どうやら。

 一歩も動けなくなっちゃってるみたい。


 かと言って、さすがにこの通路で禁書を使うわけにもいかないし。



「キュウェイイイイ~~!」



 そんなことを考えてる間にも。

 砕星さいせい王蟲おうむエリュトロンは、威嚇するようにゆっくりとにじり寄って来ていた。


 厄介なことに。

 相手の必殺技『絶波破晄撃クリムゾンストライク』は、近距離のものをすべて焼き尽くすっていう危険度の高い技だったりする。


 射程に踏み込んだ瞬間。

 間違いなく繰り出してくるに違いない。


 そうなれば、総長さんは黒焦げ。

 なんとかそうなる前に決着をつけないと。


 そこでふと。

 ある考えが閃く。

 

(ひょっとしたら、これでなんとかなるかも)




 砕星王蟲エリュトロンから距離を取るように。

 一歩二歩と、慎重にあとずさると。


(今だ)


 後方に向け、一気にダッシュして駆け抜ける。


「お、おいぃ! オレを見捨てる気かよぉぉ~~!?」


:え?

:!?

:あ・・・

:逃げた?

:ちょww

:ん?

:キレキレw

:これは自業自得

:吹いたw

:そりゃね

:置いてかれてるやんww

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